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「……っあ、……んっ、……ぅっ、」
「――っ、きつ……、稚菜、もう少し、力抜いて?」
「……っぅ、あ……ッ」
陽向のモノで私のナカが押し広げられていく。
正直痛くて、苦しくて、気持ち良くなんか無い。
早く終わって欲しい、それしか思えない。
痛いのと悲しいの、色々な感情が入り混じり、私の瞳からは止めどなく涙が零れ落ちていく。
「稚菜、泣かないで? ごめんね、痛くして」
「……ふぇっ、……うっく、……」
ごめんと謝るくらいなら、こんなこと止めて欲しい。
どれくらいの時が経ったのか、ようやく陽向のモノが私のナカへ入りきったとき、私の頭の中に奏多の顔が浮かんできた。
どうして今このタイミングで? と自分でもよく分からない。
「――稚菜、ゆっくり動くね?」
「ん……っ、ぁ、んん……」
陽向に犯されながら奏多のことを思う私って、一体。
初めこそ痛くて気持ち良く無かったはずなのに少しずつ慣れてきたのか、
「……っん、……あっ、……ぁん、」
身体が反応を示して、吐息と共に声が漏れ出ていく。
ゆっくりと何度も腰を動かしてくる陽向に合わせるように私の声も徐々に大きくなり、
「――っ、あ、……やっ、……だめ、うごかないで、……やだ、ッあ!」
いつしか気持ち良さを感じ始めていた私はこれまでに経験したことのない何かが湧き上がってくるような感覚に襲われ怖くなる。
「稚菜、もうイキそうなんだね? 可愛い、俺もそろそろイキそう……、一緒にイこう?」
「――っや、……あっ、ダメっ!」
私の反応を見た陽向は腰の動きを速めていき、肌と肌がぶつかり合う音、厭らしい水音が室内に響き渡っていく。
そして、
「……っや、……やだ、……っあぁ!」
「……っう、………くっ………」
より一層陽向の動きが速まった瞬間、私たちは同時に絶頂を迎えたようで、力を失い折り重なるように果てていった。
その後は、そのまま陽向に腕枕をされて一緒に眠りに就いた。
朝、起きたときには既に陽向は自分の部屋に戻っていて、脱ぎ捨てたはずの服や下着はきちんとベッドの隅に置かれていた。
部屋で一人になって改めて思い出すと、涙が出た。
まさかあんな形で陽向と一線を越えてしまうことになるなんて、思わなかった。
これからどんな顔をして陽向と会えばいいのか、奏多と三人で過ごすとき、私はいつも通りでいられるのか、考えれば考える程自信が無くなっていく。
シャワーを浴びて昨夜の出来事を全て洗い流すかのように身体を強く擦りながら全身を洗う。
そして、お風呂を出てから暫く何もする気が起きない私が床に座ってぼーっとテレビを観ていると、インターホンが鳴り響いた。
立ち上がるのが面倒で反応しないでいると、もう一度鳴らしてくる。
それでも何の反応も示さずにいると、
「おい、稚菜? 俺だけど」
ドアをノックする音と共に奏多の声が聞こえてきた。
正直、今奏多と会うのも気まずいのだけど、出なきゃ出ないで心配させてしまうだろう。
仕方なく重い腰を上げた私は玄関のドアを開けた。
「おはよ、どうしたの?」
「いやさ、陽向に用があったんだけど、アイツ朝からどっか出かけてるみてぇなんだよな」
「…………っ」
陽向の名前に身体が反応してしまい、言葉を詰まらせて少し俯くと、そんな私を前にした奏多は、
「稚菜、お前、具合でも悪いのか?」
心配そうに顔をのぞき込んできた。