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ガラガラッ
そんな音が広くも物寂しい教室に響く。
2つしかない机に、少し高い教卓、そして1人の少年が目に入った。
「おはよう恵ちゃん」
「おはよ、蓮」
雲丹のようにトゲトゲとした髪の毛と、かなりの顔の良さがいい塩梅でマッチする。
彼の名は伏黒恵。
同級生で、昔からの知り合いだった。
「五条先生は?」
「こんな早くに来るわけないだろ。」
「確かに。」
ストンっと椅子に座って伏黒に体を向ける。
包帯やらなんやらで、結構ボロボロ。
「…それにしても、傷だらけだね?
そんなにやばい相手だったの?」
「『宿儺の指』狙った呪霊に手こずった。」
「へーぇ。手こずるって、一般人もいたの?」
伏黒は少し目線を上げて目を閉じ、つぶやくように言った。
「3人。そのうち1人はもう一般人じゃねぇ」
「…一般人じゃない?」
「…宿儺の器」
「……はぁ!?」
あまりに突然出たビックニュースに、思わず目を丸くして叫んでしまった。
伏黒も「無理はない」と言った顔だ。
「え、てことは…あの指……」
「食べた…?」と、紡ぐその前に
「そういうことだ」
と、反応が帰ってきた。
凄い勇気のある人もいたものだ。
「それで?その人どうするの?」
「ここに来る。」
「え、いつ?」
「明日か明後日。」
ほえ〜と、その話を聞く。
しかしそこまで聞いてあることを思い出したら。
「明後日…もう1人来るよね?」
「初めまして!虎杖悠仁っす!」
「おお〜初めましてぇ!青葉蓮です!」
1日の祝日を経て、私と虎杖は初対面。
そして我ら3人と五条先生で、新入生を迎え入れることになった。
今は3人、駅前で五条先生を待っている。
「1年がたった4人って少な過ぎねぇ?」
「じゃあオマエ今まで呪いが見えるなんて奴会ったことあるか?」
「……ねぇな。」
虎杖が口いっぱいにアイスを咥えて答えた。
「それだけマイノリティなんだよ。呪術師は。」
「そもそも見える人が少ないんだよ。」
何も持ってない伏黒に反して、私はクレープを片手に答えた。
「っていうか俺が4人目って言ってなかった?」
「入学はだいぶ前に決まってたらしいよ。」
「こういう学校だしな。何かしら事情があんだろ。」
3人で特に面白みも無い会話を拡げる。
虎杖が咥えるものがアイスの棒になったところで、聞きなれた声が聞こえた。
「おまたせー」
服はまあ仕方ないとして、黒い目隠しと言うなんとも怪しげな格好をした白髪の男がこちらへ歩いてくる。
この男が我らが担任であり最強、五条悟だ。
「おっ制服間に合ったんだね。」
「おうっピッタシ。でも伏黒達と微妙に違ぇんだな。パーカー着いてるし。」
確かに虎杖の制服には、赤いパーカーが着いている。
「制服は希望があれば色々いじって貰えるからね」
「え、俺そんな希望出してねぇけど。」
「そりゃ僕が勝手にカスタム頼んだもん。」
「言ってない上に勝手につけたんかよ。」
虎杖は、「ま、いいか。気に入ってるし」とパーカーに目を向けた。
伏黒は「気をつけろ。五条先生こういうところあるぞ。」と言って五条先生に続いた 。