僕は杉琴歌澄。皆京郷っていう、君たちが住んでいる地球とは違う惑星にある町に住んでいるんだ。そして僕はその中で地球探査員に選抜されて、その名前の通り地球を探索する人なんだけど、今日の僕はいつもとは違う行動をした。
僕は基本的に夜中、人が寝てる時に探索する。そして僕はあるものを見つけた。何て書いてあるか分からない看板を見つけた。とても古びていて、中の建物も結構古そうだった。僕は柵を押すと、鍵も何も付いていなかったのか普通に開いた。柵の金具が軋む音がして、とても不気味だった。建物の中に入ると、電気は一つも付いておらず、音も響くほど物も少ないようだった。廃家とも思ったが、家にしては部屋が多いし廊下も長いので家とは思えなかった。部屋は全て閉まっていて、開こうとしても鍵が多少軋む音がしている。そして2階に足音を立てずに行くと、一つだけ扉が開いている。僕はそこに行って、扉から部屋を覗くと、そこには僕より小さい子が毛糸を編んでいた。するとその子は僕の存在に気づいた。「はわ…」なんか声を出そうとしてたので、咄嗟にその子の口を抑えた。もしバレたらめんどくさいからね。その子が暴れるのを止めて、その子の体力が無くなってくるにつれて暴れる力も弱くなったので、敵意が無いことを示す為に、何かしようとしたが、途端に下から足音がした。その子は怯えた様子で僕を見ると、日本語で話しかけた。「お母さんが怒っちゃった…見つからないようにしないと」僕は鞄から疑似風景描写器を出して僕とその子に被せた。すると「26番!!うるせぇぞ!!!」と物凄い怒号と共にドアが蹴破られ、鬼の形相でお母さんとやらが来た。右手にはバールを持っている。僕は反射的にその子を抱き締めた。今僕達は疑似風景によって周りからは見えなくなっている。僕は何かに気づき、その子の服を捲り、背中を見た。そしたら、紫色の痣が沢山あった。お母さんとやらがその子を探していて、お母さんとやらが扉から離れた瞬間その子を抱えて部屋から出た。そいつは追いかけてきたが、僕は颯爽と建物から出て遠くへ逃げた。
僕はその子を降ろして、カタコトな日本語で名前を聞いてみた。そうだよ。僕は日本語あんま話せないんだよ。すると俯くような感じで小さい声で言った。「26番しかわからない…」僕は少し考えて、皆京郷に連れていくことにした。なぜならさっき服を捲った際、体も随分と痩せていたから、ご飯をよく食べてなかったのだろうと思ったからだ。皆京郷ならご飯が沢山ある。移動カプセルに行って、隣にその子を乗せて出発した。宙に浮くカプセルの中から見る景色は初めてのようで、その子は不思議そうな目で景色と僕を交互に見た。僕がボタンを押すと、光を発して地球から高速で飛びだった。やはり初めて地球というものを見るのか、目をキラキラさせながらガラス越しに見える小さな地球を眺めていた。そして次に見えるのは木星、土星…んー、あとの惑星の名前知らないけど、とりあえず太陽。そして名前忘れたけど多分<はびたぶるぞーん>っていうよく分かんない所を越えた。そして遂にコゴマ星っていう皆京郷がある惑星が見えた。僕は軌道を修正して、無事に着地した。その子は宇宙の神秘に触れて疲れたのか寝てしまっていた。
その子を連れ僕の部屋に行って、布団に入れて寝かしておいてあげた。僕はその幸せそうな寝顔を見てほっとした。するとその子は起きて、部屋を見始めた。最初はキョロキョロしていて、僕を見た途端にその子の腹の虫が鳴いた。その子は恥ずかしそうにしていたが、僕は何か食べ物を食べに行こうと思い、その子を連れてレストランに行った。
注文をすると<ねこ>が出てきて…、あ、ねこっていうキャラクターなんだけどね。まあねこが出てきて、日本語でその子に話しかけるわけ。「御注文は何にしましょうか?」その子はびっくりしていたけど、ねこのスマイルに乗るように、「しろ…」と何かを言おうとしたが、漢字が読めずつっかえてしまった。僕がカタコトに「たべたいもの、あったらゆびさして。」と言ったら白飯に指を差した。僕はねこにプレセル語、要するに皆京郷の言葉で頼んだ。ねこは笑顔で「はいはーい!」と言って厨房へ駆け込んだ。
皆京郷はゴマ語っていう漢字のような字が使われている言葉と、完全に独立したプレセル語、英語の文法が使われているミーパ語の3つがある。どれも覚えるのが難しく思えるかもしれないけど、どれもここに招き入られると自然的に1つは覚える。僕はプレセル語だった。そして同時に元いた世界の言葉や言語は完全に欠落してしまう。だから僕は名前が日本だけど日本語が話せないんだ。
ねこが注文を承って1分くらい経って白飯が出てきた。その子は手で食べようとしていた為、止めてスプーンで食べるように促した。使い方が分からないみたいで握ったまま食べた。僕は樗夏麺を頼んだ。樗夏麺は皆京郷独自の麺だから、皆聞いたことがないであろう。その子は久しぶりのご飯なのか、結構早いスピードで食べ終わった。僕は流石に白飯1杯じゃ物足りないだろうと思ってメニューを渡したが、案の定足りなかったようで、また白飯を頼んだ。でも大盛りだからいっか。ねこが持ってきたのはさっきの4倍近くはある白飯。まあここの普通と大盛りは全然違うからね。でも空腹な子の前には、その白飯さえ及ばなかった。僕とその子は同時に食べ終わって、代金を払い、店を出た。
今日はもう夜遅い為、僕とその子は就寝することにした。その子が眠りにつく前に、指紋を取らせてもらった。名前が分からないといけないため、データ検索をするからだ。その子が眠りについた後に、データ検索をした。名前は…漢字で読めない。やっぱもうちょい勉強した方が良かったのかな…
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