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「あんたなんか産まなきゃ良かったッッ」
あれからどれくらい時間が経ったんだろう。
ぐぅぅぅと腹の虫が鳴る。空が紅く徐々に暗くなっていく。あれから何度この紅い空をみただろう。それすらも分からない。
さっきから目眩が凄い。これ以上立っていられるかどうか。
「おいッ大丈夫か?」
そう言いながら自分の肩を支えてくれる男がいた。
その人は銀髪のパーマがかってる髪をし、腰には廃刀令の世の中に変わってしまったせいか真剣ではなく木刀。
『すみません…』
その人に迷惑をかけないようまた歩き出そうとした。
ふらふらと長く歩けそうにない歩み方。
ぐぅぅぅとまた腹の虫が鳴く。
「おい本当に大丈夫か?」
長い前髪の奥からでも見えるまっすぐな目。
「もしかして飯食ってねえのか?」
『大丈夫ですので、、』
「大丈夫なわけねえだろ、こんなほっせえのに」
骨張っている腕を掴まれて言われてしまう。
「あー、飯食いに行くぞっ」
ガシガシと突き進むその姿は、侍というにはあまりにも荒々しく、チンピラというにはあまりにまっすぐな目をした男だった。
「親父、いつもの二つ」
「あいよー」
一般的なご飯屋さん。優しそうな老夫婦が営んでいる。
いる人が笑顔になるような店。
「ほい、食え食え。いただきます。」白い米の上に乗った小豆の丼。
「食わねえのか?」『いただきます、、』
奇妙な見た目のご飯。食べたことのない恐怖と、それ以上に空腹による食欲が勝っている。そんな状態で目の前に置かれたご飯。食わないはずがない。口に運ぶ。
「どうだ?。」
「…い。』
「あ?」
『美味しい、です。』
本心から出た美味しいと言う言葉。久しぶりの食事。
「そうか、よかった。」
少し微笑んでまたご飯を食べるこの人を見て何か、自分の脳では表すことができない何かを感じた。
「お前親は?。」
親、親の元へは行きたくない。捨てられたのか自ら逃げたのか、、こんなガキにはできることが限られている。
「捨てられたのか?。嫌なら言わなくていいぞ。」
コクッと頷いた。
「そうか。そのーうち来るか?。」
『…たい。』
「もっかい言ってくれる?。」
『行きたい』
この人についていきたいと思ったのか、、わからないけど一緒に行きたいと思った。
「わかった。よろしくな。」
今回は一旦終わらせていただきます!
第一話見ていただきありがとうございます🙇
二話以降に主人公の詳細を伝えさせていただきます
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そんじゃバイバイ