7.忘れられない日々を(番外編)
「…これで良かった。」
今頃きっと凛ちゃんは潔と話してる。
思い出せなくてもまた潔は凛ちゃんを好きになると思うから。
背中を押したことを後悔してない。
むしろ満足する自分がいる。
「凛ちゃん、聞こえてたんだよ。」
初めて聞いた凛ちゃんからの「ありがとう」の言葉。
本当にずるい人だと思った。
やっと諦めがついたのにまた繰り返す。
諦め方なんか知らないのに。
「……潔、絶対幸せになってよ。」
病院の廊下は声が響く。
だから大きな声は控えた方がいい。
分かってるのに涙が止まらない。
嗚咽を抑えることができない。
「泣いてばっかだし。」
これでよかった。
2人が幸せになったら俺も、充分幸せだから。
もう一度、やり直せば良い。
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