sho「うっわー!すげー!」
ci「ですよね!」
俺はずっとチーノと話している。
今は屋上にいて、みんなで見ていたが
他の4人は飽きたと言って降りてしまった。
だから今は俺とチーノの2人だけ。
sho「…チーノは、下、降りんの?」
ci「…」
少し黙りこくったチーノ。
聞かない方が良かったのかな。とか
思っていたら相手は喋り出した。
ci「…確かに、普通の人なら飽きますね。
でも俺は、普通の人じゃないんで。」
sho「…」
他の人から聞いたら意味わからない文章だろう。
でも、なんでやろな。
俺にはその文章がわかる。意味がわかる。
sho「…チーノって、なんか病気とかあんの?」
ci「いやいやそんな!w体が弱いだけですよーw」
sho「…そうなんやね。」
ci「シャオさんは病気がある感じですか?」
sho「…まぁ、せやな。」
こいつにはもう隠さなくてもええやろうと思った。
だって、普通の人間じゃない同士だから。
ci「…俺、救急車で運ばれたことあるんす。」
sho「…!…はぁ」
ci「その時、ショッピが居たんですけど。めちゃくちゃ泣いてて!w」
sho「ショッピが…?」
ci「はい!意識朦朧だったんですけど…。バカですよね!…俺が死ぬわけないのに。」
sho「!!」
こいつはしっかりと生きてみせるという誠意が見えた。
そこは、羨ましかった。
ci「…それと」
続けてチーノは話し始める。
ci「俺、明日から1ヶ月間、学校休むんすよ。この体を治すために。」
sho「?!?!」
いきなりの報告でびっくりした。
明日から1ヶ月か…。
ci「それでお願いがあるんす。」
sho「…お願い?」
ci「はい!」
sho「どんな…?」
そのように聞くとチーノは
少し寂しそうな笑顔でこっちを向く。
ci「…ショッピのこと、励ましてやってください」
sho「っ…!」
ci「あー見えてショッピ、心配性で。それに、あいつ人のこと信じてないんで。」
sho「え、なんで…?」
ci「俺の体の事情で体育祭を休むって先生に伝えた時に、無理やりやらされて。そこからショッピは人間が嫌いらしいっす。」
sho「…そっか。」
なんとも、この2人には悲しい過去があるんだなと思った。
すると急にチーノは俺の手を握りしめる。
ci「ショッピのこと、少しでも励ましててください!笑顔でまた会いたいんで!」
sho「!」
やっぱりこいつは少し寂しそうな笑顔をしていた。
…チーノも、ショッピと離れるのが辛いんだな。
だから、俺が安心させる。
sho「…ショッピ笑顔にしとくから、お前も笑顔で帰ってこいよ!!!!」
そうして俺らは授業が始まるため下に降りた。
_______次の日。
sho「おはよー。」
ut「シャオローン!助けてくれー!」
sho「ええ、何_____って?!ショッピ?!」
朝一番、なんとショッピが大先生の胸ぐらを掴んでいる。
sho「ちょちょ、ショッピくん?!」
shp「チーノ!チーノが来ないんですよ!!」
sho「えっ?」
ut「いてててて!ショッピ!!」
ショッピは半泣きで大先生に向かってずっと胸ぐらを掴んでいる。
まずはショッピを離して俺は話をした。
1ヶ月来ないことを。
shp「あーそういえば言ってたな。」
sho「はぁ…。」
ut「マジで助かった…ありがとな。」
朝から大変だ…。
すると教室のドアが開く。
rbr「おはよーさん。」
sho「おはよー!」
shp「おはよーございまーす」
ut「ぉはよー。」
ロボロが登校してきた。
rbr「あれ、チーノは?」
sho「あぁ、1ヶ月来ないよ。」
rbr「はぁぁぁぁぁ?!?!?!」
ut「声でけぇよ!!!!」
rbr「あぁ、すまんすまんw」
俺らがそう喋っている間でもショッピは窓の外を眺めていた。
外には何もない。街が見えるだけで。
今見ると、これが俺の住んでるところか。
…ここが、手の届かなかった場所。
…今は、触れている。その手の届かなかった場所に。
…何よりこれが、嬉しかったな。
そうして俺はショッピに寄っていく。
shp「…なんすか。」
sho「…いいよ、俺のこと、みんなに聞かせたるわ。」
rbr「は?」
ut「え、マジで話すん?」
sho「おう。」
rbr「でもゾムが…」
zm「おはよー!!!!!!!」
…いいタイミングでゾムが来た。
rbr「ゾム、今から大事な話するらしいで。」
zm「あ、マジ?じゃあ聞くわー」
そうして俺は話し始める。
sho「…俺、病気でさ。がんやねん。」
ut「…」
rbr「がん…」
zm「どこの…?」
sho「頭の。」
shp「!」
sho「…俺はずっと1人で部屋から外眺めとったんや__________」
いつも寝たきりで、病室に独り。
窓の向こうに手を伸ばしてもそこは届かないところだった。
太陽の光を浴びたい。
手を伸ばしても届かない。
雨に濡れてみたい。 でも届かない。
雪で遊んでみたい。
いくらやっても触れない。
外で思いっきり遊んでみたい。
…いくら手を伸ばしても、届かない。
どんなにそこに行きたくても、
どんなに人と話したくても、
どんなに歩いてみたくても、
どんなに笑ってみたくても。
全てを禁じられていた。
sho「…今、手術はしてる。でも、生きる可能性は低い。」
shp「なっ…?!」
zm「そ、そんな…」
rbr「嘘…やろ?」
ut「…」
sho「…でもええねん。俺がおらんくても、チーノが元気に帰ってくるんやから。」
rbr「っは…?」
shp「な!」
zm「おまっ…」
ut「っ………!!!」
そうだ。
俺が例えこの1ヶ月で死んだとしても
1ヶ月後にチーノが帰ってくれば別にみんなはどうでもいいだろう。
そんな反応をすると思っていたのに……
ut「お前な!!!!!!!」
sho「?!」
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これほんとに日常組の動画1本見た気分、ほんとに好き大好き 頭の癌か……摘出手術せなあかんやつか……?