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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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不真面目な恋にピリオドを____



メイストの相棒辞めるって

冬弥が言った後の話.






┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈







「今日もいい天気だ。」











そんなことを呟きながら土砂降りの

大雨の空を見上げる .



こんな朝早くに学校に来ても

意味ないのに__





____ピコン



こんな朝に誰から…?

もしかして忘れ物、母さんか?




『今日帰りカフェ集合!!』




白石…? カフェ、謙さんか .

それにしても何故……



聞きたいことは山々だが

俺は行ってみることにした .












┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



「あ、冬弥 ー !」


飲みかけのジュースをテーブルに置き

笑顔で手を振る白石 .



「どうしたんだ…元メンバーなんて

呼び出して.」







そう、俺はもうvividBADSQUADの

メンバーでは無い .




「ねぇ冬弥,本当に彰人との相棒……」



少し眉を下ろして聞いてくる.


“彰人”というのは俺の中途半端な音楽でも

必死に受け入れようとしてくれた

“ 元 ”相棒だ .


「嗚呼 . その話は終わったんだ.」



「でもさ……」



彼女は何か告げようとする .




“ 冬弥…彰人のこと好きじゃん ”




「……」



白石が気づいているとは思っていなかった.

そう、俺はずっと彰人のことが好きだった.

いや、正確に言うと今でも好きだ .



「それに_____」



「辞めてくれ .」



何か告げようとした彼女を俺は止めた.

何故かって……?


これから先は聞いてはいなないような

気がしたから .


聞いたら後悔しそうだったから .





「あ、ごめん……」



俯く彼女 .

少し言いすぎてしまっただろうか……



「でも…冬弥さ、うぅん . 早くしないと

彰人、新しい相棒見つけちゃうよ……?」




「 …… .」




もし…ここで、彰人が相棒を連れてきたら

俺はその程度の相棒だったということだ .


決して彰人のことを試している訳ではない.








きっと .










多分 .







______カランカラン







お店のドアに着いているベルが鳴る .


お客さんが入ってきた証だ .


俺からは誰が入ってきたのか見えない位置に座っている .


別に誰が入ってきてもいい、、が.

少し気になって後ろを振り向く .










「 よぉ . 」












そこに居たのは元相棒と俺とは

似ているようで似つかない紺色髪の

ツリ目の女性だった .







「 あ … きと 、 や っほ~ 、、」



白石の声が 掠れているのが わかる .

何が起こっているのか分からないのだろう.

俺も同じだ .



だが ここで 動揺したらいけない .

ここで動揺したら 負けたような …

引きずっている ような 気になるから .


それにまだ 新相棒 とは 決まっていない.



そんなことを考えながら手に持っている

コーヒーに口をつけるが喉を通らない .



「そ、 その人 は ? あ、 冬弥 来てるよ…」



白石……余計なことを 言わないでくれ…


持っていたコーヒーを落としそうに

なりながら注意を払って置く .



「 あ ~ コイツ は 相棒 だよ .」



「よろしくお願いします .」



女性の声は 透き通っていて

明らかに 彰人 の 好みのタイプ だ .


それに相棒 … 嗚呼、 そうか ……


俺は こんな 女性に 負けたのか……



「あ、 相棒 … ? 何 言っ てるの ?」


「そのまま の 意味だ ろ ? 相棒 .」



あぁ … もう 目の前が 真っ暗 で

何も見えない …


涙が零れてきそうだ…悲しい想いが

限度を越し感情さえも無になってしまった.




何か音を立てると凄く目立つ予感しか

しなかった.彰人と白石が

目を合わせじっとしている横をスっと通り

外へ出ることが出来た .


ドアのベルが鳴った時にはもう数メートル

離れていところまで来れた .


もうWEEKEND GAREGE には

二度と行けなくなった .


謙さんには申し訳ないがこれで

気が吹っ切れた気がする .

いつも通りの日常に戻るだけ .

変わったと言えばお昼ご飯を食べる

相手が居なくなったくらいだ .


「 はぁ …… 」



溜息を着くと家に帰る .

もう俺はストリート音楽は必要ない .

父さんとのまた地獄のような練習が

俺を待ち構えてるだろう.






┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




「 ただいま …… 」



まだ春だと言うのにも関わらず

ひんやりと冷えた部屋に1人帰る.


今日は父さんが早いらしい .

すぐに目が合った .


「 父さん … 」


「なんだ . 遅かったじゃないか .」


「… 俺 … ストリートを 辞めようと

思います」


「 …… そうか . 」



これで吹っ切れた .

学校では1人で過ごし 家に帰ったら

ヴァイオリンの 練習 .

いつもに 戻った ……











それだけだ _______










┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈







部屋に入ると いつもよりしんとしていて

暗く 狭く 感じる .

大雨が 降っているからだろう .


学校からの課題に 手をつけようと

自身の手提げカバンに手を伸ばす … と



「 ファイル …… ? 」



何のファイル なのか

ちっとも思い出せない .

ということは あまり必要ではない 紙が

入っているのだろう .


そんなことを考えながら ファイルの

中身を確認する .



「 これは ……」




ファイルの中には 思い出の 歌が

沢山 入っていた .



「 …… 」



だが , もう こんなものは 要らない .

俺は 決心して 曲が書いてある紙を

4分の1の大きさ に ちぎって 捨てた .











┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈





「 おはよう . 」



今日も 昨日と同じ 大雨 .


朝食を用意していた母さんに挨拶をした .



「 冬弥さん , 朝ごはん出来ましたよ .」



「 ありがとう . 頂きます .」



こんがりと焼きあがった トースト に

トロトロの バターが 縫ってある .



これもまた いつもと同じ .



出かける用意をして家を出た .



不真面な恋にピリオドを .

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コメント

5

ユーザー

つ、続き!!

ユーザー

ちょっと彰人!? 何してくれまんねん!!! うちの可愛い冬弥を嫁が瀬田ってのに!!!(??)

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