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4話目!これで最後なのよッッ!
見てくれた方は感想ください…泣いて喜ぶのでッッ……。
※米露要素有り・死ネタ注意アメリカとロシアがメインなのよっ!決して国を侮辱しているわけではありませんのよ〜!
誤字脱字有り
苦手な人は見ないでください!
約2時間ほどバイクを走らせてたどり着いたのは少し大きめの病院だった。昔から病院嫌いだった俺は病院なんて何年も見ていない、辺りを見回しながら俺は少しだけ面倒だなと感じてしまう。
「病院なんて何年ぶりに見たな………」
そんなどうでもいい事を呟き思うがままに病院の中に入る事にした。
病院の中は小綺麗に掃除されていて、患者も伸び伸びと過ごしている。慌ただしく走り回っている看護師は心なしか少し楽しそうにも見えた。看護師に部屋の情報を聞き出し数分うろうろと歩き回っていると、看護師が言っていた一室がやっと目に入る。“アメリカ様”と札に書いてる病院の一室だった。その一室の前に立ち開けるか開けないかの押し問答をひたすらに続けていると、その病室の扉は部屋の内側から最も簡単に開けられてしまった。
「…ッ…すまな…い……ってロシア!?」
動く事も忘れていた俺に中から出てこようとした彼は俺にぶつかり謝って来た。もちろん中から出て来たやつは“アメリカ”だった。何も言えないまま突っ立っている俺をしばらくアメリカはじっと見て、何かを察したのか俺の手を引き病院の大きな広間まで俺を引っ張っていく。大きな広間には椅子と机がセットで大量に置いてあり、アメリカは一番入り口側に俺を座らせた後で、アメリカも椅子に座る。何を話せばいいか迷った俺を後目にアメリカは冗談のように笑いながら病院にいる経緯を話し始めた。
「実は癌になっちゃったんだよな〜。」
「………は?」
ケラケラと笑いながら手を振りバカ話のように軽いノリで話すアメリカを俺はただただ見つめることしかできなかった。アメリカは出会った当初から自分の弱音を周りに吐かないタイプのヤツだったため明るい雰囲気を装っているのではないかと勘で思ってしまう。
「…まぁ入院してればいずれ治るから大丈夫だぞ!」
そう言って軽く肩を叩かれるが俺はその顔を見て何の言葉も出て来なくなった。
「…その首のやつ綺麗だな…?
……何で出て行ったかは聞かないが多分俺のせいだよな……本当にごめんな…。」
そう言って寂しそうに笑う姿を見て俺は勢いよくその場を立ちアメリカの頬を叩いてしまった。
「勝手に悩んで…勝手に自分のせいだって思い込むなよ!
俺は自分がダメでお前から逃げたんだよ…!お前がそんな顔してたら俺まで罪悪感が来るじゃねえか!」
なんて自業自得で自分勝手な理屈をつらつらと並べる。自分でもこんな言葉が出るなんて驚きしかなかったが、今の俺にはこれが自分でできる最大の自己弁護だった。情けないし恥ずかしさで俺はもう一度椅子に座り込み長くて終わりが見えないようなため息をつきながら下を向いた。1人でアメリカが戦っているというのに自分勝手な言葉と行動で何をやっているんだろうと自分に飽き飽きする。
「何をやってるんだろう……めんどくさい……」
「……ロシア?」
アメリカは俺の肩に手を置き少し気まずそうな表情を見せている。先ほど叩いた力が強かったのか彼の頬に赤色に滲んでいる。おそらく内出血でもしたのだろう。 そんなアメリカの顔を見て自分は最低なヤツだと改めて認識させられた。そんな俺の心情を察したのだろうか、アメリカは何かを思い出したように明るく笑った。
「そうだロシア!向日葵好きだったよな?」
「ぁ…あぁ……そうだが…?」
そう言いながら無邪気にアメリカは俺の手を引っ張ってどこかへ連れて行く。力が上手く入らないのか彼の力は弱く脆かった。このまま簡単に振り解いてしまえるだろうとも思ったが、今ここで手を振り払えば後が最悪の結末になるのではないかと思ってしまい、振り払う事ができなかった。アメリカはそのまま俺を引っ張って行くと、とある小さな入り口の前で立ち止まった。
「ここだ!」
そう言って楽しそうにアメリカは扉を開けると、扉の先には盛大に広く美しいひまわり畑が広がっていた。決して太陽から目を離さず太陽を剥き続ける、日に向かうという意味を持った向日葵。俺はそんな花が昔から好きだった。以前に少しアメリカにも話したような気がするなと昔の事を思い出して心なしか嬉しい気がする。その場所は光と微風が心地よく、目を閉じてその空気を静かに吸う。そんな俺を見てアメリカは微笑み、子供のように悪戯っぽく笑った。
「……綺麗だろ!この病院に来てからこの場所を知って、絶対にロシアに見せたいと思ったんだ!」
「………そうか……」
無邪気な笑顔に俺は少し罪悪感を感じてしまった。今までの自分が抱いていた何とも言えない不思議な感情は罪悪感からくるものだったのだろう。微風に少しだけ動いた青色の宝石が肌に当たった時、ほんの少しだけ暖かかったような気がする。
それからはアメリカとの関係が少しずつ戻って行った。アメリカに対する飽きたという感情が罪悪感からくるものだと気がついた時、情けなくて泣いてしまったなんてきっとアメリカは気づかないだろう。それでも俺はイギリスの家に住み続けた。イギリスと一緒に住み続けた間にイギリスのことを少し勘違いしていたのかもしれないと感じたのが一番の結果だろう。
アメリカの見舞いにはそれから毎日通うことになった。日が変わるごとに弱りきって行くアメリカは俺の前だけでは終始笑顔を貫き続けていた。医者によればもう長くは持たないらしい。弱りきった体と痛みとストレスが限界を迎えた彼の精神は完全に弱り切り、最近ずっと幻覚を見ていると伝えられた。アメリカは俺だけには伝えないでほしいと懇願していたようだが、毎日来ている俺に現状を知ってもらわないといけないと医者は親代わりに俺にその事を伝えたそうだ。細かく言えばアメリカの残り生きれる時間は約3週間。残り3週間という短き寿命を、少しでも楽しくしてあげたいと俺は思いアメリカにプレゼントを渡す事にした。
毎日アメリカのいる病室に通い続けながらもアメリカにプレゼントを地道に作り始める。俺はあまり手先が器用なわけではないため、手先が器用なイギリスにさまざまな事を教えてもらいながらだったが。
「終わった………!」
「えぇ…きっと息子も喜びます。」
作り初めて2週間という速さでプレゼントは完成したが、自分で言ってもいい程に完璧にできたのではないだろうか?その日早速俺はアメリカのいる病室へ出向いた。アメリカは俺が部屋にやって来たのを確認すると精一杯の笑顔を俺に見せてくれた。
「ロシア!今日も来てくれたなんて嬉しいぞ!」
「当たり前だろ?早速だが今日はお前にプレゼントがあるんだ。」
「サプライズは大好きだぞ?」
嬉しそうに微笑むアメリカに俺も思わず微笑み返し、アメリカが座っているベットの横にあった椅子に座った。アメリカの嬉しそうに笑う顔を俺は好きだなと思うように戻れたのは間違いなく彼のおかげでもある。そんなアメリカに手を出すように言い、アメリカの手の上に赤色の宝石が付いたチョーカーを手渡した。
「綺麗だなぁ!?」
アメリカはそのチョーカーを太陽の光に向けて傾けたりして光の屈折を使った遊びで楽しんでいた。
「付けてやろうか?」
そう言ってアメリカの首に触れるとアメリカは肩をビクつかせ俺を拒絶した。彼自身も何が起こっているかわからないようで、俺にひたすら謝り、自分を責め続けた。アメリカの様子が急に変貌した事に俺は驚きを隠せずにその場で硬直してしまった。
「あ…あぁぁ……ごめん…ごめんごめんごめんッッ!!!」
目の前で精神が崩壊し壊れて行くアメリカの姿に俺はただただ見つめることしかできなかった。次第にアメリカはさらにおかしくなって行った。首に触られるという俺の行動で彼をおかしくしてしまったという罪悪感に駆られた俺はアメリカの名前を呼びかけ謝ろうと思った。
「ア……アメリカ……?」
名前を呼びかけた時、アメリカは獲物を見るような目で俺を睨んだ。
「化け物!お前なんか大っ嫌いだ!!」
アメリカはそう俺に放ち、銃を構えた。
避ける時間は十分にあったが、アメリカをおかしくしてしまった罪を許してくれるなら。俺は喜んで君に殺されるよ。
「死ね……!」
「………」
君が撃った銃弾は俺の頭を簡単に貫通した。
ごめんな、泣かないでくれ。
これは君が悪いわけじゃないんだから。
中国から貰ったチョーカーに付いた宝石はパリンと音を立てて割れてしまった。最後に手に破片が触れた時、今まで以上と言えるほどその宝石は暖かく心地が良かった。
「……ッッ…ロシ…ア……?
あぁぁぁ……俺はなんて事をしてしまったんだろう……」
アメリカはそのまま病んでしまい俺に向けた銃口を自分のこめかみに向け銃弾を放ったが、運悪く医者や日本が入って来てしまい、アメリカは取り押さえられてしまった。その時にアメリカに渡したチョーカーの石は俺の薄れゆく意識の中で一瞬だけ見たが、色は一輪の薔薇のように美しく明るい赤色だった気がする。
ーBADENDー
はい!最後気が抜けて訳分かりませんが!
よければ感想くださいなのよッッ……!
それでは最後まで見ていただきありがとうなのよ!
見つけてくれたことに感謝のよ!