深夜の工場跡。月明かりが鉄骨の影を長く伸ばし、静寂の中に重い緊張が満ちていた。
「…いる。」
結那がナイフを抜きながらつぶやいた。
「気配、すごいな。」蓮はスマホを握りしめ、通話をつなぎっぱなしにしている。「美咲、翔太、ちゃんと聞いてろよ。俺たち、突っ込むから。」
美咲・翔太____この二人が家で待機しているのは全滅を防ぐためという蓮の策だ。
「…気をつけて!」美咲の心配そうな声が響く。
「早く…親父を助けて!」翔太の声には、必死さがにじんでいた。
「任せろ!」蓮が言い切った、その瞬間——
シャッ!
風を切る音。
結那は反射的にナイフを振るい、飛来した刃を弾く。
「ふふ…さすがだねぇ。」
ゆっくりと、影の中から現れたのは——吉田日哉。
「お前が…師匠の弟?」結那の目が冷たく光る。
「わぁ、怖い目だね。でもさ、そっちの子も負けてないよ?」日哉は蓮を見てにこりと笑う。「君、動物の匂いがするね。なんていうか…野生って感じ?」
「てめぇ…」蓮は眉をひそめた。「ご主人を狙うってんなら、俺たちが相手だ。」
「いいねぇ、やろうか。」日哉は刀を抜く。
その瞬間——
バッ!
蓮の体から、巨大な影が飛び出した。顕現したのは黒い狼。目を赤く光らせ、低く唸る。
「おぉ、いいねぇ!じゃあ…俺も本気、出しちゃおうかな。」
日哉の目がギラリと光った。次の瞬間、彼は地を蹴った。
速い——!
蓮が狼をけしかける。だが日哉はその動きを見切り、するりと懐に入り込む。
キィンッ!!
結那のナイフが、日哉の刀を受け止める。火が散る。
「…お前、ただの弟じゃねぇな。」結那の声が低くなる。
「ははっ、よく言われるよ。」日哉は笑う。「でもね、俺は世界一の殺し屋になるんだ。」
「なら、ここで終わりだ。」蓮が狼とともに突っ込む。
「さぁ…楽しもうか!」日哉が狂ったように笑った。
※そういえばグルラ作り直してます
コメント
2件
今回も神ってましたぁぁ!!! この勝負どうなるんやぁぁ、、、、??? うふふ続きが気になってしょうがない(( 次回もめっっっさ楽しみだぜぇ!!!!!!
れん!そのままやっちゃえ!そしてにちやと仲間になるんだ! 続き待ってる(*´꒳`*)