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想いは募り、咲き誇る

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想いは募り、咲き誇る

2 - 第2話

♥

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2024年07月30日

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もう前回の内容忘れてる人多いだろうけど続き




shaside.


……そろそろ撮影の時間だ。戻らなくちゃ……

こんなところで考えていても仕方ない。早くトイレに入って……


「ぁ…………」

「え……あ、スマイル……!お前、体調は……」


たまたま部屋から出てきたスマイルと出会し、オレは声をかけた。

前に見た時よりもやつれていて、顔色も悪かった。

やっぱりスマイルは花吐き病に……


「う……っ、シャ、シャークん……ご、ごめんトイレ、入らせて」

「あ、ああ……でも、ひとつだけ聞きたいことがある」

「な、何……?」




「お前の体調不良の原因って……これか?」




「……っ……!!!」




オレが拾った花弁を差し出すと、スマイルは目を見開きゆっくりとこちらを見た。

その反応を見るにオレの推測は当たっていたようだ。



「な、なんでそれを……」

「そこに落ちてた」

「……なぁ、スマイル、お前は……」

「う゛っ……」


「シャケ〜?もう撮影始めるよ〜?」

「……って、スマイル……!?」


振り返った先にいたNakamuは、スマイルの様子を見て焦ったような表情を浮かべていた。


オレが返事をするより先に、Nakamuはスマイルの方に駆け寄った。


「スマイル、スマイル……!しっかりして!とりあえず、トイレ行こう?」

「シャケは撮影の準備してて」

「オレは後から行くから」

「あ……ああ」


どうやらNakamuはスマイルの体調不良の原因を知っているようだ。

……Nakamuに聞けば、スマイルのことが何か分かるだろうか。

撮影が終わった頃にでも聞こう。そうすれば何かスマイルのために出来るかもしれないから……



smside.


「もしかして、シャケと偶然出会しちゃったの……?」

「ああ……、トイレに行きたくなったから、部屋から出たら……シャークんがいた」

「そっか……シャークんとは、何を話したの?」



Nakamuは俺に水の入ったコップを差し出しながら、心配そうな顔でそう尋ねた。

俺の病気のこと、すごく気にかけてくれてる。だからこそ、申し訳なくて仕方がない。



「……、何も、話せてない」

「シャークんを目の前にしたら、気持ち悪くなっちゃって……、でもシャークんの前で花を吐いたら、きっと気持ち悪いと思われる」

「だから、逃げようと思った」

「その時に、Nakamuが来たんだ」


「……そう……」


「……あ、でも……花吐き病のこと、聞かれた」


「え?」


Nakamuは驚いた顔をして、こちらに近寄ってきた。


「何を聞かれたの……!?」

「えっと……俺が部屋に来る途中に吐いた花弁を拾ったらしくて、それを差し出してきて『お前の体調不良の原因はこれか』って……」


「シャケ、この病気のこと知ってたんだ……」

「なら、尚更シャークんと話さなきゃいけない……でも、そんなことをしたらスマイルの体が……」


……シャークんと、話さなくちゃいけない。

それは俺が一番思ってる。

でも、そんな気持ちとは逆に、俺の体は勝手に花を吐き出してしまう。


……正直、俺はこれ以上生きていられなくてもいいんだ。

シャークんと両想いになるなんて絶対に叶わない夢の話。

だから、シャークんのことを愛する気持ちを持ったまま、散っていきたいんだ。

あの日吐き出した紫色の花のように、美しく。


「……スマイル」

「絶対、生かすから」

「このまま散りたい、だなんて、馬鹿なこと考えないでね」




「それは、シャークんが一番望んでないことなんだから」







続きます〜

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