第1話 転生
*夕《ユウ》はボロ布団で目を覚ました。見慣れない天井に冷たい床。ここは家ではないと即座に気付いた。戸惑いながらも辺りを見渡す。そこらじゅうに張ってある蜘蛛の巣に少しでも体重をかけたら崩れてしまいそうなボロ椅子。そして何より驚いたのが隣に2つ、同い年程の女の子が眠っていること。夕は誘拐の可能性を疑ったが、拘束もされていないのでそれは無いと自分で自分にツッコミを入れた。とりあえず起き上がってみる。埃を沢山被っている窓から微かに日の光が見えた。
「なんだ、、ここ。」
軋む床の上に広がる埃から目を背けながら
少しづつ歩いて行った。少し歩いたところにあった外とここを繋げているであろう扉を開けようとしたが、長年開けられていないのか、夕の体重を全てかけても開けられない。
「クソッ!」
思わず大声を出してしまった。埃を吸わないよう気をつけながら深呼吸をし、冷静になった。まず、いまどうしてここにいるのかを考える。あと少しで思い出せそうなところで頭に激痛が走った。
「「イ”ッ!!」」
この声でふたりが目覚めてしまった。
ふたりは私の事を目をまん丸くしてみている。
あぁ、、絶対不審者だと思われたよ。
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