「…嘘やろ…?」
みりんの関西弁が、震えた声で漏れる。
幽冥の巨影——その異形の腕がみりんの体を掴んでいた。彼女の体は宙に持ち上げられ、バキバキと骨の軋む音が響く。
「ぎゃっ…あぁああああ!!!」
腕が締まるたびに、みりんの細い体は痛みによじれる。しかし、彼女はまだ抵抗をやめなかった。
「クソが…!まだ…まだや!!」
彼女は短剣を取り出し、腕に突き刺す。しかし、刃は泥に突き立てたかのように、沈み込むだけで、ダメージにはなっていない。
「みりん!!!」
サブと萌香が叫び、異魚天とレイスも動こうとした。だが——
グチャリ。
幽冥の巨影の異形の口が開き、みりんを握り潰したまま、喰らった。
血飛沫が夜空に弧を描き、彼女の断末魔の叫びが戦場に響き渡る。
「はははははっ!!!」
アレクシスが高らかに笑う。
「ほら見ろ!この絶望を!!!」
サブと萌香の顔が青ざめ、異魚天が刀を握り締める。そして、レイスはただ唇を噛み締めながら、地面に拳を打ち付けた。
「みりん……っ!!!」
仲間が一人、無惨に殺された。
しかし、それはまだ”始まり”にすぎなかった。
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わお、しんじゃた