このノベルは東方project本編ストーリーとの関りを一切持ちません。
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時系列調査記録 ⋮ 時系列№05 世界線 ??? | 年代 | 2000年 |
※微レイマリ要素注意 ※
これは噂なんだけどね。幻想郷のどこかに今はもうないはずの古い百貨店があるらしいの。そこに入るとアナウンスで自分の名前が呼ばれるらしいよ。でね、名前を呼ばれた人は…
「霊…夢?」
8/2AM 8時11分 | 名前 | 霧雨魔理沙 | 年齢 | 23歳 |記録開始|
「ふあ、ぁ..」
カーテン越しに太陽の光が差している。それが眩しかったのか魔理沙は目を覚まし欠伸をする。今日は雲一つない快晴。こんな日には出かけに行くのがいいな、と思ったのか魔理沙は身支度を始める。持ち物はつい最近買ったばかりのガラケーと水の入ったペットボトル1本。そして友人に貰ったお揃いのくまのキーホルダーをつけたカバンを手に行く当てもなくぶらつく予定だ。朝食は冷蔵庫にあったジャムと食パンで適当に済ませさっさと家から出て行ってしまった。
同日AM 9時30分
暫く道なりに沿って足を進めているとレトロな雰囲気の漂うとても大きな百貨店が聳えていて、古いものが好きな魔理沙はそれに見惚れながら無意識に入口に近づいている。私にはこれが古いものなのかは分からないが魔理沙が言うのであればそうなのかもしれない。
「凄い、まるで昔のものがまんまここに置かれたぐらいには綺麗な状態だ。」
壁に触れたり見つめたりしていると、ドアの張り紙に手書きのお知らせが張ってあった。
「なになに?…ええ?!閉店しちゃうのかよ!」
上記を述べた後魔理沙は目を見開いた。そして近所にこんな綺麗な百貨店があるとは知らず少し気分が落ち込んでいる。じめじめした魔理沙は仕方なくその店を後に、…しようとしたがその耳に入ってきた声は懐かしいが知らない女性の声。透き通っていて大人っぽい印象だ。女性はこう話していた。「本日はご来店頂き誠にありがとうございます。心行くまでお楽しみくださいませ。」…まさにデパートや百貨店のアナウンスといった感じ。
実は魔理沙はこの時点で百貨店内に人が居ないということに気づいていたがアナウンスを聞いた後好奇心に負けこのあと百貨店に入ることになる。
同日AM 9時45分
前述の通り。魔理沙はついに好奇心に負け百貨店の中に入ってみてしまった。内装はというと、入ってすぐのところに有名なチェーン店があり、エレベーターがとエスカレーターその隅にある。人は全くいないものの、魔理沙は十分楽しそうだ。
同日AM 9時48分
魔理沙が本当の違和感を覚えたのはこのアナウンスである。いたって普通なのに普通じゃないアナウンス。それがこれだ「霧雨魔理沙さん。アリス・マーガトロイドさんがお呼びでした」女性がこのように言うと魔理沙はすぐ反応して身構えてしまう。只何も無かったのでちょっと恥ずかしそうに身構えるのを止めた。「そういえばアリスって言ったなこいつ。なんで?アリスもここにきてるのか?」不思議そうな顔をして、手持ちの携帯を開き、なれない様子でアリスの電話番号を入力しコールしてみる。3コールほどでアリスは電話に、「もしもし?」と眠そうに応答した。「あ~アリスか?もしかしてお前も百貨店にきてるの?お前が外にでるとか今日は槍が降るな!w」笑いながら冗談交じりに言ってみては、エスカレーター方面に向かう途中10秒ほど間が空き返答がくる。「 あなた だれ? 」……は?????どういう訳か彼女は魔理沙が分からないらしい。「アリス?今日はエイプリルフールじゃないぞ~」はは、と笑い過ごそうとしたが相手はどうやら自分のことがほんとうに分からないらしい。「え?私の名前知ってるの?なんで?気持ち悪い…詐欺電話?」うん。ノンデリである。魔理沙はかなり傷ついた。気持ち悪いと言われたことよりかは自分が忘れられたことが。なにより悲しかった。「ごめん切る。」不思議な気持ちと悲しい気持ちが半々の魔理沙は元気のない声で携帯を閉じてカバンの中にしまった。
トボトボとエスカレーターを登ろうとするとそのエスカレーターはぴたりと停止していることが分かる。閉店ということもあってか電力を停止させているんだろう。とそう思っておいた。
同日AM 9時51分
二度目のアナウンスが流れだした。「霧雨魔理沙さん。奥野田美宵さんがお呼びでした」「くそっ、またかよ、、、!!」次に名前が呼ばれたのは魔理沙がバイトをしている居酒屋の所謂看板娘の奥野田美宵。まさかと思って電話をかけてみる。今度は5コール程して明るい声で「もしもしっ!」と美宵が応答した。「えっと、美宵ちゃん。私だ。魔理沙だよ。」少し震えた声で不安げに問いかける。「魔理沙様ですか?すみません。ご予約でしたらお店の方のお電話を…」くそくそくそっ!どいつもこいつもなんで私のことを忘れているんだ?!すぐに電話を切りこの謎の現象について真剣に考えてみる。
同日AM 9時54分
「霧雨魔理沙さん。■さんがお呼びでした。」
今度は中学時代に仲の良かった友人の名前だ。電話をかけても同じく■は魔理沙を忘れていた。3階行きのエスカレーターを自分で登りながらこの法則について考えてみよう。まず分かったのはアナウンスは3分おきにながれる。そして名前を呼ばれた人は私のことを忘れている…魔理沙はどこかで聞いたことのある話だと首を傾げ考える。…!昔聞いた噂話だ。「これは噂なんだけどね。幻想郷のどこかに今はもうないはずの古い百貨店があるらしいの。そこに入るとアナウンスで自分の名前が呼ばれるらしいよ。でね、名前を呼ばれた人は…そのあとに呼ばれた名前の人の記憶から消されちゃうんだって。」そういうものだ。ただこれは小学生のころに聞いた話であり、誰に聞いたかは覚えていない。いつもならそういうことも思い出せるはずなのに。ハッとするととカバンについていたクマのキーホルダーが足の横に落っこちる。「っあ!おそろいのやつが…」「?」あれ。これ。誰とお揃いなんだっけ。誰にもらったんだっけ。
同日AM 10時30分
もうこれまでに12人程度の名前が呼ばれた。今魔理沙は4階の本屋に足を止めている。いったいこのアナウンスの声の持ち主は誰なのか。なぜこのキーホルダーをくれた人物を忘れているのか。なんとなくそこに関連性を感じていた。「霧雨魔理沙さん。親族のみなさんがお待ちでした。」「。。。これでおばさんたちにも忘れ去られたってわけか。」ここはもう放送室に乗り込んでこんなこと辞めさせるしか手はない。マップを確認すると5階の一番端に放送室という文字を見つける。駆け足で5階に登り大まかな地図を頼りに放送室を探す。
同日AM 11時00分
「はあ、はあ、っ…」やっと放送室までたどりついた。息を切らしながら放送室のドアの前に座り込み、ペットボトルの水を一気に飲む。ざっと100人くらい(まとめて呼ばれる場合もあるので、)は私を忘れたのじゃないだろうか。もう世界中の誰もが自分を覚えていないのではないかという孤独感に蝕まれながらもドアの前に立ち上がりドアノブを回そうとする。するとアナウンスの女性は焦ったかのようにアナウンスをしだす。「き、霧雨魔理沙さん。知り合いの皆さんがお待ちでした」まるで放送室の中にいるようで居ないような。こちらに気配を感じさせない感じだ。ドアノブをもう一度ひねってみる…開かない。内側からドアノブを押さえつけているようだ。「開けてくれ。」眉を顰め力づくでドアを開けようと体に体重を乗せてみる。よくわからないがドア越しに泣くような声が聞こえる。「アンタは逃げてよ…魔理沙…」?!私の名前を知っているのか?おどろいた拍子に後ろに倒れてドアが開いてしまった。その先に見えたものは一人の少女と古い機械だ。その瞬間魔理沙はやっと思い出した。思い出せた。この声の持ち主でありキーホルダーをくれた人物であり一番大切な親友。
博麗霊夢だ。
霊夢との仲を簡単に説明すると、私と霊夢は犬猿の仲ともいわれているが私にとって小学校からずっと一緒にいた幼馴染であり一番大切な人でもある。
「ちょ、霊夢!?なんでここに、」急いで立ち上がり放送室に近づくと霊夢は涙を流しながら静かに言った。「逃げて、、こないで、、ここはみんなから忘れられるだけ、、、」そういうと霊夢はぐすぐすと子供のように泣きじゃくり地面に座り込んでしまう。魔理沙には自分に何ができる分からずただ立ち尽くすことしかできなかった。それでも大切な親友を見捨てて逃げるなんて魔理沙にはできっこない。なかなかその場を離れようとしない魔理沙に霊夢は怒鳴り声をあげる「早くいってよ!!アンタがずっとここに居たらアンタがアナウンスを何年間も独りぼっちで繰り返すことになる!」手で顔を覆い絶望にあふれた少女は少しの希望を捨ててまでも親友を助けようとする。「いやだ。どかない!!私はお前が助かるなら独りでもいい!!」ただその希望もまた絶望に立ち向かおうとしている。そのまま言い合いはヒートアップしてしまい、、、
同日AM 11時30分
20分後に声帯の限界を迎え二人とも大きい声が全く出せなくなる状態まできてしまった。正直自分たちでもこんなことになるとは見当もつかなかっただろう。個人的にはそう思う。
「っはあ、なんでそこまでして私を助けたいの?」眉間にしわを寄せて汗だくのまま霊夢が問いかける。「っえ。」
思えばなんでこいつをこんなに助けたいのか分からない。実を言えばこいつと喧嘩は日常茶飯事だったし正直いがみ合い続ける仲だった。正直嫌いになりかける時期だってあったし、なんで私はここまで、、、
ああ。そういうことか。やっと自分の気持ちが分かった。喧嘩してもいがみ合っても嫌いになりそうでも。こいつの話。こいつの性格。こいつといる時間。こいつと笑って、こいつと泣いて、こいつと怒って、こいつと苦しんで、歩いて、思えばいつも隣にいたのは霊夢で、私はいつも霊夢の隣にいた。こいつと何をしていても、楽しいし嬉しいし笑えるし救われるのは多分、、、
「霊夢。私、やっとお前にこの気持ち言える。」
「大好き。
じゃあな。」
霊夢を放送室の外に出すと魔理沙は中に入り重い扉を閉めてしまう。その扉は静かな百貨店に鈍い音を立てていた。
「っぅあ、ああ、っ…私もアンタに言えてないじゃない…」
「愛してるって…」
「魔理沙、うぅ、、、」
2025/4/4 AM 8時11分 名前 | 博麗霊夢 | 年齢 | 33歳 |記録開始|
「ふあ、ぁ..」
カーテン越しに太陽の光が差している。それが眩しかったのか霊夢は目を覚まし欠伸をする。今日は雲一つない快晴。こんな日には出かけに行くのがいいな、と思ったのか霊夢は身支度を始める。持ち物はスマホとお茶の入ったペットボトル1本。そして友人に貰ったお揃いのくまのキーホルダーをつけたカバンを手に行く当てもなくぶらつく予定だ。朝食は冷蔵庫にあったジャムと食パンで適当に済ませさっさと家から出て行ってしまった。
同日AM 9時30分
暫く道なりに沿って足を進めているとレトロな雰囲気の漂うとても大きな百貨店が聳えていて、古いものが好きな霊夢はそれに見惚れながら無意識に入口に近づいている。私にはこれが古いものなのかは分からないが霊夢が言うのであればそうなのかもしれない。
「凄…、まるで昔のものがまんまここに置かれたぐらいには綺麗な状態だわ。」
壁に触れたり見つめたりしていると、ドアの張り紙に手書きのお知らせが張ってあった。
「なになに?…ええ?!閉店しちゃうの!?」
上記を述べた後霊夢は目を見開いた。そして近所にこんな綺麗な百貨店があるとは知らず少し気分が落ち込んでいる。じめじめした霊夢は仕方なくその店を後に、…しようとしたがその耳に入ってきた声は懐かしいが知らない女性の声。強そうで大人っぽい印象だ。女性はこう話していた。「本日はご来店頂き誠にありがとうございます。心行くまでお楽しみくださいませ。」…まさにデパートや百貨店のアナウンスといった感じ。
実は霊夢はこの時点で百貨店内に人が居ないということに気づいていたがアナウンスを聞いた後好奇心に負けこのあと百貨店に入ることになる。
追記 この百貨店から出た後はここに関する記憶を失う。
scp-544-JP1パロ
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