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10月15日、王都の片隅にある小さな酒場「月影亭」。
夜の帳が降りる中、一軒の酒場には四人の影が集まっていた。
「でさぁ、結局あの剣士どっち側につくの?」
テーブルに肘をつきながら、サブは酒をあおった。短髪で快活な彼は、軽口を叩きつつも目だけは鋭く光らせている。
「異魚天のこと? 彼は静観するつもりみたいね。」
グラスの中で氷を揺らしながら答えたのはまどか。知的でクールな雰囲気を持つ彼女は、達観したような表情を浮かべていた。
「まあ、彼がどっちにつこうが、僕らには関係あらへんやろ。」
彼女が言い切ると、みりんがむくれた顔で反論する。
「関係あるわよ! だって、戦になったらあたしたちだって巻き込まれるんだから!」
くるくるとした巻き毛を揺らしながら、彼女は憤慨する。戦場のことを考えるだけで気が重くなるのだろう。
「まあまあ、そんなに怒らないの。とりあえず、一杯飲んで落ち着こう?」
場の雰囲気を和ませるように、微笑んだのは萌香。彼女はふんわりした性格の持ち主で、どんな場面でもマイペースだった。
サブは大きくため息をつき、グラスを回しながらぼやく。
「ったく、こっちは飲みながら戦の行方を占ってるってのに、お前ら本当に呑気だよな。」
「呑気に見えても、考えてるのよ。」 まどかは目を細める。
「……で、私たちはどう動く?」
その問いに、全員が一瞬黙り込んだ。
戦は避けられない。王国を巡る陰謀、レイスや異魚天、アレクシス──全てが絡み合い、やがて大きな戦火へと繋がる。
サブはグラスを傾けながら、低くつぶやいた。
「……俺は、アレクシス側につく気はねえな。」
「私も。」 まどかが続く。
「僕も反対!」 みりんも拳を握る。
「じゃあ決まりね。」 萌香がふわりと微笑む。
「私たちは、レイス側につく──ってことでいいんでしょ?」