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一際目を引く女の子がいた。
真っ白な肌に、艶やかな黒髪。大勢と騒ぐようなタイプではなく、基本、1人でいることが多かった。そしてあまり笑った顔を見たことはない。制服を派手に着崩してるわけでもないのに、とても魅力的だった。
11月。いよいよ冬に近づき、空気が冷たい。
足元でザクっという音がし、見てみると、霜ができていた。霜焼けを心配しながらぼんやり歩いていると、あの子がいた。知らない男の子と一緒に、
笑っていた。
1月。冬も本格的になり、私たちの住む地域は真っ白な雪で覆われた。
私は、雪を掘っていた。人ひとり埋められるぐらいの穴を。雪がとけるように、この子もとけちゃったりして。なんて馬鹿なことを考えながら、埋めた。
今まで、テレビに映る犯罪のニュースを見て、私はこんな風になることはないだろうとのんきに考えていたが、この時初めて犯罪者の気持ちを心の底から理解できた。雪が降り積もり寒いはずなのに、私のからだは熱かった。それは、恐怖からなのか喜びからなのかわからなかった。
3月。暖かくなり始め、雪がとけてくる頃。もうそろそろ見つかってしまうかもしれない。迎えに来るのは、何百人、何千人が同じ制服を着た公務員か、私が埋めたあの子か。
私は、行方不明になっている君の席を見つめていた。君の行方は私だけが知っている。そのことに幸せを感じながら、残り少ないかもしれない日々を過ごしていく。