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雷鳴が轟き、雨はますます激しく降り注ぐ。
ザアアアアアアアッ!!
美咲を見下ろしながら、ライアは狂ったように笑っていた。
「ははははは!!これで終わりかよ?吉田ファミリーってのは、こんなモンか?拍子抜けだぜぇ……!!」
——その時。
ギィィ……バンッ!!
家の二階の窓が乱暴に開かれる。
「……てめぇ……」
声は、震えていた。怒りに。悲しみに。憎悪に。
ライアが顔を上げた瞬間、翔太の姿が視界に映った。
ドォォォォォン!!
翔太は窓枠から真っ直ぐに飛び降り、雨を切り裂くように着地する。
ズシャッ!!
泥が飛び散る。翔太は血走った目で、ライアを睨みつけていた。
「……お前、何してくれやがった……!!」
ライアは楽しげに舌なめずりする。
「よう、吉田ジュニア。いい目してんじゃねえか。」
翔太は震える手で、美咲の冷たくなった体を抱き上げた。
「……嘘だろ……?」
返事はない。美咲の顔は、安らかだった。だが安らぎが、翔太をさらに燃え上がらせる。
「……ライア。」
「ん?」
「殺す。」
——その瞬間、翔太の全身に漆黒のオーラが噴き出した。
ゴォォォォォッ!!
「……へぇ。」ライアは興味深そうに目を細める。
翔太の背中から、翼のようなものが現れる。動物のようであり、羽のようでもあり、形を定めない混沌そのものだった。
「異能……か?」
「……お前は、ここから帰さねぇ!!」
翔太が一歩踏み出す。
ビュンッ!!
ライアは避ける間もなく、翔太の拳が目の前に迫っていた。
ドゴォォォォン!!
ライアの体が弾き飛ばされ、庭の地面に深いクレーターができる。
「っ……おいおい、マジかよ……!!」
翔太はライアを追い詰める。
「立てよ、ライア。」
黒いオーラはさらに濃さを増し、翔太の目は完全に獣のように光っていた。
「俺が、終わらせてやる!!」
________妹は笑い_____兄は怒る