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営業先への帰り道、とあるゲームイベントの広告が目に入った。誰でも知っている人気のファンタジーRPGタイトルだ。
『ん?あれってどこかで…。あ、都希くんが昔やってたゲームだ。』
立ち止まって内容を見てみると丁度来週から周年イベントに合わせて限定ショップやカフェが始まるといった内容だった。
『イベント期間が2週間ある。これだっ!!!!』
早速スマホから検索をかけると全て予約必須となっていた。とりあえずホーム画面にショートカットを作って保留にした。
仕事の合間に都希くんへ予定が空いているのかを連絡してみた。
『急にごめん。どうしても行きたいとこがあるんだけど、今週末か来週末の土日のどこか空いてる?』そう送ってから少しすると『今週ならどっちも大丈夫。』思い通りに約束が決まり嬉しくなってしまう。
『わかった!時間はまた後で連絡する。』
『はーい。』
はーい。って返事可愛いな!夜会いたいけど、今週は仕事がやばいんだった。悔しいけどイベントの下調べだけするか。ぶっちゃけ仕事より頭が異様に回転した。
都希くんとの約束は翌週の日曜になった。
・・・・
約束当日、都希くんの家まで迎えに行き、一緒に出発した。今日の都希くんは白×黒コーデ。肌はあまり出したく無いのかいつもの黒帽子に、白のドルマンシャツと黒カーゴパンツの組み合わせだ。白も似合う…。俺の都希くんのコーディネートチェックはすでに習慣化している。しかし、都希くんは洋服にはあまり興味が無い様子なのに、ブランド物やら一点物っぽい服をよく着ている。誰の好みなのかは…まぁ、そこは考えるはやめて、似合っているので問題ない。ちなみに俺は都希くんの服を予想してシンプルな白Tに黒のチノパン。無理矢理にでもカップルコーデっぽい!と思った瞬間からすでにニヤニヤしてしまっていた。
「どこ行くのかまだ教えてくれないの?」
「着いてからのお楽しみー。」
「そうなんだ…。」
最寄駅に着くとイベントの広告が駅一面に貼ってあった。「もしかして、これ…?」そう言って俺の方を見ている。
広告を指差しながら「これ、好き?」そう聞くと「好き。」小さい声で答えていた。
「今日はここ行こ。都希はここでも良い?」
「行きたい!」やっと笑顔になった。
引き続きニヤニヤしながら歩いていると「どこから行くの?会場?イベントショップ?僕、一回も行った事無いから全然分からないや。行きたくても1人だとちょっと諦めちゃってたから。本当に今日ここに行けるの?」
相当嬉しいのか、独り言っぽく話しながらも珍しく早口になっていて面白い。
「そうだぞー。ちゃんとイベントの入場チケットも買ったし、コラボカフェも予約してあるから今日はそこで好きな物全部食べるぞ!」
「なんか突然過ぎて、まだ信じられない。」
「…なぁ、一緒に決めるって話してたのに、また全部勝手に決めちゃってごめんな。」
「ううん。すごく嬉しい…。ありがとう。」
「良かった!じゃあ、並ぶぞ。」
「うん。」
都希くんは並んでいる間も俺の近くで周りを気にしてキョロキョロしている。「ねぇ、ねぇ。」急に俺の服の裾をクイっと引っ張って小声で話しかけて来た。身体を屈めて都希くんの顔に耳を近づける。
「あそこでコスプレしてる人がいる。」
「ははっ、何で小声?」
「なんとなく…。」
「都希はどのキャラが好きなの?」
「全部好きなんだけど、この長剣持ってるのキャラが昔から好きなんだよね。カッコ良い。あと、サブキャラの猫ちゃんとか。」
都希くんの可愛いところは、保育園仕込みの色々な物に『さん』とか『ちゃん』って付けて話すところだったりもする。本人は無意識らしく気付いていないけど、俺にはそこも刺さるポイントだ。
「じゃあそのキャラのグッズ探そ!」
「うん。」
・・・・
日曜日だし、やっぱり人気のタイトルなだけあってかなり人が多い。都希くんは大丈夫なのか…。
「人が多いけど、大丈夫か?」
「なんか大丈夫。楽しい。」
「そっか。疲れたらすぐ言えよ。」
「わかった。」
イベントの特設会場や展示を周り、グッズを見てからコラボカフェへ向かった。都希くんはさっき言っていた猫ちゃんのぬいぐるみのキャラクターのグッズにホワホワしていて可愛い。「これだけ買ってくる。ここで待ってて。」そう言うと自分用に猫ちゃんのキーホルダーを購入しに行った。
コラボカフェに行くと、店内もゲーム内の酒場のイメージが再現されていて、本当にこういう場所があるみたいだった。ゲーム内に入り込んだ様であまり詳しくない俺でもクオリティの高さに気分が上がる。
都希くんも「すごい…。」と言いながら店内に入るのと同時に見回していた。カウンターで注文する時もメニュー見ながら悩んでいる姿が可愛い。
「えっと…コレは食べたい。あとは…コレ。コレも気になるけどもう食べれないかも…。」
『楽しそうにしてくれてる。せっかくだから色々食わせてやりたい。』
「俺、腹減ってるし、こう見えてめちゃくちゃ食べるから気になるやつ全部頼も!!」
「本当に?大丈夫なの??」
「おうっ!任せとけ!!」
2人で次々にテーブルへ運び、食事が並ぶと都希くんは嬉しそうに写真を撮っていた。
『写真撮るなんて、めちゃくちゃ喜んでるじゃん。』
「これ、美味しい。千景も食べて。」
「本当だ!うまい!!」
全部食べ終わるとさすがに2人とも満腹になった。
・・・・
イベント会場を後にするともう陽が傾いて来ていた。2人で並びながら駅まで歩く。
「すごく楽しかった…。」
「俺もゲームイベントとか始めてだったけど、楽しいな!あとで一緒に写真見よ。」
「うん。」都希くんは嬉しそうに返事をしていた。
「千景、お腹は大丈夫?たくさん食べてたから。」
「大丈夫!これから食後の運動するし。」
「……あ、うん。そうですね。」
「はは、なんで敬語?ってかマジで疲れてない?本当に部屋行って大丈夫なのか?」
「うん。いいよ。」
・・・・
ベッドの上で今日の写真を見ていると都希くんが話しかけてきた。楽しんでいる都希くんの隠し撮りが大量にある。一緒に行けて本当に良かった。
「僕、今日の事忘れないよ。」
「俺も。いつも俺が決めちゃてるけど、懲りずにまた一緒にどこか行ってくれる?」
「…うん、いーよ。あ、そうだ。これ…。」
都希くんが今日行ったイベントの袋を渡して来た。
「え?俺に?」
「今日のお礼。僕とお揃いなんだけど。」
「猫…。お揃い?」
「お揃い嫌だった?」
「その逆です。嬉しいです。」
俺のために買ってくれてたんだ…。コレ使えないやつです。
「そっか、良かった。」
不安そうな顔から笑顔になった。
「ねぇ、もう一回しよ。」
都希くんからお誘いされた。
「無理しなくて良いのに。」
「無理してない。まだ足りないだけ。」
誘われるまま、スマホを置いて期待した顔で待っている都希くんを抱きしめた。
一回した後だったからもう都希くんの方も大丈夫そうだ。ゴムに手を伸ばすと都希くんに止められた。
「今日は生で挿入て欲しい。」
「え?でも身体に良く無いんじゃ…」
「後で掻き出してくれるでしょ?」
「もちろん!」
「だから早くきて…」
「でも、生だとあんまもたないから…」
「何回でもすれば良いじゃん。」
「……っ。」
そんな風に煽られて我慢出来る訳がない。俺のちょろい理性なんてものは呆気なく崩壊してしまった。
「うー…もぉ無理ぃ…。止まってぇ…」
「食後の、運動だから!煽った都希が悪い。」
ガッチリ腰を押さえつけ、泣いている都希くんの静止も聞かずに溢れる出る程中へ出した。ぐったりする都希くんを大急ぎで風呂まで抱えて連れ行き身体を綺麗にした。翌朝、動けない!と怒った都希くんに脇腹を殴られ、あれ?こんな事前にも…と思い出していると「嫌いになりそう!」と言われたので全力の土下座で謝罪した。
誘って来たのは都希くんなのに、好きの加減って難しい。そう思った。