ATTENTION
水白/監禁/共依存
白side
水:初兎ちゃん
辺りも見渡せないほどの暗い、暗い部屋の扉が開くと共に聞こえるいつもより少し低めでねっとりとした声。
上から降ってくるその声が全身を纏い身体が硬直する。
水:今日アンタの同僚?みたいな奴から初兎見てないかって疑われたんだけど何かした?
白:えっ…?
彼の後ろから零れ出る向こうの光を扉が遮ったと同じに部屋の電気が僕らを照らす。
勿論何もしていない。スマホも、パソコンも、連絡手段が閉ざされてしまっているから。
自分で閉ざした癖に何を言い出すの?
白:僕は何もしてへんよ…?やっていむくん僕が連絡取れへんの知っとるやろ、?
機嫌を損ねないよう丁寧に説明を説いていく。
怒らないでお願い、愛しい目以外で僕を見ないで
水:うるさい、そうやって嘘つくんでしょ、ねぇ楽しい?僕を騙して
しゃがみ込んでいる僕と目線を合わせ、光など存在しないかのような濁っているターコイズブルーの色が僕の瞳いっぱいに広がる。
あぁ始まった、不安が積もると毎度ヒステリックを起こすその癖。
治らないよね、本当の事を言っても君は受け入れてくれない。満足しなければ自分が満足いく方向へ強引に捻じ曲げて納得しようとするの。
白:っち、ちが…やってそうやん、!?いむくん以外を見いへんようにって…
水:だから?
冷たく言い放たれたたったの3文字
だからって、これ以上僕に何を求めてるのか、いやきっと分からなきゃいけないはずなのに頭が思うように働かない。
目視できる範囲いっぱいに”怖い”と思う彼が映っており選ぶ言葉も出ず、息を吸うのが精一杯。
水:…何勝手に怖がってんの?
水:勝手に怖がられてる僕の身にもなってよ、可哀想じゃん
ドクンと心臓の音が耳の奥で響き、吐く息がやけに篭って聞こえる。
白:あぅ…っごめ、ッごめ、いむく、は…、
恐怖の一点張りで、遂にはまともに空気さえも喉に通す事が出来なくなってしまったロクデナシに成り下がってしまう。
藻掻くように空気を求めるもそう上手くいくことはなく、時間が経つにつれ、視界が段々とショートし始める。
水:…情けな
鋭利な刃物で刺すような言葉を放ちながらいむくんは、ベッド棚の上にあった携帯用の酸素ボンベを僕の口に宛てがう。
白:は、は…っひ、ん…はぁ…
シューッという酸素が出る音と、喉の奥から自然と出るヒュッという音が反比例しだし、段々と正常の呼吸が見え始める。
白:は…は…っ、いむ、いむく、っ
水:いいよ無理に喋んなくて。
優しい手つきで僕の背中を摩りながら少しだけ抱き締めてくれる。
だめだよ、ぎゅってしちゃったらいむくんのせっかくの服が僕の血で汚れちゃう。
白:ご、ごめんなっ…?いむくんが納得いくようなこと言えんくて…、あのな
水:初兎ちゃん
白:僕なりに頑張ったんやけど、ぁは、だめやったかな…?今度から頑張るから、その…
水:初兎ちゃん?
柔らかく可愛らしい手が僕の頬に触れる。
添えるように触り、親指でゆっくり撫でながら必死に紡いでいた言葉を遮った。
水:自分を問い詰めないで、せめて自分の事は大切にして?
水:君を傷つけていいのは僕だけなの。
目を細めて笑ったいむくんの表情は優しく微笑んでるかのように見えるが瞳の奥が笑っていない。
奥が深く、また踏み込んではいけない領域を感じ瞳孔が広がる。
水:この身体も、心も、全部僕の所有物。好き勝手していいには条件が揃いすぎてるでしょ?…ね?
そう言い、見るに堪えない切り傷や内出血を起こした痕がある僕の腕を持ち上げ、傷がある部分を一つ一つ丁寧にキスをしていく。
それも妙に擽ったくいやらしい、けど彼の柔らかい唇が僕の肌に触れている事に胸が跳ねる。
水:僕には初兎ちゃんしかいないの
水:つまり初兎ちゃんには僕しかいないの、わかる?
自分”だけ”の
僕が求めていたものはその”特別感”
僕だけを見ていてくれて僕だけを必要としてくれている、それが嬉しくて、でも何より嬉しいのはその人がいむくんだって言う事。
白:…僕だけの、いむくん…
その優越感に浸り無意識に口角が上がっていく。
よく手を上げる君だけど、酷い事を言う君だけど、僕だけって考えると全部が許せるの。
水:…そうだよ?初兎ちゃんは特別
愛おしそうに僕の瞳を見詰める可愛い僕の彼氏はゆっくり顔を近づけ唇同士を触れ合わせる。
白:ん…
久しぶりに優しい愛情表現を彼にされ、少しびっくりする部分もあるが心地良い。
ただただ唇を触れ合わせ続けるだけのプレッシャーキス。
この優しい時間が続けばいいのに、なんて叶わないけど。
水:初兎ちゃん、大好きだよ
またもう少し我慢すれば、優しいいむくんが見れるかもしれない。
白:…僕も、愛してる
色んな君を愛せるように、頑張るね
短いから非公開でしたがお気に入りなので投稿しちゃいました➰👶🏻
コメント
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水白とっても大好きです!!! 最近公式側からの水白供給が多くてそういう系の話を書きたいと思ったり見たいと思ってたのでめちゃくちゃ刺さりました!!! これからも大好きです!作品だけじゃなくて作者さんも大好きです!!