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『…よしっ、できた』
私は稲荷崎高校の男子バレー部のマネージャーをしている。今日は少し早めに体育館に来たから先に色々と準備をしておいた。
ガララッ。体育館の扉が開く音に振り向くと主将である北さんが立っていた。
『あっ、北さん!お疲れ様です』
「お疲れさん○○、これ1人で準備したん?」
どことなく驚いたような様子の北さんが聞いてくる。
『はい!今日は早めに来れたので先に準備しとこうかなって』
「そうか、ありがとな。でも大変やったやろ?今度からはちゃんと頼ってや」
やわらかく微笑む北さんに少しドキッとする。
「…あぁ、そや。ちょっとこっち来ぃ」
『?、はい』言われた通りに北さんに近付くとぽんぽん、と頭を軽く撫でられる。
『……え?』唐突のことで頭の中が?でいっぱいになって反応できないでいるとぱっと手が離れた。
「あ、すまんな。嫌やったか?」
『いえ、全然!』ぶんぶんと首を横に振ると北さんはふっと笑った。
「そうか…なぁ、もう少し撫でてもええか?」
『へ?…っ、は、はい…っ!』
「…ふ、かわええな」そう優しい声で呟くのが聞こえた。その言葉にドキドキして顔や耳が熱くなるのを感じた。
頭を撫でる大きくて優しい北さんの手が不意に髪を耳に掛ける。
「…耳まで真っ赤やな」楽しむように目を細めた北さん。
『……北さんのせいですっ』なんだか凄く恥ずかしくて拗ねたように言ってみる。
「はは、すまんな」そう言いながらも頭を撫でる手は止めないのだからずるい。
『…もうちょっと撫でてくれたら許します』
「……かわええこと言うなあ」
……なんていう、私たちの一連の流れを見てた部員にいじられるのはまた別のお話。
「…なんや、あの2人付き合うとるん?」
「知らんわ、でもなんかええ感じに見えるな」
「…ていうか、入りにくいんだけど…」
「いつまで続くやろな笑」