### **第23話:悠斗の突然の急接近に動揺するせりな! そして、湊の反応は……!?**
「俺、せりなのことも気になってるし。」
悠斗の突然の一言に、私は完全に固まってしまった。
(えっ……今、なんて……?)
悠斗は軽く笑いながら、私の顔を覗き込むようにして言う。
「びっくりした?」
「びっくりっていうか……急すぎる……」
「そっか。でも、俺は結構前から思ってたけど?」
「えっ……」
悠斗の言葉に、さらに心臓がドキドキする。
悠斗は普段から優しくて、話しやすくて、でもまさかこんなことを言われるとは思ってなかった。
「冗談……じゃないよね?」
「冗談だったら、わざわざ言わないでしょ。」
悠斗は穏やかに微笑みながら、少しだけ距離を詰めてくる。
私は思わず一歩後ずさるけれど、それでも悠斗の視線から逃れられなかった。
(どうしよう……)
返事をしようにも、何を言えばいいのかわからない。
だって、私が今一番気になっているのは……
「……お前、なにしてんの?」
その低い声が、私の思考を遮った。
振り向くと、そこには湊がいた。
**—湊の反応—**
悠斗と私の距離を見た瞬間、湊の表情が一瞬だけピクリと動いた。
「湊……?」
「……別に、俺には関係ないけど。」
そう言いながらも、湊はじっと悠斗を見つめている。
悠斗はそんな湊を見て、少しだけ肩をすくめる。
「なに、湊。せりなと帰るつもりだった?」
「は? そんなわけねぇだろ。」
「そっか。じゃあ問題ないよね。」
悠斗はそう言って、また私の方を向いた。
「せりな、どうする?」
「えっ……?」
「さっきの話の続き、したいんだけど。」
(ちょ、ちょっと待って……!!)
私は悠斗の突然のアプローチに混乱していたけれど、それ以上に……湊の態度が気になっていた。
普段なら「好きにしろ」とか言いそうなのに、なぜか湊は微妙な表情のまま黙っている。
(……なんで黙ってるの?)
その時、ふと昨日のことを思い出す。
「……お前のせいで、俺……」
湊が言いかけて、結局言わなかった言葉。
(もしかして、湊……)
「……なんでもねぇよ。」
湊はそれだけ言うと、ポケットに手を突っ込んで、くるっと背を向けた。
「お前らで勝手に帰れば?」
そう言って、さっさと歩き出してしまう。
「湊……!」
私は思わず、湊の背中を追いかけようとした。
でも、その瞬間。
「せりな?」
悠斗が、そっと私の腕を掴んだ。
「……っ!」
私は、今どちらを追うべきなのか、一瞬迷った。
悠斗の言葉をちゃんと聞くべきなのか。
それとも、湊を追いかけるべきなのか。
自分の心が、どちらに向いているのか——
私には、まだわからなかった。
**—次回!**
「せりな、選ぶのはどっち!? 湊の態度がさらに冷たくなって……!?」
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