ー過去ー
私を惚れさせた時、言ったよね。
「お前さ。夜って知ってるか?」
路地裏で一人でいる時彼が声をかけてくれた。
「お前、名前は?」
名前を聞かれたのは久しぶりだったと思う。
「咲月です。夜桜咲月、、、、、」
「いい名前だね。」
初めて名前を褒められたことに、少し心が温まったような気がした。
美しい月に照らされている彼は名を名乗る事を忘れていたようだった。
「名前、、、、、なんていうんですか?」
私は興味半分に名前を聞いた。
「ああ、失礼だったね。僕の名前は、連というよ。よろしく。」
彼の名前を聞いた時、正直驚いた。美しいなと、心から思った。
「ああ、忘れていた。君って今、お金何円ぐらいあるの?」
その時私は、優しい人ではないのかなと、とっさに頭によぎってしまった。
「盗むほどのお金はありません。」
私は言った。
「そんなことをしようとなんて考えてないよ!?」
連さんは言った。
「じゃあ、遊びに行こっか。」
「え?」
私はびっくりした。
「遊ぶようなお金はありません!」
私は断るように言った。彼はとてもおかしそうに笑って言いました。
「いいから、(笑)」
そう言って私の手を引く彼に、私はとても微笑ましい気持ちになった。
その時、私は気付いた。とても私は、彼に満たされていた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!