【6月某日、女子高生が姿を消してから警察も調査を続けていますが一切痕跡が見つからず……】
「ねー、これもしかして嬢ちゃんの話?まだやってんだけどウケるw」
『ウケません、真面目に仕事してください。』
「嬢ちゃんタバコどこやったか知らない?」
『また引き出しに入れたままじゃないんですか?そこになかったらスーツのポケット自分で探ってください!』
「嬢ちゃん怪我した〜。」
『私医者じゃないのであのヤブ医者に頼ってください。』
「ヤブ医者とは失礼な‼︎」
『事実じゃないですか。』
【ご両親も大きな不安が心に残るまま、警察のいい知らせを待ち続けています。】
『……番組変えてください。』
「おっとぉ……嬢ちゃんが珍しくキレてる。」
『いつも貴方たちに対してキレてますけど⁉︎』
「ごめんごめんって‼︎」
ずっと夢見ていた。
もしかすれば、いい行いをすれば、両親は私を見てくれるんじゃないかって。
けれど結局、両親の意識は、考えは、私を利用することにしかなかった。
「……おはよ、嬢ちゃん。」
彼の冷たい声に騙されても、
『おはようございますボス。コーヒーいりますま?』
「あぁ、いつもので頼む。」
「あ、嬢ちゃんボスには優しくしてる!ずるい俺も!」
『実力発揮してから言ってください。』
「うぐっ……。」
私は彼に、救われ続けるしかない。
私の居場所は、私自身にしかないから。
──── 「君の居場所は、
君 自身にしかないだろう?」
彼がそう、言ってくれたことを信じて。
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