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桜散る季節に中学校に入学した私。
これから花のJCライフー
「ちょっと…食べ過ぎたか?」
構内を満たす桜の匂いを体で感じ、白い上履きを出す。
上履きの先端部分には「菊花いらの(きつか いらの)」の文字。
私に割り振られた7番の上履き入れは八組一列の下から2番目。
「最っ悪…しゃがむのダル過ぎでしょ…」
部活の靴や体育館履きを入れるであろうもう一つの上履き入れも8番。心の中で「4番のヤツ変わってくれよ…」とほざいた。
そう。私は正真正銘全世界が認める体たらくであり、めんどくさがり屋なのである。さらに、脳みその偏差値は48!加え、体重は60kgオーバー(ちな、身長は158)顔面はイチゴ鼻、ニキビ、タラコ唇という三拍子…いや…すべてまとめて【全世界代表体たらくのアホバカデブス】。
そんな私が3年後には顔面偏差値も脳みその偏差値も軽く80は超えていくであろう物語。
「あ〜疲れた…登校するだけで疲れるって…これからやっていけるのかよ…」
私の家と学校は県の端っこから端っこくらいのレベルで離れている。
使う路線は計4路線。
「づがれ”だお”…」
周りはみんな友達を作ろうと奔走してる様子。
友達は後でも良いんだよ…と、登校の疲れに耐えきれず眠ってしまった。
………
「あの〜…起きてください。」
ハッとした。
「入学式始まるので〜…」
目の前には中性的な子、女子寄りの。めっちゃ凛としてて賢そう。
「お、起こしてくれてありがとう。」
教室には5人程が残っている、他の人はどこ行ったかというと、廊下に並んでいた。
急いで並ぶと同時に列が動き出した。
向かう先は体育館。これから入学式が始まる。
吹奏楽部の演奏する華やかなファンファーレのような音に心躍らせる。
誘導されるがままに席に座らせれ、校長の挨拶とか、先輩からのお言葉とか、他愛も無い普通の入学式。
「それでは、入学生代表、「有馬 彩葉(ありま いろは)」さん、お願いします。」
あれ…あの子さっきの!
そう思考を巡らせてる間に有馬さんの挨拶は終わり、気が付けば帰りのホームルーム。時の流れがおかしくて恐ろしいわ。
帰り際、クラス表を全て撮って電車を待つホームで覚える。
4月といえどまだ寒く、私の脂肪も堪える。
「宝塚 詩跡(たからずか しき)…桜花 希空(おうか のあ)…無理だぁ…覚えらんね…」
すると、どこからともなく声が聞こえる。
「あ、あのー!あなた私と同じ名前の人ですよねー?」
唐突に声をかけられてので狼狽える。
「え!?あ!はい!いらのです!?」
「はじめましてー!あたし秋華いらの!同名なのすごいね!これからよろしく!」
「え!?うん、」
「早速だけど、一緒に帰らないー?」
そうして私は記念すべき1人の友達をゲットしたのである。
心の中でほくそ笑んだ。