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宿儺の圧倒的な力を前に、伏黒恵は深く息を吐いた。目の前で暴れまわる『紫』がどれほどの威力を持つか、身をもって感じ取っている。だが、それでも彼は引くことはなかった。
「……やるしかない。」
伏黒の瞳が鋭く光り、呪力が全身に満ち溢れる。彼の心の中で、秘技を使うべき時が来たことを自覚していた.
「来い、八握剣異戒神将魔虚羅!」
彼の言葉とともに、空間が歪み、暗闇の中から巨大な存在が現れた。
八握剣異戒神将魔虚羅――伏黒が修練してきた、呪霊をも凌駕する強力な神将。伝説の神々に仕える武人の姿を模したその力は威厳を放つ。
魔虚羅の姿は、身に纏った鎧と、背中に輝く神々しい剣を持ち、周囲に圧倒的な呪力を放出している。巨体にも関わらず、その動きは驚くほど俊敏で、見る者を圧倒する威圧感を放っていた。
「宿儺、お前の力もいいが、俺の覚悟も相当だ。」
伏黒はそう言い放つと、魔虚羅がその巨大な剣を振りかざし、宿儺に立ち向かう構えをとった。
宿儺は一瞬、伏黒の召喚した存在に目を向け、冷然とした視線を向ける。
「面白い。そんなものを使ったところで、所詮はお前一人の力だ。」
彼の声には確信がこもっていた。宿儺はその強大な呪力と技術で、伏黒の力がどれほどのものか、すでに理解している。しかし、その目には少しの興味も見せず、冷徹に視線を外す。
「だが、それが面白い。お前の力が、私にどこまで通じるか見せてもらおう。」
宿儺は無感情に呟くと、すぐに呪力を一気に解放する。
魔虚羅はその剣を振りかざし、一気に宿儺へと切り込む。金属の音が響き、鋭い刃先が宿儺に向かって迫るが、宿儺はただ微動だにせず、無下限呪術を使ってその攻撃をかわす。
「無駄だ。」
宿儺は呪力を操作し、空間を歪める。魔虚羅の巨大な剣は、宿儺の無限の呪力によって一時的に空間に引き寄せられ、全く効かないかのように弾かれる。
だが伏黒は、焦ることなく次の手を繰り出す。
「今だ!」
魔虚羅はその力で瞬時に態勢を変え、剣を再び振り下ろす。今度は、宿儺の呪術を一時的に封じるために、呪具として使用していた「邪魔者」を放出させた。その呪具の力が、宿儺の動きを一瞬遅らせる。
「クソ……!」
宿儺の目が鋭くなり、彼はその隙を見逃さず、反撃に出ようとするが、伏黒の方が一歩早かった。
伏黒は瞬時に魔虚羅と連携し、宿儺を包囲するように配置する。
「お前の力は強大だ。でもm諦めない。――今、全力で行く!」
伏黒の心の中で、呪力が限界を超えようとする中、魔虚羅が一度空を見上げ、そしてその剣を完全に降ろす瞬間、地面を割るような衝撃が走る。
宿儺はそれに耐えきれず、後退せざるを得なくなる。伏黒はその隙に、彼に一歩近づき、呪具を投げ込んだ。
その呪具の力が宿儺を一瞬動けなくさせる。
伏黒の心が熱くなる――決して諦めない。この戦いで負けるわけにはいかない、宿儺を倒すためには。
宿儺は冷たく嗤った。
「面白い。だが、限界だ。」
宿儺はその場で姿勢を整えると、すぐに全力を解放し、再び伏黒と魔虚羅に向かって圧倒的な呪力を放つ。
だが、伏黒はまだ諦めなかった。最後の一手を打つために、再び魔虚羅を使い、宿儺に対する最強の攻撃を仕掛ける。その攻撃が宿儺に届くのか、それとも宿儺が反撃するのか――その先に待つ結末はまだ分からない。