ある日、ライアは目を覚ますと静けさに包まれていた。
いつもなら、母の明るい声や、優しい匂いが満ちているはずなのに、何もかもが静まり返っていた。
そして、リビングに足を踏み入れた瞬間、ライアはその光景に目を見開いた。
母親が床に倒れている。顔は青ざめ、手足は不自然に広がっていた。その眼は偶然にもライアを見ていた。
父親が立ち尽くし、手には血に包丁を握っていた。
ライアは一瞬言葉を失った。その光景を理解するのに、数秒を要した。
「父さん……?」
ライアはその言葉を発した瞬間、父親がゆっくりと振り向いた。
「ライア……」
父親は、顔に無表情を浮かべていたが、その目には何か冷徹なものが光っていた。
「どうして……」
ライアは震える声で問いかけた。
「金。生命保険の金だ。」
父親は冷静に答えた。
「あいつ、俺に迷惑をかけて、何も考えずに生きてた。だが、金が手に入る。人生を取り戻すためには、邪魔だったんだ。」
ライアは言葉に、胸が締め付けられる思いがした。母が死んだ理由が、そんなくだらないためだったなんて、信じられなかった。
一歩後ろに下がるライア。彼の目はその刹那、怒りで満ちた。彼の心の中に、感じたことのない感情が沸き起こっていた。
父親がライアに近づこうとした瞬間、ライアは隣にあったナイフを手に取った。
その刃は冷たく、手のひらに震えるほどの重さを感じさせた。
「お前が母さんを殺した……お前なんか、もういらない。」
ライアは言葉を発することなく、ナイフを父親の脳天にひとつきに突き刺した。
血が飛び散り、父親はその場に崩れ落ちる。ライアはそのまま、動かなくなるまで父親を見つめていた。
その瞬間、ライアの心に何かが変わった。
母親を失い、父親を手にかけたその瞬間、彼の中にある抑えきれない破壊衝動が目覚めた。もう後戻りはできなかった。
「お前も、もういない……」
ライアは血だらけの手でナイフを振り回しながら呟いた。
そして、彼の心の中で、復讐心が、「遊び」のルールとなり、これからの人生を壊し続けるための道しるべとなった。
コメント
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ライアたん…ちょっと頭打ったら治るかな…((殴殴殴殴殴殴殴