綾樹に連れて来られたのは、使われていない空き教室だ。
鍵は掛かっていなく、簡単に開いた。
「先に入って」
綾樹に指示され、結羽は言われた通りに中へ入る。
中に入ると、結羽は埃っぽく空気が立ち込めた教室を想像していたが、教員か他学年が掃除をしているのか意外にも小綺麗に整頓されていた。
続いて綾樹も中に入ると、背後からカチャと鍵を掛ける音が聞こえ、結羽は怪訝に振り返った。
「え、何で鍵……?」
「誰かに入られたら面倒だろ。さっきの俺みたいに」
「…………」
皮肉に笑う綾樹に、結羽は先ほどまでの自分の迂闊さを呪った。
「本題に入るか」
綾樹はドカッと机に腰掛ける。
「それで……条件って、お金とか……?」
「まぁ、それも魅力的だけどな。俺バイトしてるし、金には困ってねぇから別にいらねぇ」
「……じゃあ、何が望みなの?」
「俺が望んでいる条件は二つ。一つは、俺の言うことを何でも聞くこと。そんで、もう一つは、俺には絶対に逆らわないこと」
「それを守れば……動画を消してくれるんだね?」
「ああ、お前の頑張り次第でな」
「……わかった」
それで平穏な学校生活を送れるなら……と結羽は安易に承諾してしまった。
(何を、言われるんだろう……)
結羽の頭に浮かんだのは、パシリかまたは定期テストを全てサボれと言われるのではと思った。
そんなことを思案していると、綾樹は机から立ち上がり、結羽に近づいて行く。
「んじゃ、早速……」
綾樹が結羽の腕を掴んだ。
その行動の意図がわからぬまま、結羽の視界が反転する。
次に背中から鈍い痛みが走り、結羽は一瞬呼吸が止まる。
「……っ」
結羽は痛みで閉じていた目を開けると、目の前に綾樹の顔があった。
そこで結羽は、綾樹に覆い被されていることに気づいた。
「な、に……?」
何が起きているのか、結羽は思考が追いつけずにいた。
状況を飲み込めずにいると、綾樹がクスッと笑った。
「何って……この状況からして一つしかないだろ」
綾樹は結羽の耳元に顔を寄せ、ボソッと囁いた。
「――ヤらせろよ……」
その言葉が耳から脳に届き、結羽はハッと理解する。
頭の奥で第六感が警鐘を鳴らしていた。
このままだと良くないことが起こる。
「……っ!」
結羽は咄嗟に綾樹の胸を押すがびくともしない。
「お前……忘れるの早ぇな」
抵抗する結羽を見て、呆れるように呟く綾樹。
その反応に、結羽は先ほどの条件を思い出す。
「ま、待って……! 他のことなら何でもするから、これだけは……!」
「今更取り消しはできねぇよ。条件を飲んだってことは、合意ってことだから」
綾樹は震える声で懇願する結羽の制服に手を掛ける。
結羽は抵抗ができず、綾樹のされるがままに制服のボタンを外される。
全てのボタンが外されると、隠れていた肌が露出する。
「……可愛い下着してんじゃん。つうか、胸でけぇな」
「……い、いや……見ないで……」
顔が羞恥で紅潮し、結羽は両手で胸を隠す。
「だーめ、ちゃんと見せろ。後、これ外すから」
そう言って綾樹は、結羽の背中に手を差し込む。
ホックを外して、下着をたくし上げると、隠れていた胸が露わになる。
「えっろ……」
綾樹は呟きながら、手のひらで結羽の胸を包み込んだ。
弄ぶように胸を揉み、親指で描くように先端をこねくり回す。
こそばゆい感覚に、結羽の身体がぶるっと震える。
「ひゃ……!?」
恥ずかしさで目を閉じていると、先端から生暖かい感触がし、結羽は思わず声を上げる。
恐る恐る目を開けると、綾樹が先端をちゅるっと唇で吸い上げていた。
「乳首、気持ちいい?」
綾樹は先端から唇を離し、紅潮する結羽に顔を向ける。
「気持ち、よくなんか……ない」
綾樹から顔を逸らし、結羽は否定の言葉を発する。
結羽にとって精一杯の抵抗だった。
「ふーん……じゃあ、もっと舐めてやるよ」
結羽はやめてくれるかと思ったが、返って逆効果を招いてしまった。
綾樹は再び胸に吸いつき、口の中で硬く勃ち上がった先端を舌先で転がす。
「あっ……!」
突然、痺れるような刺激が襲い、結羽の身体がビクッと跳ねる。
「はっ、いい反応……噛まれる方が好きなんだな」
「ち、違っ……んっ……!」
結羽の言葉を聞かず、綾樹はふっと唾液で濡れた先端に息を吹きかけ、また吸いつきを繰り返す。
口に含まれていない方の先端は、親指でこねくり回される。
「も、もう……やめっ……んっ……」
恐怖と快感が入り混じった感覚に、結羽は頭がおかしくなりそうだった。
そこで綾樹の手が胸から離れ、滑らせるように腹から腰へと下りていく。
更に下へ進むと、その手はスカートに辿り着く。
「嫌っ……!」
スカートの中に侵入しようとする手に、結羽は思わず足を閉じる。
綾樹は先端から唇を離すと、「おい……」と結羽を見下ろす。
「足閉じんな。触れないだろ」
「や、やだ……」
「動画」
「……っ」
『動画』という単語に結羽は逡巡する。
頭では命令を拒否しているが、自己防衛本能からなのか結羽の足が震えながら左右に開く。
「いい子」
綾樹は止められていた手を動かし、その先にある秘所を撫でる。
「濡れてる……胸弄られて感じちゃった?」
「違う……そんなんじゃ……あっ……!」
綾樹がショーツと共に中心のある蕾を指で摘むと、結羽は腰に掛けてピリッとした甘い痺れが走る。
指先で蕾をくりくりとすり潰され、結羽は意に反して声が漏れる。
「あ、んっ……やっ……!」
「しっかり感じてんじゃん。かわいい……」
綾樹は蕾から指を離すと、指先を蜜口にあてがう。
そして、ぬちゅ……と音を立ててそのまま中に侵入させた。
「あは、すんなり入った」
「ん……んぅ……!」
ゴツゴツとした指が潤った蜜内を掻き回される。
まるで生き物が這い回っているような感覚に、結羽の腰が反応して動く。
(な、何……これ……)
綾樹の止まらない指の刺激に、奥から波がせり上がってくるような快感が結羽を襲う。
やがて、その快感が絶頂に達した瞬間――。
「――……ッ!」
結羽の腰が跳ね上がり、身体中や蜜内がビクビクと痙攣する。
「ははっ……軽くイッたな。指だけで気持ち良さそうに締め付けてきてさ、そんなによかった?」
「ハァ……ハァ……」
結羽は今まで感じたことのない快感で頭が真っ白になり、綾樹の言葉が耳に届かなかった。
先ほどまで強張っていた身体はぐったりと床に沈み、何も考えられなくなる。
「なぁ、へばってるとこ悪ぃけど……」
綾樹は蜜口からゆっくり指を引き抜く。
身につけていたネクタイを外し、「あっつ……」と呟きながらワイシャツを脱ぐと、硬く引き締まった逞しい腹筋が露わになる。
「俺、もう限界……」
綾樹は腰に巻いていたベルトを外す。
「……っ!」
ファスナーを下ろす音が聞こえ、放心状態だった結羽はハッと我に返る。
その音が何を意味するのか理解したのと同時に、綾樹の股間から赤黒く勃ち上がったモノが反り返る。
「ひっ……!」
結羽はそれを見て、吃驚で目を見開く。
これから起こることが脳裏に浮かび、結羽は動けない身体を必死に退けようとする。
だが、その努力は虚しく終わった。
「おい、無理に動くな。イッたばっかで辛ぇだろ」
綾樹は再び結羽に覆い被さると、彼女のスカートに手を入れて、ショーツを脱がせる。
「ま、待って……」
「待てねぇよ。ゴムならしてるって」
「違う……そうじゃなくて……」
結羽は震える声で言葉を発する。
「は、初めてなの……だから……」
「……!」
その言葉に綾樹は驚いて目を見開いたが、すぐに意地の悪い笑みを浮かべる。
「へぇー……いいこと聞いた」
綾樹は先ほどまで指でいじめていた秘所に亀頭をあてがう。
「お願い、嫌だ……怖い……」
涙目で懇願する結羽の頬に、綾樹の大きい手が添えられる。
触れられた熱に結羽は見上げると、綾樹はまるで慈しむような目でこちらを見ていた。
「落ち着け。大丈夫、最初は痛ぇと思うけど、慣れてくるから」
「……?」
常とは違う綾樹の優しい声と頬に添えられている体温に、結羽は不思議と身体の震えが止まった。
いつも教室で見せる綾樹は揶揄した態度で、結羽を不快な気持ちにさせていた。
でも、今は別人のようにかけ離れていて、まるで壊れ物を扱うように優しく触れている。
「震え、止まったな」
綾樹は頬に添えていた手を離し、その手を結羽の足に添える。
「挿れるぞ……」
そう言って綾樹は腰を進めると、亀頭がぬぷっ……と音を立てて飲み込んだ。
「ん、ぐぅ……っ!」
「せっま……天野、力抜け。じゃねぇと先に進めないだろ」
「む、無理……! いた、ぃ……!」
蜜口を押し広げられ、抉るような痛みに結羽は生理的な涙が頬を伝う。
「力抜かねぇと、余計に痛くなるだけだぞ」
綾樹は顔を逸らす結羽の頬に手を添え、こちらを向くように目線を合わせる。
「んっ……⁉︎」
綾樹の顔が近づき、唇が触れ合ったと思いきや、結羽の口腔にぬるりと舌が入り込む。
結羽は突然の感触に、綾樹の胸板を押し返そうとする。
だが、綾樹はさせまいと結羽の手を絡めるように床へ縫い止めて、じゅるっと水音を立てて舌を交わせていく。
(息が……苦しい)
結羽は呼吸困難を訴えようとするが、口と身動きを封じられているためできずにいた。
そこで、綾樹の唇が離れる。
「ハァ……ハァ……」
ようやく解放され、酸欠状態だった結羽の肺に空気が流れ込む。
「こっちに集中しろ。後、苦しくなったら鼻で息するんだ」
綾樹はそう言って、息を整えている結羽の口に再び舌を差し込み、唇を塞ぐ。
結羽の舌を円で描くように絡め、舌先を軽く尖らせて上顎をなぞる。
(鼻で……息)
結羽は言われた通りに鼻で軽く息をすると、先ほどとは違い、呼吸は多少苦しくなくなった。
ちゅ、くちゅと掻き回される水音が耳に届き、結羽の腰が疼く。
(……気持ちいいなんて思いたくない……なのに)
綾樹の深い口付けに、結羽は次第に快楽の渦に呑み込まれ、痛みで強張っていた身体を弛緩させていく。
「……上手」
綾樹は唇を離すと、恍惚な表情を浮かべる結羽の髪を撫でる。
結羽の身体から力が抜けていくのを感じると、綾樹は止めていた腰をゆっくり進めていく。
「……んぅ!」
肉竿が更に蜜内へ入ってくるのを感じ、結羽の腰が上へと逃げようとする。
「おい、こら。逃げるな」
綾樹は逃げようとする結羽の腰を押さえ、肉竿を奥へと進めていく。
「んっ……あぁ!!」
亀頭が奥に当たるのと同時に、破瓜の音が下腹部に響き渡る。
ぎちぎちと広がる圧迫感と共に、蜜口と根元の結合部から赤い血が結羽の肌を伝って滴り落ちる。
「入った……全部」
綾樹はふぅ……と息を吐くと、結羽の下腹部に触れる。
「なぁ、わかる? ここに俺のが入って……」
「うぅ……ぐずっ……」
「……って、痛くてそれどころじゃねぇか」
綾樹は苦痛で涙を流す結羽の額にキスを落とす。
「よしよし、頑張ったな」
綾樹は泣いている小さな子供を慰めるように、結羽の頭を優しく撫でる。
「ぐずっ……お願い……抜いて……」
「ここまできたら後戻りできねぇよ……ゆっくり動くから、なるべく力抜け」
綾樹は腰を引いて、ギリギリまで肉竿を引き抜く。
「くっ……うぅ……」
また肉竿がゆっくりと押し進み、奥に当たると引き抜くのを繰り返される。
結羽は痛みを逃すように、綾樹の背中に両腕を回してしがみついた。
「ちょっ……それはずりぃ」
回された両腕と自分のモノを温かく締め付ける感触に、綾樹は余裕のない表情を浮かべる。
「悪ぃ……これ、我慢できねぇわ」
結羽の耳元に呟くと、ゆっくり動いていた綾樹の腰が早まる。
「ん……っ‼︎ ああっ……‼︎」
突然早まった腰の動きに奥を突き上げられ、結羽は声にならない叫び声を上げる。
粘膜の擦れるいやらしい音と肌のぶつかる音が耳に響いて、結羽は次第に何も考えられなくなる。
「これ、ヤバすぎ……」
締め付けられる強さが増し、綾樹は快感で腰の動きが止まらなかった。
何度も出し入れを繰り返していくうちに、綾樹は快楽の渦に流されていく。
「くっ……イキそう」
やがて、綾樹が絶頂に達した瞬間、結羽の下腹部にじんわりと温かい感触が広がった。
「…………」
密着するように肌が重なる中、結羽の視界がぼやけていく。
そして、ゆっくりと結羽の意識は闇の中に落ちていくのだった。
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