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いつもの帰り道必ず踏切を通らなければいけない。
踏切前はあんなことが起こったからか人気が無かった
花が添えられているだけ
今まで居たはずのレイは私の隣にいない
友達だったのに…
嫌、友達だからこそ私の手を掴んではくれなかった。
「あ…」
考え事をしていると
カンカンと甲高い音とともに踏切が閉まっていた
キイィィィィ
誰かの悲鳴と混ざり合った様なブレーキ音が鳴り響いた____
はずだった。
目を開けると何の変哲もない風景が広がっていた
青白い私の顔を不思議そうに見ていた
住民の視線が気になり、勢いよく立ち上がる
また繰り返している
蝉の声が悲鳴を掻き消したあの日
一般的にはフラッシュバックと言うのだろうか
私は呆然としていた
こ、声がでない、、
血が、赤い液体が線路から私の足元まで来て…
いじめの首謀者は
『こんなことするつもりじゃ…』
と何度も呟いて
他の人だと思いたくても、現実逃避したくても
千切れたキーホルダーが
『レイ』なんだと嫌でも分かってしまって
それからはどうしていたか分からない
気づけば私は笑っていた
これでレイは私だけのもの_______
夏の日差しのなか、冷や汗がダラダラと垂れ
寒気がした…
急いで踏切を通り抜ける
死にたくない______
臆病な私は
どうやら『霊』に哀しいほど取り憑かれた様だ