お久しぶりです。寿司鍋です。1ヶ月以上も開いて申し訳ございません。
⚠注意喚起⚠
・反発と服従のカップリング要素があります
・生♡ネタです。苦手な方はブラウザバック推奨です
・微グロです
・嘔吐描写があります
・文が長いです
・許せる方のみ進んでください
その日は、何となく朝から怠い感じがした。
小鳥の囀り、理解のうるさい声、部屋に差し込む朝日。朝はそんなに好きじゃない。
ベッドから身体を起こし、着替えて、リビングへ向かった。
朝食を食べ終わった後は全員バラバラになって行く。
仕事に行く奴、散歩に出かける奴、自分の部屋に向かって行く奴。
― 俺は、暇していた。
何となく外に出たくなったので、玄関に座り込んだ。
― 痛い
下腹部の辺りがずきずきと痛む。動けない。
痛い。痛い。
ふと、手を当てると、血が付いていた。
頭の中がハテナで埋め尽くされていく。
血?どうして?なぜこんなに腹が痛むのか?
思考してもキリがない。
そこで、1つの考えが脳裏に浮かぶ。
『生♡』
あり得ない。そもそも、俺は男だ。なる筈か無い。
でも、考えても考えても、それにしか行き着かない。
気が付くと俺は幼馴染の名前を呼んでいた。そこで体力を使ってしまったのか、俺は倒れ込んだ。
ドタドタと走ってくる音がして、いおが俺を見るなり顔を真っ青にして駆け寄ってきた。
依央利「猿ちゃん!?何があったの!?」
猿川「…いお……」
猿川「俺………生……♡…………」
依央利「……え、?」
いおは困惑しているようだった。それもそうだ。突然大声で名前を呼ばれたかと思ったら、幼馴染が生♡、だなんて。
依央利「…立てる?」
猿川「………むり…」
依央利「じゃあ、ちょっと揺れるけど、我慢して。」
猿川「…ん………」
依央利は猿川を抱き抱えて、部屋のベッドへと寝かせた。
依央利「じゃあ、僕玄関の血拭いてくるから、ちょっとだけ待っててね。すぐ、戻るから。」
猿川「…うん」
…………………………
玄関についた血を拭きながら僕は考えていた。
― 生♡?どうして?なんで猿ちゃんが?
考えても考えても分からない。…取り敢えず、早く戻らないと。猿ちゃんが待っている。
― 本当に、生♡なら、色々買うものとかもあるし。
大体拭いたところで、僕は急ぎ足で部屋へ向かった。
依央利「血は大体拭いてきたよ。……その、まだ痛む?」
猿川「……痛い」
依央利「……そっか、…欲しい物とかある?」
猿川「…無い。………近く、居ろ。」
依央利「うん。いいよ。」
痛いぐらいに僕の手を握り締めてくる猿ちゃんが、少し愛おしくて、可哀想で。
偶に頭を撫でながら見守っていると、いつの間にか寝てしまっていたみたいだ。
― 猿ちゃんが寝てる間に色々買わなきゃ。…生♡用品とか。あと、血がついていた所をもう少し綺麗にしておかなきゃ。
起こさない様にそっと手を離して、部屋を離れた。
不安だろうから、出来るだけ側に居てあげないと。
…………………………
猿川「……あ”、?」
どうやら寝ちまっていた様だ。スマホで確認すると、時刻は昼の14時を指していた。
― いおは、?
ふと気が付いて部屋を見渡しても、そこに幼馴染の姿は無かった。
― 迷惑かけちまったな…
そんなことを思いながらまたベッドに寝転んだ。
腹が痛ぇ。ずっとズキズキ痛む。……痛ぇ。
どうしたらいいのか分からねぇ。…………痛ぇ。
依央利「あ、猿ちゃん…起きてたんだ、」
猿川「あぁ、いお。…悪ぃな。」
依央利「気にしないで〜。奴隷舐めないでよ?」
猿川「好きだな〜ほんと……じゃねぇや、大分服とか血だらけなんだけどよ、」
依央利「あ〜、ナ♡キンとかいる?」
猿川「いる。…あと、シーツとかにも血ぃついてっから、洗ってくれ」
依央利「承知しました〜!」
俺をよそに、いおは嬉しそうに血のついたシーツや服を回収していく。
依央利「あぁそうだ、はい、これ。ごめん、渡すの遅くなっちゃった。」
いおはがさっと音を立てて何かを床に置いた。音の方を見ると、ビニール袋の中に、ナ♡キンやカイロ、痛み止めなどが沢山入っていた。
猿川「…買ってきたのか?」
依央利「うん。奴隷としては、一から自分で作りたいところだったけど、急ぎだからさ。」
猿川「…ありがとな」
袋を受け取り、シーツ達を抱えて部屋を後にするいおを目で見送る。
スマホで色々調べると、生♡は1週間ぐらいで治るらしい。
― 1週間か、長ぇな。
どれだけ調べても、男性が生♡になるような事例は見つからなかった。
― 生♡なんかじゃなくて切れ痔とかなんじゃねぇのか?
…とも思ったが、それとはまた少し違いそうなので、生♡で確定だろう。
考えてもキリが無いので、俺はまた眠った。
目が覚めるともう辺りは暗くなっていた。
― 何か今日寝てばっかりだな、俺。
寝てる間に血を吸ったナ♡キンを変える為に立ち上がる。
今日一日ずっと寝ていたからか、少しだけよろけた。直ぐに身体は歩く感覚を取り戻したようで、そのまま歩いてビニール袋の中から新しいナ♡キンを1つ取り出した。
古いナ♡キンをどうしたら分からなかったので、いおにLINEする。
『いお』
『おはよ。なんかあった?』
『古いナ♡キンどうしたらいい』
『待ってて、袋持って行くからそれに入れて』
『分かった』
依央利「はい、袋。ちゃんと袋の口縛ってね?」
猿川「はいはい、分かった。」
依央利「てか、猿ちゃん昼も夜も食べてないでしょ?大丈夫なの?」
猿川「…え?…あー。」
確かに、今日は朝以外食べていない。
猿川「…じゃあ、何か作れ。」
依央利「承知しました〜!チャーハンでいい?」
猿川「ん。」
依央利「チャーハンだけ?」
猿川「あんま食欲ないから…うん。チャーハンだけでいい」
依央利「分かった。食欲出てきたらいつでも言って。何でも作ってあげるからさ。」
猿川「ありがとな。」
いおの作るチャーハンは美味しい。少し楽しみにしながら、久しぶり、と言っても、5時間振り位に部屋を出る。
ちょっと歩くのが怠いけど、そこまで遠い訳でもないので我慢して歩く。
依央利「あ、猿ちゃん!部屋に居ても良かったのに…歩いて大丈夫?」
猿川「ちょっと怠ぃけど平気だ。」
依央利「そう?無理しちゃ駄目だよ!あ、はい、チャーハン。」
猿川「早。まだ数分しか経ってないだろ?」
依央利「滅私、貢献、奉仕!!!」
猿川「返事になってねぇよ…まぁいいや。ありがとな。」
机に置かれたチャーハンを一口、また一口と口に入れていく。
依央利「どう?味とか変じゃない?」
猿川「ん、美味い。」
半分ぐらい食べた所で、手が止まってしまった。
依央利「?…猿ちゃん、どうしたの?」
猿川「…いや………いつも通り滅茶苦茶美味えんだけどよ、なんか、食欲無ぇっていうか、…腹いっぱいっていうか…」
依央利「そっか……。あ、残しておくから、また食べたくなったら温めて食べてね。」
猿川「悪ぃ。ありがとな。」
…………………………
―普段よりえらく素直だなぁ。
ありがとうとか、ごめんとか、普段なら意地張って言わないような事をすらすらと言う猿ちゃんが、何か不思議だった。
普段とは違う一面が見れて嬉しくもあるけど、そこまで辛いのかな、と思うと、心配だ。
―ちゃんと寄り添ってあげないと。
依央利「っ痛っ……」
洗い物をしている途中に、包丁が人差し指を掠めた。薄っすらと、血が浮き出て来る。指を切ってしまった。
―今日はよく血を見るなぁ。
シンクのお湯を止めて、タオルで拭いてから絆創膏を貼る。
依央利(…あ、ちょっと縒れた)
絆創膏を貼り直して、また洗い物を始める。一度止めたせいか、お湯が水になっていた。
冷たさに負荷を感じながら、洗い物を続けた。
…………………………
猿川「ッう゛あ゛………い゛ッッつ……」
何で、何でだ。さっきまで全然良かったのに滅茶苦茶痛え。腹が千切れそうだ。
1日目でさえこんなに苦しいのに、2日目3日目になるとより酷くなんのか。最悪だな。
猿川「いお゛……い゛…ぅ…」
『いと』
『いたい』
『たふけめ』
『はやぬ』
急ぎ過ぎて文字の入力すらまともに出来無い。打つだけ打った所でスマホを床に落としてしまったので、俺はどうする事も出来ずに呻きながら蹲った。
痛い。…痛い。
どうしようもない痛みに抵抗することすら出来ない。涙が零れ落ちる。
―はやく、はやくきてくれ。
…………………………
ピコン、とスマホが鳴った。
依央利「…あれ?猿ちゃん?」
洗い物が丁度終わった位にスマホが鳴った。
依央利「メール…猿ちゃんからだ」
『はやぬ』
最初に表示されていた文字を見て僕は困惑した。…『はやぬ』?何それ。でも、猿ちゃんはどうでもいいことは送って来ない。一番どうでもいい事だったとしたら『今日寒い』とか。気になりつつメールの全容を見た。
『いと』
『いたい』
『たふけめ』
『はやぬ』
全容を見た所でようやく僕は察した。猿ちゃんが助けを求めている。
依央利「ッ猿ちゃん!!!!」
猿川「……い、お」
依央利「…猿ちゃん、ごめん…!…悪化しちゃった?」
猿川「…………ッ」
歯を食いしばりながら小さく頷いた。余程痛むのだろう。
―僕が痛みを肩代わり出来たら良いのに…!
猿川「…ぎもぢわるい」
依央利「…!……はい、袋。」
猿川「ッ…お゛ぇっ…げほッ…ぅ゛えェッ…!」
依央利「……大丈夫だよ……ほら…」
片手で袋を支えながら、もう片方の手で背中を擦る。
―何だか、懐かしいかも
―昔も、似たような事が―――
…………………………
猿川「ッぅ゛え゛ッ…!ぇう゛ッ…げほッげほッ…ッんブッ…」
吐き気が止まらねぇ。何だか頭痛もしてきた。一向に腹痛も治らねぇし。生理痛フルセットかよ。
猿川「ッはぁッ……あ゛ーッ…はぁ…」
依央利「落ち着いた?」
猿川「……悪い」
依央利「ううん。…大分重いのかな…猿ちゃんの生♡。」
猿川「…そうなんじゃねーの…?生♡の度に学校休む女とかあんまいねーし。」
依央利「それもそっか…じゃないや、口元にゲ■まだちょっと付いてるよ、ほら」
そう言いながらティッシュで口元を拭ってくる。
…………………………
猿川「ん…ありがとな」
依央利「いや?むしろ普段より負荷が増えて奴隷的には嬉しいかな♪」
猿川「はっ、嬉しがってる奴はあんな切羽詰まった顔しねぇだろ。」
依央利「…そりゃあんなメール来たら誰だって心配するでしょ!何さあの怪文書!!」
猿川「っせーな痛かったんだよ馬鹿!!」
なんだコイツ…とも思ったけど、猿ちゃんが普段の調子に戻ってくれて良かった。
依央利「まだ後何日もあるんだから、頑張ろ、猿ちゃん」
猿川「…おう」
+ 終 +
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