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超短編集
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桃赤
赤視点
死ネタ・心中ネタ
最近、めっきり笑わなくなってしまった君の顔は、久しぶりに見る穏やかな笑みに変わっていた。
下を向いてばかりいた君の、責任感が強くて周りの人が大事な君の、本当に柔らかな笑みだった。
正直、嬉しかった。
もう近くには居られなくなってしまったし、もう二度とりうらの隣には立ってくれないんだろうけど、それでも、ないくんが幸せそうにしているのが何よりも嬉しかった。
悲しくないなんて言ったら嘘だ。
りうらの隣に居てほしかった。
手を繋いで、もう一回一緒に寝たかった。
外食したかった。
去年のクリスマス、楽しかったよね。
二人でケーキ食べたよね。
付き合ってしばらく経ってたのに、俺達は初々しすぎたよね。
1回きりだったけど、セックスしたよね。
あのときのキス、嬉しかったな。
思い返せば、りうらの隣りに居るないくんはいつも笑ってくれていた。
お兄ちゃんみたいな恋人だった。
ずっとりうらに、優しくしてくれた。
だから、知らなかった。
ないくんが何を思っていたのか。
りうらのこと、どれだけ大事にしてくれてたのか。
…鬱だったことも、ストーカーされてたことも、体売ってたのも、何も知らなかった。
りうらのところのアンチコメ消してくれていたのはないくんなんでしょ?
自分のほうが辛いはずなのに、何から何まで甘やかしてくれたのは、きっとないくんが頑張ってくれたからでしょ?
今更気づいたってもう遅い。
一番近くに居たのはりうらでしょ?なんて言えない。
だって、気づかなくて、知らなくて、わかってあげられなくて、それでもないくんに身を任せていたのがりうら。
気づいて、知って、わかって、支え合っていたのがまろ。
こんなダメダメな彼女でごめんね。
そりゃ恋人以外と心中するよね。
ごめんね。
ごめんね。
どうか、どうか、ないくんとまろが、天国で幸せでありますように。
ずっとずっと、笑ってられますように。
そして、ごめんなさい。
りうらの一生を使って、償っても償いきれない、一生かかっても消えないないくんの愛を、近い未来、渡しに行きます。