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💜サノス × ナムギュ🖤
二次創作、ソフト(18禁✕)、 ライト
イカゲームに参加していませんので、台詞はそれぞれの名前で表記しています。
もちろん、フィクション(捏造)ですわ。
<ざっと設定:ナムギュ_ギョンスと親友かな?サノスと付き合っている。 / サノス_芸能界で活躍中。ナムギュと付き合っている。>
超ほのぼの。前半、ナムギュとギョンスいっぱい仲良し。
最初から最後まで癒やされましょう。
ッジュ、ンジュッ、ジューッ
フライパンの上で踊る野菜とウィンナー。じっくり炒めて、あとから溶き卵をかける。
キッチン中に、美味しそうな匂いが溢れてくる。
ナムギュ「んーと、これでいいかな。」
金曜の午前8時。ご飯をちゃちゃっと作って、きれいなテーブルで朝ご飯をたべる。
ナムギュ「ん〜〜、さっすが俺!おいしい〜」
もぐもぐ。しゃきしゃき。自分の音が部屋に響く。
今日は久しぶりに有給休暇をとった。最近はクラブのお客さんが増えて忙しくなっちゃって週に1日しか休めてなかったから、これでやっと仕事以外の好きな時間を過ごせる。
…とはいうものの、一般に金曜は平日だし、友達はみんなお仕事。
でも、明日は午前中にサノスと久しぶりに遊ぶ予定があるから、別にいいんだけど。
あー、今日はなんか物寂しくなるなぁ。
ピロンっ♪
色々考えながら食べていると、横の椅子にある俺のスマホの音が鳴った。
もぐもぐしながら、スマホを手に取る。メールの通知だったようだ。
[ メール ]
…楽しみにしてたのに。お互い、忙しくて最近はよくこんな感じだ。
こんなん怒んないほうが変だって。期待だけさせといて、何なんだよ。
サノスはいつもそう。いつも、都合がいいことばっか。なんだか、腹立たしい。
ナムギュ「…兄貴、ひでぇ」
ナムギュ「…はぁ。」
明日の午前のために今日はゆっくりしようかと思ったけど、無駄みたいだな。
…明日も午後に仕事あるし、せっかくだし今日遊ぼうかな?
食器を左手に、スマホを右手に持って、流し台へ行きながら、誰と遊ぶかトークメンバーをみて考えた。
ナムギュ「あ、ギョンス!あいつ、明日休みじゃねーか。」
俺の友達のギョンスは、今日の午後は仕事だが、明日は休みだ。
だから、今日の午前はつきあってもーらお。
メールを打つのがめんどくさかったから、さっそくギョンスに電話した。
ナムギュ「〜….というわけで、今に至る。」
ギョンス「あー、なるほどね〜…。」
ナムギュは、ギョンスと並んであるきながら、ギョンスにつきあってもらっている理由を淡々と話していた。
ギョンス「って、簡単に納得すると思いました?」
ナムギュ「ごめん〜〜。…でも、来てくれたお前はやさしーな。」
ナムギュは、どうにかギョンスの機嫌を取ろうとしている。
ギョンス「っ、あーもう。仕方ないですね!」
あっさり大成功。
ギョンス「で?どこいくの?」
ナムギュ「あー、いつものお店でさ、新作のスーツでたらしんだけど、こんな俺がひとり行くの恥ずかしいから一緒に食べに行こう〜✨️」
ナムギュは、目をキラキラさせながらギョンスに言った。
ナムギュから見えているギョンスは、清楚でおしゃれな人にみえるらしいため、ナムギュはよくギョンスを、スイーツを食べに行くときに誘う。
だから、ギョンスは慣れた様子で、
ギョンス「はいはい、行こう行こう〜」
といって、ナムギュとそのお店へさっそく向かう。
実はギョンスもナムギュも、甘党さんで、スイーツの趣味がよく合っているのだ。
店員さん「1名のセミ様〜ご案内いたします〜。」
平日なのに、行列ができるこのお店はどこまでも雰囲気が良い。色んな人に親しみやすい。
ギョンスとナムギュの二人は、新作のスイーツに期待を膨らませながら並んでいた。
ギョンス「ほら、次だよ。」
すると、ナムギュは本当に楽しみで仕方がなかったのか、思わず、
ナムギュ「いえ〜いっ(( 小声 ))」
と、喜んでいた。その静かな喜びがただ漏れだったのか、隣りにいたギョンスは、吹き出しそうになった。いや、笑いは堪えられなかった。
ギョンス「うふっ………..フ…フフッ…..ふっふははは!」
ナムギュ「!?….おまっ、うっせぇよ!///」
ナムギュは、ギョンスの腕をやめろと言わんばかりに、軽く叩いた。
そんなところ、
通りかかったおばあさん「うふふ、楽しんでねぇ〜」
一緒にいるじいさん「平和だねぇ〜」
そんなふうに優しそうな2人の老夫婦が通り過ぎていった。
ナムギュ「ぁ、はぃ…///」
ナムギュ「….聞こえてたのかよ///」
ギョンスは、とことんツボにはまっている。
ギョンス「ククッ….フフフクッククク…www」
真剣に、ギョンスに笑うのをやめてほしいナムギュは、彼の胸ぐらをつかんだ。
ナムギュ「…お前まじで、だまれ///」
ナムギュがギョンスを黙らせようと必死なところ、
店員「えーと、2名のナムギュさん、ご案内します。」
店員さんがナムギュたちを呼んだ。
ナムギュ「あ”?」
必死過ぎたのか、ナムギュが名前を呼ばれたとき、反射的に暗く低い声で返事をした。
もはや、返事なのかわからないぐらいの怖い返事だった。
店員「ひっ…あ、あの、その次で..す!!」
店員さんはビビり散らかしている。ナムギュはそんな様子にハッと我に返り、ギョンスの胸ぐらをつかんでいた手を離した。そして、気まずそうな顔をして、
ナムギュ「….はい。」
とだけ言った。恐る恐る店員さんは、二人をお店の中へ案内した。
中はお店の外見と比べ物にならないくらい、おしゃれで洋風レトロな感じだ。
いろんな感じのお客さんがいて、お店は大繁盛しているよう。
心惹かれるものが多いため、そんなの当たり前である。
店員さんに席に案内された二人は、向かい合うように座った。
店員「ご、ご注文が決まりましたら、お、お呼びください…。」
ギョンス「はーい。」
店員さんは、メニューをさっとテーブルにおいてそそくさと二人の元を去った。
そんな様子を見ていたギョンスは、やっと落ち着きながらこう呟いた。
ギョンス「…あーあ。ビビらせちゃったじゃん笑」
ナムギュ「… 」
ナムギュは恥ずかしさと申し訳無さでいっぱいいっぱいである。
それもそのはず、荒波をたてぬよう、常に自分の行動には気をつけてきたから。
しばらくギョンスは、ナムギュをじっとみて彼の様子をうかがっている。
数秒たっても、ナムギュのりんごみたいな色は色褪せなかった。
そんな様子が可愛くてついギョンスは意地悪をしてしまう。
ギョンス「あははっ、耳まで真っ赤っ赤〜♡」
ギョンスは懲りずにナムギュをいじる。
ナムギュ「..ぇ….な?」
ナムギュは下を向いたまま、何かをポツリと言った。
徐々に彼の威圧感が深くなっている。
残念なことに、それにギョンスは気付かずにいる。
ギョンス「なんて〜?」
少しもてあそぶように、そうギョンスが聞き返すと、
ナムギュはバッと顔を上げて、頬杖つき、イライラした様子ではっきりこう言う。
ナムギュ「はぁ、おまえ、この後どうなるかわかってんな?」
ギョンスは、やっと自分のしたことに気づいた。
まずいと思い、ナムギュにとにかく謝った。
ギョンス「あ、ごめん。ねーごめんー。ごめんよ~。」
ナムギュは、むくれて、
ナムギュ「やーだ。」
ギョンスの謝罪を真に受けず、目もギョンスと合わせていない。
ギョンスは仕方ない感じで、謝罪の代わりに彼にお詫びをしようと覚悟した。
ギョンス「あーわかったよ。奢る!奢るから!!」
数秒、沈黙が続いた。とうとう折れたのか、ナムギュはゆっくりギョンスの方に向いた。
そしてギョンスの目をじっと見た。
ナムギュ「っ…………….許す」
不安な様子でナムギュの様子をうかがっていたギョンスは、ホッとした。
ギョンス「ほんと!よかった〜(泣)…んじゃ、食べようか。」
二人はさっと切り替えて、注文をし始めようとした。
ギョンスもナムギュもメニューを見ず、ふたりとも確かな決心が既にあるように、呼び鈴に手をかけた。
ナムギュ「注文するものは、もちろん…」
ナムギュとギョンス「「新作☆チルホワイトモンブラン!!」」
ナムギュ「…〜いちごの小人としんしんとふる雪のなか〜」
ギョンス「え、そこまで?笑」
ナムギュ「そこがいいやん。」
ギョンス「そこはいいやん。」
あまりの空気の切り替えのはやさに、二人はくすっと笑う。
ギョンス「店員さん呼ぼー。」
ナムギュ「あーね。えっと、呼び鈴おすわ。」
ナムギュはそう言ってギョンスの指より先に呼び鈴を鳴らした。
それからしばらくして、店員さんが二人の元へやってきた。
店員「ご、ご注文は何でしょうか?」
さっきの店員さんだ。店員さんは、ナムギュと距離を少し置き、ギョンス側に立った。
ギョンスは、ナムギュに視線をおくる。
ナムギュは、わかってるよ、と彼に視線を送り返す。
ナムギュ「…チルホワイトモンブランを2つください。あと〜〜….」
ナムギュ「〜〜をお願いします。…それと、さっきはごめんなさい、ミンスさん。」
ナムギュは、注文を言ったあと、店員さんのネームプレートに目を通して、店員さんの顔を見てしっかりと謝った。
ミンス「…いえ、こちらこそ、不快にしてすみません。ご注文ありがとうございます。」
ミンスは驚きながらも顔を明るくして言った。ナムギュもその様子に、緊張が解けていた。
ギョンスは、その様子ににこにこしていた。
ミンス「しばらくお待ち下さい。」
ナムギュとギョンス「「は〜い。」」
数分して、店員さんが注文したものを完璧な状態で持ってきてくれた。
俺はささっと、スマホをポシェットから取り出した。
この光の当たり具合よし、カメラの角度よし。俺は、ホワイトモンブランをきれいに写真に収めた。ギョンスの方をちらっとみると、俺を待っていてくれたのか、視線はずっとモンブランにあるが、それに全く手を付けずにいる。
さっきは、すんごいムカついたけど、ギョンスは根がいい友達だ。それに紳士。
俺と違って底辺人間ではないから、何故かコイツに恋人がいないことが不思議で仕方がない。少なくとも、友達は多いくせに。
… あー、あれか、性格が良すぎるのかな?それなら、全然わかる。
ナムギュ「いただきます〜。」
ギョンス「召し上がれ〜。俺もいただきます〜。」
フォークに反射する光がモンブランのクリームからスポンジへと吸い込まれる。
ケーキが口に運ばれる間、もう既に自分の口の中があまくなっているような気がする。
俺は、モンブランをまず一口味わう。
ナムギュ「ん〜〜〜、おいしい〜〜♡」
ホワイトチョコと栗の絶妙な甘さがそれぞれ、互いに調和しながら口の中で優雅に溶けていく。ほっぺまで溶けそうなほど、美味い。
ギョンス「んね〜〜〜♡」
ギョンスも幸せそうに食べている。誰かと気持ちが一緒でいられるってやっぱいいよな。
俺はまた、思いっきりモンブランをほおばった。
しばらくして。
ギョンス「…」
ギョンスがじっーっとこちらを見てくる。
ナムギュ「あ?なんだぁ?…..あげませんよ??」
ギョンス「いや、ちがうちがう。…ちがくはないかもだけど、ナムギュって寂しがり屋だよなーって思ってさ。」
は??
ナムギュ「はぁ????」
ギョンス「ほら、一人で出かけようとしないでしょ?今日だって、サノス様に構ってもらえなかったからって僕を呼んだでしょう?ただ、スイーツを食べたいだけじゃなくてね。」
ナムギュ「んー…?」
…確かに。寂しがり屋かどうかは置いといて、一人で遊ぶっていう考えはなかったな。
昔はよく独り…だったけど、退屈だったしなんか嫌だったな。
知らないうちに、みんなと遊ぶのが癖になってんだな。
ギョンス「へー、無意識かぁ」
ナムギュ「何も言ってねーわ笑」
ギョンスは察しが良いな。とはいえ察しが良くても、あまり深く探らないでくれるところがいいんだけどね。
そう思いながら食べていると、ギョンスはスマホにメールでも届いたのか、いじり始めた。
数秒して、
ぴろぴろりん♪ぴろぴろりん♪
彼の着信音が鳴った。
ギョンスは、トイレに行ってくる、とジャスチャーし、トイレに行きながら電話に応えた。
スイーツを完食したところで、ギョンスは戻ってきた。
ナムギュ「なんだったー?」
ギョンス「いやぁ、合コンに誘われたんだよね〜」
ナムギュ「あれ?今日、仕事だよな?」
ギョンス「そうそう、だからね…」
なんとなく嫌な予感がした。
ギョンス「ナムギュが参加してくれないかな??」
ナムギュ「んー、どうしようk」
ギョンス「みんなは大歓迎だって」
ギョンスは最初っから俺に考える時間を与えるつもりなんてなかったのだろう。
まぁ、このあと全然暇だし、楽しそうだから行ってもいいかもな?
遊び相手(いたって健全)が増えそう〜
ナムギュ「…んじゃ、行くわ〜」
ギョンス「お!まじ!感謝です!!」
ギョンスは、お会計を済ませていた。
ナムギュ「今日もありがとね〜」
ギョンス「はい〜」
ナムギュ「んあぁ”っっっっと、ただいまぁ~」
軽く体を伸ばして、なんとなく静かな家に帰ってきた。
ナムギュ「風呂はいるかぁ」
今日はハッピーデー。午前はギョンスとスイーツをうんと味わい、このあとは、きっと楽しい楽しい合コンが待っている。とはいえ、他人笑。まぁ、せっかくの休日に長時間、この家に一人でこもるよりはマシだし。退屈することはなかなかないでしょう!
ナムギュ「ふはぁ〜、すっきり〜〜」
ほかほかに温まったからだ。少し長めの髪の毛から垂れる水粒を、タオルで受け止める。
バスローブに包んだ身でクローゼットへ向かう。
そういや、ギョンスの奴、服にうるさかったな…?写真送るんだっけ。
てか、何着よう。数ある服を前に思い悩む。数秒して、無駄だと開き直る。
ナムギュ「んふ〜♪」
無意識に小さな鼻歌がでる。
次々と、今自分が気分な服をクローゼットから手に取っていく。
トップスに、コート、ズボン…どれも自分の当たり前に好み。
そして、どれも新品で。あ、これいいな。サノスが買ってくれたアクセサリーと靴。
朝のことを思い出して少しイラッとする。それでも、身につける気分だった。
ひと通り、きれいに装った。
全身鏡でスタイルを見る。
あー、すごいイケてる。合コンがどんどん楽しみになってきた。
ナムギュ「えへ、これモテちゃうなぁっ〜〜」
メンバーs「お疲れさん〜」
「お疲れさまぁ」
サノス「ガチで疲れたって〜笑」
メンバーs「今更文句言っても仕方ねーよ笑」
サノス「そっかぁ…」
仕事がたくさんできて嬉しいけど、ここ最近、ナムギュと会えてねーんだよなぁ。
もちろん、遊べてないし!!
ナムギュにいつも申し訳ないな。あいつ、寂しかったりして〜。
…それはないか笑。一人でも平気なタイプだろ。
メンバーs「…なぁ、お前何にやけてんの笑」
静になる楽屋。
サノス「…え?俺??」
仕事仲間でもあり、友達でもある人たち全員が俺の方をみていた。
メンバーs「この状況で他に誰がいんねん。」
「そーだよ、サノス笑」
サノス「は、なんでもないよ笑」
仲間たちは、それぞれ顔を合わせては、ニヤついている。
…そんなにわかりやすいのか、俺。
メンバーs「詳しく話を聞かせてもらいますわね〜♡」
「よし、飲み会だぁぁ!!!」
サノス「what!?」
身体的には疲れているが、精神的には元気いっぱいである自分がいた。
正直、ナムギュのことを話すのはなんだか照れくさい。だが、このあとは全然暇だし、ナムギュはせっかくの休日をゆっくり休みたいだろうから、休ませてあげたい。今日あと数時間のうちでも彼に会えるなら、壮大に嬉しいが良心が勝つ。
…飲みに行くかぁ。
サノス「大歓迎だぜ〜〜!」
メンバーs 「んふふ〜、そうこなくちゃねぇ!」
ナムギュ「んーと?」
いい感じのお店。ここが合コン会場かな?まじで楽しみだな。
今日の俺、むだに自信がすごいし笑。
お店の窓ガラスに映る自分の姿を見て思う。
…サノスにこの姿、みせたかったなぁ。
ナムギュ「はぁ…」
俺は、合コンする人たちとのトークルームを開く。
みんなの写真をもとに、お店の辺りをキョロキョロする。
?「あのぉ〜」
明らかに陽キャ側の女の声がして、声がする方向に顔を向けた。
ナムギュ「はい?」
?「あ、この人だよ〜!」
声をかけた人の近くには清楚系の女の人。
声をかけてくれた人は、なんていうか…ギャルい…のかな?
どう言えばわからないが、インフルエンサーみたいな雰囲気がする。
?「まじやん、全然会ったことねー」
お、なんでもノリに任せるタイプ。
?「「こんばんわぁっ」」
ハモりながら挨拶した男女。
その、ハモリ具合にうれしい偶然だとばかりに、顔を合わせて微笑む二人。
これは明らかに、付き合っている人たち笑
?「…ナムギュさんですよね?はじめまして~!」
お、合コンには絶対いかなさそうな清楚系の男。がちで偏見だけど、愛が重たそう。
俺を合わせて、男が四人、女の人が四人。人柄はそれぞれ違う。しかも、カップルは一組すでに成立している。おもしろくなりそうだ。
ナムギュ「はじめまして〜。ナムギュであっています。」
?「今日はよろしくね。」
はじめましての人とは、いつも通りに客と接するように接する。
もう慣れきっているから、こういう場ではそんなに緊張しない。
俺達は軽く会話を交わし、お店の中へ入った。
男一列、女の人一列で互いに向かい合う形で、椅子に座っていく。
お店の中はオープンで、適度なくらいに広い空間であった。
みんな席につくと、はじめにそれぞれが食べるものを注文していく。
俺は、サラダとコーラを頼んだ。
注文が終わってみんなの気が落ち着いたところ、一人の男が話を切り出した。
?「みんな一人ずつ自己紹介しようぜ〜!」
ミナ「私はミナ。よろしく〜。」
ミナは男が喋り終わった後にすぐにさらっと自己紹介した。
それからみんなは順に、俺を最後として、自己紹介をしていった。
そして、俺の番。
ナムギュ「さっき言った通り、俺はナムギュ。好きな食べ物はスイーツかな。」
みんな「いいね〜」
雰囲気が和んでて、結構話しやすい。
それからというものの、それぞれで好きに話している。
俺は、話すのも好きだが、初対面の人たちに対しては、あまり自分のことは話さない。人の話を聞いては、その話を深さぐり。全然、話を聞くのも楽しい。
この席ではお酒を飲む人が全員か…。いつも俺は、みんなの酒を飲むスペース、酔い具合を見てから後に、お酒を頼むようにしている。こういう場にしっかりできる人がいないと、なかなか大変なのだ。
えーと、お酒を飲んで酔いが回らない人は、このなかで…カップルかぁ。
あ、あと目の前にいるギャルかな。
なかなか頼もしいなと思いながらも、さっそくお酒を頼んだ。
ナムギュ「んね〜、ミナさんてさ、結構デコるの好きなの?」
酔いが少しずつ回ってきた気がする。だいぶ自分から話しやすくなった。
俺が話しかけた相手は目の前のギャルさん。
ミナがいじっているスマホのケースは、ドロップシールできらきらにデコられていて、可愛いものだった。
ミナ「ん〜、そうだね〜。かわいいでしょ、これ。」
相変わらず、明らかに自分には興味のなさそうな声色だ。でも、デコは本当に好きらしく、スマホをいじっていた指はとまり、スマホのデコをよく見せてくれた。
俺自身も、デコとかおしゃれとか、すごく好きだから、テンションが上がった。
ナムギュ「めっちゃセンスいいね〜」
ミナ「でしょー?笑」
俺は、自分のスマホやミニポーチなど、自分がデコってきたものを次々と取り出して、ミナにどんどん自慢した。
ミナ「え〜、ナムギュさんもイケイケじゃないですかぁ〜!」
ミナは、目を輝かせて尊敬の意を表してくれた。俺は嬉しくなって、自慢げにデコ素材とかこだわりとか色々話した。
ミナは、話をよく聞いてくれた。いい友達になりそうだ。
ミナ「いいね〜✨️…あ、このミニアルバム何〜?」
ミナは、俺がまだ紹介していなかったミニアルバムを手にとって中をパラパラと見ていた。なんのアルバムだっけな?
ミナ「ねぇ、この人だれ〜?なんだか、すごく仲良しじゃん。」
あ、思い出した。サノスとの写真のアルバムだ。
ナムギュ「友達だよ〜。かっこいいでしょ〜?」
ミナ「そうみたいね。わたしのタイプじゃないけど、かっこいいわねぇ。」
そんな彼女の褒め言葉に、俺までなんだかくすぐったくなった。
ナムギュ「んふ。えへへ〜、そうでしょう〜〜!」
ミナ「なんで貴方が嬉しそうなのよ〜笑」
ナムギュ「ひみつ〜!笑」
隣の男「かわいいね〜」
お?爽やか系の男だ。かわいい…だいたいこんな男はなかなか言わないセリフだ。
貴重だなぁ。
ナムギュ「照れるわ〜」
友達「んー、ここにしね?いい感じじゃん!」
「賛成〜〜」
なかなかいい感じのお店だ。外からも中の盛り上がり具合が良く伝わる。
サノス「いいねぇ〜」
俺達は、中に入り、席につく。久しぶりの飲み会の始まりだ。
みんな、相当腹が空いていたのか、いろんな食べ物をどんどん注文していった。
俺も、腹満たしのために色々頼み、酒ももちろん注文した。
数分後、鮮やかで美味しそうな食べ物がきれいにテーブルに並んでいく。
メインディッシュに、サイド、おつまみに、スイーツデザート….これ、ナムギュが好きそうだなぁ。
友達「また、にやにやしちゃってる〜」
「お腹空いてたのか?」
「違うよ、恋でしょ?」
「そうだよ〜」
俺はハッとして、またニヤけてたのかと、最近はこんな感じでニヤけている自分がいるかと思うと恥ずかしくなった。
サノス「なんだよ〜笑、わかってるじゃん〜笑」
友達「詳しく聞かせてもらおうか!」
そうして、俺の惚気はどんどん口から溢れ出してきた。
みんなは食べながら楽しそうに聞いてくれたり、質問をしてくれたりと、大盛りあがりの飲み会になっていた。
友達「…そんで?そのコと、最近どっか出掛けたのか?」
サノス「…。」
俺は、最近ナムギュと会えていないこと、一緒に過ごせていないことを思い出し、その寂しさに、何も言えなくなってしまった。
友達「あー…、最近忙しかったもんね。仕方ないよ。」
「来週は会えるといいね。」
この場の空気が重くなったのに気が付き、俺は開き直った。
サノス「ほんと、そうだよなぁっ!いい友達がいて、俺幸せものだぜ〜!」
友達「いや、すてきな恋人がいる時点でハッピーじゃん!笑」
友達みんな、口々にそういった。俺は、改めて、こんなにいい友達に囲まれて嬉しくなった。そして、みんなの意見に深く共感した。
あ “〜〜〜、ナムギュに会いてぇ〜〜!!!
サノス「…なんか、会いたいな。」
小さく呟いた。
無性に会いたいという欲。
そんな欲がさらに深くなった気がした。
友達「んふふ〜、会えるといいねー?」
友達に聞かれていたのか、眩しい笑顔でそう言ってきた。
サノス「本当そうだよ。」
そんな風に、飲み会は大盛りあがりだ。
そんなところ、向こうのテーブルで何やら盛り上がっている声がした。
…どっかで聞いたことがある声だ。声がするその遠いテーブルにいる人を見ようと、頑張って目を細める。えーと、あそこにいるのは、女・女・女・女・男・男…厚かましい男に….
ナムギュ 「えーへっ、えへへ〜」
そうそう…ナムギュだね。
サノス「え?」
友達「え?」
あれ、何度目を擦っても、あのテーブルにナムギュがいる。あれ絶対、ナムギュだ。
サノス「えええええ?」
友達「うるさいわ!笑笑」
「どしたん…。」
サノス「…。」
ナムギュが楽しそうにしてるな…。かわいい。
ちょうどあいつの手の中にスマホがあるし、連絡してみるかぁ♪
友達(にやにやしてる…。わかりやすすぎて森育むわ(?))
俺はナムギュを見ながら、スマホを手に取り、トークルームを開いた。
サノス <my lover ナムギュ〜、今日もかわいいねぇ>
そう彼に送った。気づいてくれるかなとドキドキ。反応が楽しみだ。
ナムギュの様子を見ていると、スマホの通知音がなってくれたのか、手元のスマホをいじり始めた。どうなるかなぁ。そうわくわくし始めた瞬間、ナムギュの隣りにいる男がスマホに一瞬目を通し、ナムギュのメールのやり取りの相手…つまり俺を一瞬で探し出して、俺と目を合わせながら、俺のナムギュのほっぺに軽くキスした。
ナムギュは恥ずかしそうにへらへらしてる。は、ふざけんな?
友達(お?なんかいつもと雰囲気がちがう…??)
俺は席を立ってナムギュのもとへ行こうとした。向かおうとしたその時、腕を掴まれた。
友達「ちょ、どこいくの?」
「どうしたんだ?」
ナムギュの個人情報はこいつらには言っていない。行ったら、恋人がナムギュだって気づかれちまうかも。そしたらナムギュは…俺を嫌うだろう。
でも、それより俺の頭はナムギュでいっぱいだ。ナムギュは俺のだ。
サノス「今日はこの辺でおいとまさせてもらうわ〜、ダチのとこに行ってくるわ!!」
友達「おー、おう」
「また明日な!」
サノス「今日はあんがと!今度は俺が奢るわ!!」
俺はできるだけ明るい声で行って、なんとか勢いで乗り切った。
乗り切った安心感より先に、俺の体はナムギュのもとへ駆けていった。
サノス<my lover ナムギュ〜、今日もかわいいねぇ>
なんだ?サノスがここにいるってことか?
隣の男「…チュ」
ナムギュ「あ!?」
ほっぺにキスされた???
隣の男「んふ〜、ちゅーしちゃったぁ!」
ミナ「あ、酔い過ぎだね」
うそ。はずかしい!
サノスが連絡してくれたことが嬉しい気持ちが反面、隣の男がほっぺチューしてきたことに恥ずかしくて耐えられなくて混乱する。体温が上昇する。
ミナ「まっかじゃん…大丈夫そう?風あたってくる?」
ミナはガチで心配している声のトーンで話しかけてくる。心配されるぐらい真っ赤だなんて…今はもう羞恥心でしにそう。
隣の男「かぁいいい〜」
ナムギュ「だまれっ///!」
男は懲りずに距離が近くなる。…あ、これ…また…。
…いやだっ。
俺は身が固まった。
ナムギュ「…?」
男がかなり近くに来ていたはずなのに、それ以上は近づかない。
俺は下を向いていたから、状況が把握できなかった。
隣の男「んんん~離してっ〜〜〜!」
そう男が言っていたのに不思議に思い、顔をふいっと上げた。
?「チュ♡」
ナムギュ「んむっ….は?///」
数秒、何が起きているのかわからなかった。ハッとして目前に向き合う。
俺の隣にサノスが立っている。そんで、サノスが腕を伸ばしていた先には隣の男がいた。サノスは男のおでこを抑えている。
サノス「ナムス、俺のもんだよ!」
隣の男「知ってる!ごめん!」
男はそう言ってそっぽ向いた。
ナムギュ「…ふっクククッ…ふはは笑」
あまりにも、状況が状況で面白可笑しかった。サノスに会えてすごい嬉しいし、あと嫉妬してくれてることにも驚きと喜びが湧いてくる。それにしても男があっさりとしていて面白い笑笑。…酔っていただけみたいで、なんだか安心した。
サノス「何笑ってんだよ笑。」
ナムギュ「サノスもだよ笑」
ミナ「彼氏かな?いいじゃん〜」
他の人「えええ!」
サノスはみんなの反応になんだか困っている。俺に目を配ったあと、俺の耳元で、
サノス「ごめんな?」
あーなるほど。俺に気を使っている。確かに、サノスに迷惑をかけたくなかったから、交際の公表はやめてといったんだ。
でも、みんなにこの人は俺のだって自慢したり、人目を気にせずにおもいっきり愛すのも悪くないと、今回のサノスの行動で思った。
ナムギュ「えへ、そーでしょ?いつもかっこよくて困っちゃう!笑」
俺は席を立ってサノスの腕を抱きしめながら言った。もう恥ずかしいのはあと。
ミナ「愛されてんね〜」
周りの人「まじか!」
「… 」
「すてき〜」
みんな、楽しそうにしてる。サノスは大丈夫かな…。
黙っているなと思い、サノスの顔を覗き込む。
まだ、見たことのない顔をしていた。なんか、かわいい。
サノスは覗き込んでニヤニヤしている俺に気づいたのか、目をじっと合わせる。
周りがざわざわしている中、みんなの声なんて俺達には届いていなかったのだろう。
数秒が数分に感じた。心がホッとする。
サノス「んじゃ、俺等は失礼しますね?」
ぼーっと立っていたら、サノスに手をしっかり繋がれた。
ミナ「またね〜」
ナムギュ「は、え。あ、またね〜!」
俺はそう言って、手を繋ぎ直して、サノスとお店へ出た。
お店を出てしばらくは、繋いだ手をほどかずに夜の風に当たりながらゆっくりと歩いていく。
ナムギュ「あのさ、」
サノス「なにー?」
ナムギュ「会えて嬉しいです。」
サノス「…俺もだよ。」
サノス「ナムギュ」
ナムギュ「ん?」
サノス「その服、似合いすぎ。俺が上げたもの使うなんて大正解だよ。またデートするときに着てほしい。」
ナムギュ「ふ…あんがと。そうだね~、きてこっかな。」
サノス「ナムギュ」
ナムギュ「今度はなに〜?」
真夜中の12時。ナムギュのアラームが鳴り響く。
サノス「ちゅっ」
サノスは、ナムギュと手を繋いだまま、彼を抱き寄せて、口づけ。
抱き寄せた側のサノスの手には、小さなバラ12本のドライフラワーブーケが。
口づけしたあと、ナムギュの顔の前にブーケをさっと出して柔らかい笑顔で言う。
サノス「12時になったよ。」
ナムギュ「…知ってる///」
ナムギュは自分のスマホのロック画面をみせながら、嬉しそうにしている。
そして、ふたりだけが知っているこの幸せが、
ふたりの繋いだ手の中であたためられていく。
ふたり「これからも、よろしくね」
end.
一言あとがき:ながいけど、とうといでしょ?(ごめんよ~)