「失礼しますー、」
聞き慣れた声と共にドアが開く音がする。ドアの方を見ると赤髪で前髪をポンパにした男の子大神が立っていた。
「あ、大神来たんだ。其処の席座って」
席を指差し、大神を座らせる。
「えーっと、今日から1ヶ月間こうやって個別で補修やらせてもらう訳だけど、お前何で課題やらないんだ?テストの点数は取れてるのに」
大神のテストの結果一覧表を見て、課題提出の表と見比べる。こいつ、頭は良いんだけどな。
「、だって、めんどくさいし、」
不貞腐れた顔をして悪態を突つく大神。
「あのなぁ、大がm」
「あ、でも」
大神が俺の話に声を被せられ、話が強制中断される。
「ん?今度は何だ?」
「そのままやるのは前と変わらずめんどくさいから課題やったら俺にご褒美頂戴よ。内藤先生」
ご褒美?課題をやったら?、んー、それで課題をやる様になるなら考えなきゃいけないのか?まぁ、試してみるか。
「、どんなご褒美が欲しいんだ?大神は」
大神の目を見つめ質問をする。
「え、本当に良いの?」
大神は俺が承諾すると思っていなかったのか驚いた様に目を見開いた。
「お前がそれで課題をやる様になるならな。何でもやるよ」
「、何でも?本当に何でも良いの?」
「?ぇ、あぁ」
「それじゃあさ、、」
大神が俺に近づき、頬に手を添えた。視界いっぱいに広がる大神の顔。長い睫毛にルビーの様な赤い瞳が俺を捉えている。綺麗、なんて思っていたら次の瞬間俺の唇に何かが触れた。
「ん!?」
俺のすぐそばにある大神の顔。唇に触れる温かい感触。え?は?もしかして俺、今キスされてる?大神に?混乱する頭で必死に今の状況を理解しようとする。しかし、それと同時に今度は舌が自分の口に滑り込んでくる。
「ん”ぅ、はっぁ♡♡あぇ、♡♡」
八重歯や歯茎などを舌でなぞられ、背中がゾクゾクする。呼吸も苦しくて、辛い。早く止めたい。でも、そのキスに快感を感じて抵抗を拒む自分が居る。
「はっ、♡先生可愛いッ♡笑」
口を離され、俺と大神の口が銀色の糸で繋がる。ガタン、っという音と共に椅子が倒れ、腰を抜かした俺は地面の座り込んでしまう。
「大神ッ、/お前、何っしてッ//」
「えー笑♡?先生が言ったんじゃん。何でも良いって」
俺を見て微笑する大神は何処か大人っぽくて色気があった。
「それとこれじゃ話が違うだろッ!//」
必死に反論しようとするも自分が言ってしまった事は取り消せない。
「じゃあ、内藤先生これから宜しくね♡?」
そう言って微笑み大神は教室から出ていった。
「あ“っ、まだ話はッ、!」
終わってない、と言いかけた所でドアが閉まった。
「、っ〜!!//」
俺のファーストキス奪っておいて、話も聞かないで帰るなんて、。先程の熱烈なキスを思い出し頬が紅潮していくのが分かる。あいつ、マジで許さん。
「大神、明日覚えてろよー!!!//」
俺はもう聞こえる筈もない大神の背中に向かって叫んだ。
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コメント
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私が発狂したいくらいなんですけども… ( 赤くん好きですよね🫵🏻💕 もう狙っちゃってください😭😭