クリスマスも終わり、一気に師走の空気が増してきた。
年末年始に向けて帰省している生徒も多く、いつも賑やかな寮内もすごく静かだ。
「うぅ~…。今朝も冷えますね裕孝さん」
「おはようございます夏野先生。相変わらず全身モコモコで」
「寒がりだけど僕、年末の雰囲気好きなんですよ。空気が澄んでる気がして」
分かります、と俺は換気のため開けておいた窓を閉め、大きなポットを手に食堂へ向かった。今朝も受験生に温かいドリンクの差し入れをしたところだ。
「そういえば年始、裕孝さんは帰省しないんですか?」
隣を歩く夏野先生の質問に、苦笑しながら答える。
「今年は実家のことで色々あって、今は母も一人暮らしですし帰りたい気持ちもあるんですが…」
「武内の受験優先ですか」
ニヤリと笑う夏野先生に、つられて俺も頬を弛めてしまった。*****************
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