私は迷う。
キミの珍しい、真っ直ぐな瞳に
「か、カゲ!///」
「ん?」
「手、その…///」
「あぁ、わりっ///」
「え、あ、うん、」
私はもっと手を繋いでいたかった。
だがキミは私が嫌がっていると感じたのか、その手を離してしまう。
『…』
あぁ、どうして言えないのだろうか、
“キミと手を繋いでいたい”と
『あのさ、』
『!』
「先、いいよ!」
「あぁ、あのさ、ヒサは…どう思う?」
「え?えっと、綺麗だと、」
「いや、その…」
「あぁ、綺麗だな」
「?うん、」
「…んで、ヒサは?」
「え⁈私、は…」
(カゲは老い先短い私なんかと…いるより、
「やっぱり…なんでもない。」
「あ?いいのか?」
「うん」
(寿命の事は…まだ、言えない。かな、
「ぁ、」
「?どうしたの?」
「時間が今7時になりそうだからそろそろ帰らねーと」
「あ!そうだね、」
「じゃあ、帰ろうか。」
「あぁ」
(結局何も言えずに帰るのかな、
(今日こそは、言えると…思ったんだけどな、
(ピタッ)
(?
「ヒサメ…」
「え、何?」
「好きだ」
「へ?」
「え、ぇぇ////⁈」
「え、嘘じゃ、」
「嘘じゃねーよ」
「ぁ、えっと…その」
「…」
「…スズキの奴が好き…なのか?」
「え⁈いや、仲間として好きだよ!」
「恋愛としては?」
「…わかんない」
「…」
「けど…私はカゲが好き」
「‼︎」
「ちょっと捻くれてて、だらしないけど
優しいカゲが好き」
「…じゃあ」
「でも」
「ごめんなさい。」
「私はカゲとは付き合えない」
「!何で…」
「それは…その。」
「…」
「言えない…のか?」
「うん。」
「怖いの…2人の役に立てなくなるのが」
「俺たちの役に?」
「…私、いや、私達セカンドロットは40手前までしか生きられない」
「‼︎」
「何で…⁉︎」
「歳をとると闘う性能が落ちるからだって、カンナちゃんが」
「、」
「しかもね、私リディユースを使ったの」
「リディユース?」
「そう、潜在能力を引き出す代わりに…寿命が縮む仕組み…」
「!じゃあ…⁈」
「うん。」
「私の寿命は長くないの」
「、っ何で言ってくれなかったんだ!」
「心配…させたくなかったから、かな」
「それと、口にするのが怖かったからかな」
「…」
リディユースのことを話す彼女の唇は
震えていた。
「だからって何で付き合うのは…!」
「カゲはほぼ不死身。私はすぐに死んじゃう…」
「カゲが私といたいと思ってくれてるのはありがとう。」
「けど老い先短い私といたらカゲの時間を私が奪ってしまう」
「だから!こんな老い先短い私なんて忘れて、カゲには他の子を探して欲しい…な、」
「今日はこれがずっと言いたかったの。」
「…っ!」
(抱きつく)
「‼︎」
「ふざけんなよ!」
「俺は寿命で人を選んだりしねー!」
「たとえヒサの寿命が短くても俺の気持ちは変わらねー‼︎」
「うん…」
「カゲはそういう人だよね、私が1番わかってたのに…」
「あぁ、」
「ありがとう。」
彼女の瞳に溜まる涙を
美しいと思ってしまう。
とても綺麗な…宝石のような涙に
次回
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