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「ここが僕の新しい学校…」
今日の天気は曇り予報だったが、運良く空は青く、太陽が見える。そんな今日、僕はこの流快(りゅうかい)中学校に転校してきた。
小学校の時に色々あり、欠席することが多く、卒業式にも出席しなかった僕は、別の中学校へと転校することを、三学期の初め辺りに決めていた。流快中学校は田舎の学校で、僕にとっては初めての田舎だ。小学校の時と全く違う景色に驚きながら、僕は入学式のために学校に登校した。
玄関を見つけ、靴を履き替え、教室へ向かう。初めは教室で先生の話を聞き、その後に体育館で入学式を行うらしい。
教室にはすぐ着き、すぐ窓側の自分の席に座った。『入学おめでとう』と大きく書かれた黒板アートに新しい教科書、そして初めて会う人達。何もかもが新鮮だった。
とても賑やかでみんな楽しそうだった。そんな教室の様子を見ていると1人の少女が近付いてきた。
「1人で何してるの?」
ショートヘアーで小柄な少女は僕の机に手を付いて話しかけてきた。
「…みんな楽しそうだなって」
僕がそう言うと少女は笑った。
「何それw陰キャかよw」
そういうと再び目を合わせて口を開いた。
「私は結城みどり!よろしくね!」
僕はみどりの笑顔に自然と惹かれた。
「僕は九十九葉琉(はる)、よろしく。」
僕の名前を聞くとみどりは去っていった。結局なんだったのかよくわからなかった。
しばらくして入学式が始まった。入学式はすぐに終わり、教室に戻った。また賑やかに戻った教室を見ていると、あることに気づいた。
柊 芽衣。その人がこのクラスのリーダー的存在で、芽衣の命令にほとんどの人が従っている。この学校は人数が少ないからクラス替えが無い。だから小学校の時から同じクラスなのだろう。
小学校の時に何かあったのだろうか。
そう思いながら見ていると、芽衣は僕の方を突然見た。
「お前転校生だろ?うちの荷物片付けて」
僕のことを指さして言った。この時僕は悟った。標的が僕になったと。
言われるがままに芽衣の荷物を片付ける。片付け終わった時に先生が教室に来た。その瞬間教室は静まり返った。先生の前では猫をかぶる。前居た小学校と同じだった。僕が驚いていると芽衣は「何も言うなよ」と言わんばかり僕を睨んだ。もしかしたらこのクラスは前いた学校より酷いのかもしれない。僕は今日1日でそう感じとった。
すぐに帰ることが出来る中学校初日。大量の教科書を入れた重いカバンを持って歩いて1人で帰っていると、後ろから声が聞こえた。
「葉琉君だっけ?一緒に帰ろ〜!」
重いカバンを持ちながら走ってくるのは初めて話しかけてくれたみどりだった。
「なんでこんな重いカバン持って走れるんだよ…」
みどりは僕の前で止まった。息を切らしている。
「葉琉君、芽衣ちゃんに目つけられちゃったね…」
可哀想…と言わんばかりに見つめてくる。
「芽衣さんってそんなやばい人なのか?」
僕がそういうとみどりは必死に首を縦に7回ほど振った。
「芽衣ちゃんのお父さんが…ヤクザだから…」
みどりはそんな芽衣のお父さんに怯えてるのか、震えながら答えた。
芽衣はヤクザの娘だから逆らうことが出来ないのだろう。そして芽衣は親の力を利用して好き勝手しているということだろう。
「だから…芽衣ちゃんには逆らわない方がいいよ…」
そういうとみどりは歩き始めた。僕もみどりに続き、歩き始めた。