アクアスと三途の川の渡し守が沈んだ戦場に、新たな影が三つ。
「……おいおい、またオレの出番かよ。」
秤金次 が拳を鳴らす。
「随分と派手にやられたな、ったく……。」
その隣には、黒い影を纏う男――伏黒恵。
だが、その目には迷いがない。
「まだ終わりじゃない……。」
そして、最後に立つのは、金色の呪力をまとった女――アリシア。
彼女は静かに宿儺を睨み、口を開く。
「”王”と呼ばれる存在……それほどの力を持っているのに、何を望む?」
宿儺は笑う。
「望む? 面白いことを言うな。」
そして、舌を舐める。
「”望む”のではない。”奪う”のだ。」
――戦いの幕が、再び上がる。
秤は額をぬぐい、笑った。
「いいねぇ……! 最高の舞台じゃねぇか!」
宿儺が剣を構えた瞬間、秤は手を合わせた。
「”領域展開――坐殺博徒”!!」
カシィィィン――!!!
空間がねじれ、巨大なパチンコのリールが回転する。
リールが停止する瞬間、秤の体が金色のオーラに包まれる。
「確定だ!!!」
秤が宿儺に向かって拳を振るう。
「秤の時間稼ぎの間に……!」
伏黒は影を操り、“八握剣異戒神将” を呼び出す。
「今度こそ……宿儺を葬る!」
彼の影から、異形の巨神が立ち上がった。