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「もちろんッス!」
だが、そう答えたまた子の心にはひとつの不安がよぎっていた。
_また、死んでしまうのでは無いか。
その不安に気づき万斉から急いで顔を逸らし入口を見張る。
「…また子。少々乱暴致す。」
万斉が近づいてくるのがわかった。
次の瞬間、また子は押し出され振り返ったが。
「主の奏でる不安の音は、拙者からしては足枷になる…そう思い、そちらに。」
そう言われた。
_ああ、自分は人の邪魔しかできない
のだろうか。そのせいで武市先輩も…
そんな気持ちが心を埋めた。
ドアが閉まった時また子はガラス張りの所から覗いた。
音なども隙間から十分に聞こえた。
「佐久間、だったか。準備は済んだ故、本番と参ろうではござらんか。」
「いいね。待ち侘びてたよずっとこの時を」
万斉と佐久間、と言う男が刀を抜く。
両者共に余裕を持っている感じだった。
「「では、参るッ!」」
いっせいに斬り掛かる。
剣がぶつかりあった時、轟音のような、金属音のような。どちらか分からない音が出た。
また子から見ては万斉がやや押され気味であった。
「万斉!君はそんな実力だったかな!君は今押されてるんだよ!?なのに何故楽そうに!」
そう佐久間が声を荒らげ叫ぶ。
それに万斉は答えるように口を開く、がまた子には聞こえなかった。
だが、佐久間の反応であってるが分からないが予想は着いた。
万斉の事だ、きっと「弱みを見せたくない」とかだろう。
「そーかそーか!だから世界壊すとか言う夢見物語語るバカなリーダーに着いてってるのか!君は!」
万斉を見下すように叫ぶ佐久間にまた子も見下されてるような気がした。
腸が煮えくり返る思いだったらしい。
万斉も同じだとまた子の気持ちに賛同するように佐久間に斬撃を繰り出す中。
防がれており話す隙間があったのか
「主に何がわかるか!分からぬだろうきっと…いいや絶対!」
その言葉には鳥肌が立った。
『高杉晋助には必ず、朽ち果てるまで着いていこう。』そんな意思が見え隠れした言葉だったと言う。
だが、その言葉に怯まず佐久間は万斉の刀を素手で掴み、みぞおちを肘で打つ。
と万斉はみぞおちを抑えようとした手を握り佐久間の腹を殴り返す。
万斉は怒りと素の腕力が混ざりあったのか、相手は万斉の刀と同時に自身の刀も離してしまう。
『私も手伝うッス!』そんな、簡単な言葉が喉に詰まった、出なかった、飲み込んでしまった。
なぜ飲み込んだのか、今はどんな状況なのか。
また子は頭を回しに回し、頭を抱えていた時だった。
「主の音も段々と焦りを覚えてるのではござらんか?もっと落ち着けばよかろう?」
そんな万斉の声が聞こえ。
「あっ!焦ってないっす!大丈夫ッス!」
と何故か自分が反応したが中を覗きみれば
「君こそ、自分の寿命の短さに気づいたんじゃないのかい? 」
と何があったのか分からないが。
万斉は左頬に2つ、右腕に1つ切り傷。右足に刺傷、が右側の脇腹に少し肉の削げたような部分、左腕の喪失。
佐久間は首、鼻、脇腹に切り傷、右の手の3指の喪失。
とにかく、壮絶なことがあったには違いない。
「とにかく君は僕より下だってのは確定して居る!なのに!何故まだ抵抗する!」
「…悪党は善人には変われぬ。どう足掻いても、だが、進化することはできる。主のような弱者でも…悪党から大悪党には。」
佐久間は驚いた顔をした。
だがすぐに懐から何かを取り出して地面に叩きつけた、煙が出た、だからきっとそれは煙幕だろう。
万斉は音を深く探るためかヘッドホンを外し、周りをよく見るためサングラスも外す。
万斉が周りに警戒しつつ辺りを見渡していると。
また子の正面であり、万斉の背後であるところに佐久間が見えた。
「万斉先輩!後ろォ!」
やっと声が出た、仲間が危険だ、そう判断したのだろうか。
万斉はまた子の声に気づいたのか振り向くが首を掠めつつヘッドホンを貫く。
避けれた…そう安心した時、佐久間が腕を軽く振った時、クナイが出た。
クナイの持ち手を残った二本指で掴み万斉の右目を狙った。
と同時に万斉も佐久間の心臓を目掛け刀を繰り出す。
2人の攻撃が同時に刺さった…が万斉は脳に達する前に佐久間のクナイが抜かれた。
と言うよりは、佐久間自身から抜いたような動きであった。
佐久間はその場に倒れ伏し、また子はドアを開け早急に駆け寄った。
佐久間はか細い声で。
「…先程言った言葉だが拙者は晋助と悪党のままなら大悪党と成り果てて朽ちる覚悟がある。だから主が負けては行けなかったやも… 」
「いいや、敗因は僕の努力が足りなかったのではない。天が成るにして、できた結果だ。異論は無い。いいや、あってたまるか。」
と。万斉の話をさえぎった後黙り込み脈を測ってみる。
脈は無かった、死んだのだろう。
万斉はまた子に近づき。
「すまぬ、長くかかった。」
と言い倒れる、とてつもない出血量だった。
また子は走り出し、救急箱のような箱を持って万斉の治療に勤しんだ後、船を操縦し来た。
との形でここに来たらしい。
「…万斉は生きて、武市は死に…。」
「…すみません…私が、不甲斐ないばかりに。」
無事、万斉生存判明しましたね。
でも、まだ戦いは終わらない。
今後も、どの様な流れで戦いが終わるのか。
楽しみ……ですね…。