テレビのニュースが緊急速報を告げた。
「こちらは気象庁です。関東地方にて発生したゲリラ豪雨は、今後さらに激しさを増す見込みです。土砂災害や冠水に十分ご注意ください。」
窓の外では、雨がまるで滝のように降り注ぎ、雷鳴が轟いていた。
――そのころ、翔太は暗い部屋の中で、パソコンの画面に食い入るように見つめていた。
「裏切り者、どこだ……絶対いるはずだ……!」
翔太は吉田の会社の内部データを解析し、裏切り者の痕跡を探していた。カチカチとキーボードを叩く音が部屋に響く。
「おーい、翔太~!」
突然、扉が乱暴に開かれ、霧島蓮ーPETーがずぶ濡れのまま入ってきた。
「……うわ、びっしょびしょじゃねえか。」
「ゲリラなめてたわ。タオル貸せ。」
翔太は面倒くさそうにタオルを投げる。霧島はそれを受け取り、髪を拭きながらパソコン画面を覗き込んだ。
「何やってんの?」
「親父の会社の裏切り者探し。」
「……は?」
霧島の目が輝いた。
「マジ?面白そうじゃん。」
「面白くねぇよ。てか、お前暇すぎんだろ。」
「その通り。だから手伝ってやる。」
翔太はため息をつきつつも、霧島を無視して作業を続けた。だが、その時――画面に奇妙な名前が浮かび上がった。
「Amamiya_Kyosuke」
「……雨宮京介?」
その名前を見た瞬間、翔太は凍りついた。
「誰だよ、そいつ。」霧島が覗き込む。
「知らねぇ……でも、監視カメラからのこの動き……こいつ、親父の背後取ってるぞ……!」
――そして場面は会社へと転じる。
吉田武史は、会社の自分のデスクで資料を眺めながら、頭を抱えていた。
「……雨がすげぇな。」
窓の外を見れば、滝のような豪雨。だが、その豪雨よりも冷たい気配が、背後から忍び寄っていた。
「吉田さぁん。」
――ゾクリ。
その声は、耳元で囁くように響いた。吉田はゆっくりと振り向こうとしたが、背後の男はそれを許さなかった。
「明日、会社の食堂でお会いしましょう。」
その声は、どこか冷たく、それでいて楽しげでもあった。
「……誰だ……?」
だが、振り向いた時には、そこにはもう誰もいなかった。
冷や汗が止まらない。吉田は拳を握りしめ、心を落ち着けようとするが、その名前が頭を離れない。
雨宮京介――こいつは一体何だ……!?
――つづく――
コメント
1件
本当にそう!雨宮って一体何もんなんだ! 続き待ってる(*´꒳`*)