🦊 episode .
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時刻は 午前四時を回り 、 夜の冷たい匂いが
漂う 。
少しだけ 赤くなった 雲を 、 ぼんやりと眺めていた 。
ブルーライトに 浸る 僕は 、 はぁ と 小さくため息をついたあと 、 仰向けになって 寝転がる 。
「 少しだけ寝ようかな 、 」 と 思いつつも
現実が怖くて 眠れない僕がいた 。
朝 7時半 、 今日も 学校が あるのに関わらず 、 僕は 起きる気配を 見せない 。
これは 僕にとって当たり前のことで 、
特に 体調が悪いわけでもなく 、 熱がある訳でもない 。
少しだけ 吐き気がするから 、 を理由に
学校に 行かず ネットに沈む 。
親に 休む と言いに行く 気力もないので 、
メッセージで 「 休む 」 とだけ送り 、
スマホを 枕横に 置いた 。
30秒程あとに 鳴った 通知音で 目を開ける 。
そこには 「 わかった 自分で学校に連絡してね 」 の文字が 。
既読だけをつけ 、 スマホの電源を落とし
腕を 目の上に置いた 。
あー 、 なんて 声を漏らしながら 、
ぼーっと 暗闇を眺める 。
またなった通知音に 、 僕は 渋々 スマホを取る 。
「 学校が辛いのは みんな一緒 。ほとけだけじゃないのよ 。 」
「 自分だけ 特別だと思っちゃだめよ 。 」
そんな 文面が 、 ぎゅううう っと 胸を裂く 。
僕は 特別でありたかった 。
いや 、 特別になって みたかっただけだ 。
いいこだね 、 ゆっくり休んで 、愛してるよ
なんて言葉を 、 僕に並べて欲しかっただけだ 。
そして 僕は今日も 、 夢の中へと 逃げてしまうのだ 。
コメント
3件
短篇だからぎゅっと纏まってるのに、奥深くに内容が詰まってて流石だなって思います…👉🏻👈🏻