──── 昼休み ────
校内で大人気の焼きそばパンを中学校二年間で初めてゲットして頬を落としながら食べていると、目の前の席が引いて友達が購買競争から帰ってきた。「やっほー〇〇って、それはうちらの学校伝説の焼きそばパンじゃん!よくゲットできたねと言いたいところだけど一口ちょーだい!」と友達が目をキラキラさせながら言ってきたので断れる筈もなく、「はいはい、一口だけだからね〜」と言ったあと友達の口に焼きそばパンを当てるとすぐに口を開けて食いついてきた。「そうそう〇〇!最近流行ってる東京リベンジャーズって漫画知ってる!?」凄く楽しいそうにそう言ってきた。
東京リベンジャーズ、名前しか聞いたことないけど、この子がこういうって事は面白いんだろうな。私は馬鹿正直に「名前しか聞いた事ないよ〜?その漫画、面白いの?」と質問に答えた。「最近アニメ3期が終わったらしくってさ、暇だったから全部見てみたんだけど!ちょー絶妙面白かったってわけです!そして〇〇に布教しに来た!」とニッコニコで答えてきた。
まあこの子が言うアニメに面白くなかったアニメは一つもないし、帰ってからアニメ見てみよ〜。「分かった分かった!今日帰ってからとりあえず見てみるから!もうすぐ昼休み終わっちゃうから席に戻れ〜! 」と言うと「うっわ時間早!?んじゃ絶対見てね〜! 」と席に戻って行った。
──── 家に帰った後 ────
帰る直前まで耳にタコが出来るぐらい言い聞かされた為「はいはい見るからもう辞めなさい、」と厄介払いして帰った為、絶対に今日見ようと心に決めた。家に帰っていつもより色々やる事テキパキこなしてお母さんに怪しまれて正直に話したら「あらそうなの?なら今日はもういいからアニメ見てきなさい」と仏の微笑みで言われ心から頭を下げ、るんるんでスキップしながら階段登ってアニメを見に行った。「よし、やれる事全部やったし、ご褒美として5話ぐらいまで見てみよう〜!」と思いながらスマホで見始めた。
やってしまった、確かに5話までと決めていたはずなのにあんまりにも面白すぎて10話まで見てしまった、見始めた時間は21時、時間を見ずに見ていたせいかもう四時間も経って明日の1時になっている。でも、「何だこれ面白過ぎる!感動もあるし、何よりも全員カッコ良すぎる、だけど明日の事を考えると流石に寝なきゃやばい、」時間に気付いたら瞼が重りを乗せたみたいに重くなってきた。絶対に明日も見よう、と心の中に決めながら夢の中に落ちていった。
──── 登校 ────
家から登校していると急いでいる様な足音が聞こえ、興味本位で振り向こうとした瞬間に誰かさんがお腹に飛び付いて来た。「おはよう〇〇!東京リベンジャーズみた!?」と上目遣いで聞いて来た 、本当に何度子犬みたいだと思ったんだったんだろうか。「見たよ、時間忘れるぐらいに面白くて夜更かししちゃうぐらいに見てたんだよ?」と言うと「マジで!?あの〇〇が夜更かしって、私いいアニメ教えたんだなぁ!」と抱きつくのを辞めてドヤ顔で言ってきた。「まあ学校行くまでの20分間話しながら行こーよ!」と言うと横に一緒に並んで通学路を進んで行った。
学校の中でも色々な話をしながら、特に東京リベンジャーズのことを中心に話し「絶対に続き見なよ!」と念入りに言われ「はいはい、言われなくても見るよ絶対に!」と一種のループになりながらも学校が終わり、足早に帰宅してやる事やってすぐに昨日の続きを見出した。「とりあえず今日は20話までを目標にしよう」と独り言を呟いた。明日は土曜日だから最悪寝坊してもいいし、そして東リベがあんまりにも面白すぎる!
──── 一ヶ月後 ────
東リベのアニメを3期の最後まで全部見て、久しぶりにアニメにハマった私は毎日の様にLINEで友達と東リべの事について話していた。そしてTikTokでスクロールしながら適当に動画を見ていると気になる動画がピックアップされた「アニメの世界に行く方法、?」
「今回は二次元に行ける方法を紹介をします!
1・夜、コップ一杯の、水を一気飲みする。
2・本を読む
3・トイレで、飲んだものを流す。
4・本を読む
5・必ずカーテンを閉め、明かりを消して寝る。
本は多分ですが、行きたい世界のでいいと思いますよ。
確実に行けると言う訳ではありませんが行きたい方は試してみて下さいね! 」
なんだこれ、やってみよ。「えっと、初めは水を一気飲みする、リビングからとってくるか」そう決めて急いで階段を駆け下りる。いっそいでコップ一杯の水を一気飲みして、2階まで駆け上って気になってとりあえず一巻だけ買った東リべの漫画本を取り出して出来る限り詳しく半ページまで見て、トイレにかけ走り口に入った水を出して流し、残りのページを全部見て、綺麗にカーテンを閉めて明かりを消していっそいで布団の中に潜った。心の中で数えきれないぐらい祈りを捧げているとだんだん意識が遠くなってきて、瞬きと同時に夢へと落ちていった。
数時間経った頃だろうか、頬に人の肌を感じて呼びかける様な声が聞こえる。「ねえねえ君、だいじょーぶ?」大人っぽい雰囲気の金髪の少女、アニメで見た佐野エマ瓜二つの子が私の頬に手を当て、心配そうな顔でこちらを覗いていた。「え、あ、?私、どうしてここに、」と呟くとエマが私と会った状況を話してくれた。「えっとねー、私がマイキー、あ!そういえばまだ名前言ってなかった!私は佐野エマ、マイキーっていうのは私のお兄ちゃんで佐野万次郎ね!で、道歩いてたんだけど君が道端に倒れてたの。私の家まで近かったしマイキーがここまで背負って運んで来てくれたって訳だよ〜!」と丁寧に話してくれるエマの顔が本当に可愛かった、そして確信したことが二つ。この子が本当に東京リベンジャーズの佐野エマだってこと、本当に東京リベンジャーズの世界に行けちゃったってこと!
「え、あ、拾ってくれてありがとうエマちゃん!実は私帰れる家が無くて、こんなこと初めての人に言うことじゃないんだけど、ここで一緒に暮らせて貰えませんか、? 」とお願いすると「ええ!?そうなの!?ちょっと待っててね、お爺ちゃんに聞いてくるから!」と急足で部屋を出て行った。エマが去って行ったのを見ると布団から出て、辺りを見渡し深く深呼吸をした。「私、成功したんだ、!」と優越感に浸っていると、大きな音を立てながら障子が開いた。「ここで暮らしてもいいって!良かったね!」とニコニコで言ってくれた。嬉しさが込み上げてくるのを抑えて、冷静に「本当ですか!?ありがとうございます!」と言うとエマがこちらにやって来て「そういえば君、名前なんていうの?」と問われ「〇〇って言います、今度からよろしくねエマちゃん!」と言った。「じゃあ〇〇!今日からよろしくね!」と言われた。今日から私は東京リベンジャーズの世界を満喫する!
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