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次の日。私は嫌がりながらも学校へ向かう。会いたくないヤツらがいる反面、このヘアピンの効果を楽しみにしている自分がいる。
いつもの通り道をぬけて、学校が見えてくる。ため息をつきながら、校門を通る。
自分の教室に向かうと、やっぱりいつものアイツがいた。アイツとは、私をいじめる輩、名前は確か…真緒…行永 真緒だ。真緒は私に入学時から目を付けていて、取り巻きの美帆、愛華と一緒に私をいじめてくる。今までで1番最悪だったのは、わたしのどこから手に入れたのか分からない、合成写真のようなものを掲示板に貼られたこと。あれで私のことは学年、いや学校中に知れ渡った。他人と目が合うと少しクスッと笑われるし、私からしては最悪だった。
「あっれぇ、菜乃花じゃーんw来るの早いねー」
真緒はいやらしい笑顔で挨拶をしてきた。もちろん無視すると怒られるので、私も返す。
「あ、はい、今日はいいことがあったから、」
「へー、いいことねー、なに?身長が伸びたとかー?ww」
普段は身長いじりが多いので、こんな事を聞かれるのは日常だ。
「いや、そうじゃないんだけどね、笑」
「ふーん、まーそっかwどーせのびっこないよねー」
「そうだね、笑」
苦笑いで返して席に座る。今日はなんだかいつもの嫌がらせはどうでもよく感じた。早く魔法の効果を見たいという一心で授業を受けた。
昼休み。私はいつものように真緒達に呼ばれ屋上に向かう。そこには真緒、美帆、愛華がいる。
「き、きました。」
すると3人が一斉にこちらを向いて笑いだす。
真緒「あーw、この前のコンクールで3位だった人だーw 」
美帆「あんたにしてはよくやったんじゃなーい?w」
「あー、はい、ありがとうございます、今日はこれだけですか?」
真緒「は?なにそれwあーんなヘッタクソな歌でよーく3位とかとれたよね〜」
美帆「それなです、まっじでへったくそwww」
ピリッ……
私の中で何かが切れた。気づくと声は出ていた。
「私は頑張ったの!!」
その場は一瞬凍りついた。その後すぐクスッと言う笑い声が聞こえる。
真緒「なにそれw、結果にならなかったんだから意味ないじゃん?」
こいつなんか…こいつなんか…
「magical」
気づいた時には小声で呟いていた。すると真緒は少し苦しそうにこちらを見つめる。
真緒「なにか、した、?」
怒っているようにも見える。半分…あと1回、あの言葉を呟けば彼女の命は無いのだろうか。人を殺すことになるのは分かる。それでも少しの好奇心が勝ってしまう。
「magical…って言ったよ」
その瞬間真緒は倒れ込む。
あ、やっちゃった。私、もしかしたら本当に殺っちゃったかもしれない。
周りにいた取り巻きは真緒に駆け寄る。
美帆「ま、真緒!!あんたなにしたの!?」
愛華「…、!」
や、やばい、逃げなきゃ、でも、足が震えて…
すると愛華が私に向かって何か呟いた。その瞬間私の体は宙に浮き校舎前に弾き飛ばされた。何が起きたのかは分からない。だけど、今は逃げるしかなかった。震えた足を何とか動かして自分の家に向かう。お母さんは夜遅くに帰ってくるから、居なかった。それが私にとっては最高に嬉しかった。部屋にこもって何が起きたのかを考え込む。真緒が倒れ込んだのは、きっと私がmagicalと言ったからだろう。だけど、私が宙に浮いたのは?謎が多い中、1時間ほどが経過する。ニュースで速報が流れる。
「閃光町 閃光中学校で 女子児童1名が 死亡したとの速報です …… 死因は不明で、屋上の下に倒れていたため 自殺 と考えられています。友達の美帆さんは アイツがやったの! と話しており、警察は事情聴取を続けています ……」
ニュースを見た私はますます怖くなり布団にまるまる。私、人殺しなんだ。捕まるのかな。そんな恐怖に襲われながら夜を過ごす。眠れるわけが無い。でも、この問題に向き合わなきゃ。明日、愛華ちゃんに話を聞いてみないと。
そして今日は終わった。