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お互いが特別、とはいえあからさまに態度に出せるわけじゃなし、みんなの前ではいつも通りという前提でのお付き合い。僕にとってはなかなか難問だった。
なんせ嬉しいことも悲しいことも隠しようがない性格。仕事と言われたらそれまでだけど、この気持ちに仕事は関係ない。
仕事上、個別に組むことはあるし、その度嫉妬してたら身がもたない。その頃、新しいグループが組まれるという噂を聞いた。
「みんなの前で発表するんじゃないかな」
宿舎で、ふたりでご飯食べながら話をする。同じグループで活動しているだけに、ふたりにはなりやすかった。
タロは日本人メンバーということもあり、新しいグループに転向する可能性が高い。なんせ今のグループは大所帯、せっかくの才能を埋もれたままにするのはもったいない。そう考えれば、一番可能性の高いメンバー。
僕はまだその話題について詳しい情報を入手できておらず、タロの話をやきもきしながら聞いていた。もし離れてしまったら、この関係も反故になるのかもしれない。
「ねえ、タロヒョン」
「ソンチャン、ふたりの時はヒョンはいらないよ」
真面目に話そうとしたのに、笑顔でそんなふうに言われたら溶けちゃう。ニヤニヤしたまま深刻な話をする羽目になった。
「タロ、もしさ」
「なぁに?」
「タロがそっちのグループ行くことになっ……たらさ」
「あれ、知ってるの? 行くよ僕」
青天の霹靂。びっくりしすぎて叫びそうになる僕の口を、タロヒョンが必死で押さえた。