──世界が燃えていた。
銃声、爆発、悲鳴が入り混じる。かつて「ならず者の楽園」と呼ばれた場所は、今や戦場と化していた。
シオン・ヴェルナー率いる革命軍と、統括組織の最強部隊。
この戦いの結末は、すでに決まっていた。
「クソッ、数が多すぎる……!」
革命軍の兵士が次々と倒れる。圧倒的な兵力差。統括組織は、革命軍の動きを完全に見切り、戦場を包囲していた。
それでもシオンは戦い続けた。
「──”奈落の鎖”」
鎖がうねり、敵兵を薙ぎ払う。しかし、どれだけ倒しても、新たな兵士が押し寄せてくる。
「ハハ……終わりが見えてきたな」
シオンは血まみれのロングコートを翻しながら、微笑んだ。
カインが駆け寄る。「シオン! ここを脱出しろ! もう無理だ!」
「何を言う、私は王だぞ?」
「ふざけるな! こんな戦いに意味はない!」
シオンは静かに首を振った。「いいや、意味はあるさ」
──この戦いは敗北する。
だが、ここで”火種”を絶やさなければ、いつか必ず誰かが引き継ぐ。
「革命とはそういうものだよ、カイン」
「なら……俺たちはどうすれば……!」
シオンは軽く笑い、ポケットから小さなメダルを取り出した。それをカインの手に握らせる。
「お前は生きろ」
「お前が生きている限り、革命は終わらない」
「──行け」
カインは何かを言おうとしたが、シオンはすでに背を向けていた。
「ならず者の王」として、最後の戦場に立つために。
革命軍は壊滅した。
そして、シオン・ヴェルナーは捕らえられた。
統括組織の処刑場。数千の兵士が見守る中、シオンは処刑台に立たされていた。
「神々の秩序を乱した罪人、シオン・ヴェルナー──」
処刑官が告げる。
「貴様に”死”を与える」
シオンはロープで縛られ、磔にされた。
それでも、彼の表情は穏やかだった。
「……ずいぶんと大勢の観客だな」
誰も答えない。
処刑官が合図をすると、兵士が銃を構えた。
「最後に言い残すことは?」
シオンは空を見上げた。
──夕焼けが、燃えているようだった。
「……悪くない人生だった。だが、強いていうなら、ワインをくれ。明日出るらしいんだ。」
次の瞬間、銃声が響く。
革命の王は、ここに散った。
──だが、その火種は消えない。
カインが、シオンの意志を引き継ぐ者たちが、どこかで戦い続けている限り。
ならず者の楽園は終わらない。
【さくしゃから】
次回!参加型!ちょっとだけ情報解禁しますか
舞台は1年後です。
主人公は主なんですけど、組織側です
コメント
1件
今回も神ってましたぁぁぁぁ!!!!! 一瞬まじでワンピの世界線かと思ってビビった((( シオンタァァン...!!!?まじか...あぁ〜...なるほど、後を ねぇ...!!! これは面白くなりそうだ...!! 次回もめっっっっさ楽しみいいいいいいいぃ!!!!!