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「それで…お嬢様。」pkt



『…ん、何?』



「お嬢様、先程聞いた時に自分の名前すらも忘れておられましたよね?」pkt



『え…まあ、そうだけど。』



まずい、馬車の中で再度その話を掘り返されるとは思っていなかった。


一体何を聞かれるのだろう。

場合によっては、私が私じゃないこともバレてしまうかもしれない。


そう、少し緊張しながらぴくとさんの返答を待つ。



「…何か、あったのですか。」pkt



『…えっ、と。』



嫌な予感は当たってしまった。

ストレートな質問に、私は言葉を詰まらせる。



「別に、無理して言えなんて言いません。」pkt


「ただ、私はお嬢様に無理をしてほしくない、その一心で今質問をさせていただいております。」pkt



『…優しいんだね。』



「…?私が、ですか?」pkt



『うん。』



「…理由を、聞いてもよろしいでしょうか。」pkt



『…だって、ただの雇われの従者なのに、そこまで主に思いやれるなんて、とっても素敵なことだと思わない?』


『私だったら絶対無理なのに…』


『だから、自分とは違う他人のことを思いやれて優しいな、って。』



「…な、るほど。」pkt



『…あ、ごめん。』

『急にこんなこと言って困らせちゃったよね。』



「…いえ、そんなことはございません。」pkt



「…こんな事を言うのは失礼かもしれませんが…」pkt


「前までのお嬢様はそんなこと絶対に言っておりませんでした。」pkt


「でも、今のお嬢様はふわりとした雰囲気を纏い、一つ一つの言葉も丁寧で、従者の私にまで優しくしてくださっています。」pkt


「優しい、なんて言葉をかけたいのはこちら側の方です。」pkt


「…お嬢様。」



『…何?』



「ありがとうございます。』



そう言って、ぴくとさんはふわりと微笑んだ。


そんなぴくとさんは何だかとても頼り甲斐があって。


ぴくとさんになら、本当のことを話してもいいとまで思えてきた。























…本当のこと、言ってみようかな。

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