コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ごめん
ごめん…
ごめん……
僕が生まれた頃に彼も生まれた。この世に生を授かり、自分の家で育った。…言うまでもないか。
そんな僕らはホグワーツで出会った。そう、ホグワーツで。嫌味ったらしい君が僕に手を差し伸べて交友を試みたけれど僕はそれを断った。あの時の顔は今でも忘れない。その時から既に君に惹かれて居ることを認めたく無いからね。君のその顔を嗤って誤魔化すって決めてたんだ。
……だけど、そう上手くは行かないらしい。僕の中の昏い恋心がどんどんと渦巻いて、僕の体を蝕んでいく。君がどれだけ僕に嫌味を吐いても僕は君に夢中で、その唇に貪り着いてやりたくて、その白い頬を欲情に溢れさせてやりたかった。
「けほっ、」
軽い咳が静かな廊下に響いた。目の前には血に塗れた君。そして綺麗なプラチナブロンドの髪を雑に掴む僕の手。
(殴ったんだな。)
咄嗟にそう理解出来た。感情のままになりやすい自分を自嘲する。自責の念に苛まれてはゆっくりと手を離した。涙を流し鼻を啜る目の前の君を見下ろす。
「ッ…、ポッター……」
次に何かやられるのかと身構える君の目を手のひらで覆った。
「ポッター…?」
…違う、こんなことをしたいんじゃないのに。
「ポッター、!おい、!!」
こんなことは……したくないのに。
「聞いてるのか!」
……ごめん、マルフォイ。
不安気に身体を震わせるマルフォイの口を奪う。優しく、啄むように。直ぐに離れてはマルフォイの目を覆っていた手を外し、彼の頭に杖を当てた。
「ポッター……?」
「ごめん、マルフォイ。」
明日からはちゃんと、君の”ライバル”になるからね。
「 忘れよ。 」
事の発端は自分だった。僕が彼にちょっかいを掛けたのが始まり。癇癪持ちの彼を怒らすのは容易くて、怒っていても僕に視線が向くのが嬉しかった。
僕は彼に恋をしていた。
「けほっ、」
静かな廊下に軽い咳が響いた。彼に組み敷かれてそのまま殴られたのだ。我に返ったのか動きが止まり透き通った翡翠が僕を見下ろす。そして乱暴に掴んだ僕の髪を離した。
「ッ…、ポッター……」
また殴られると思い身構えては精一杯彼を睨みつけた。するとあろう事か彼は僕の目を覆い、視界を奪ったのだ。困惑が胸に広がっては口を開く。
「ポッター…?」
呼び掛けても返事はない。少し怖くなっては声を張り上げる。
「ポッター、!おい、!!」
それでも返事はなかった。感じられたのは彼が近付く気配のみであまりにも少ない情報に身を震えさせた。
「聞いてるのか!」
大きい声で彼に呼び掛けるも反応がないままただただ近付く気配に身を固めた。すると口に柔らかいものが当たる……口付けをされたんだと瞬時に理解した。
僕と同じ気持ちだったんだ。
そんな喜びも束の間、視界が解放されては頭にひんやりとした感覚が伝わった。
……杖だ。
「ポッター……?」
違う、ポッター、違うんだ。僕も君と同じ気持ちだ。そんな言葉を言えるはずもなくはくはくと口を開閉させるとポッターは悲しげな表情で小さく呟いた。
「ごめん、マルフォイ。」
待って、本当に、待ってくれ…!5文字の言葉が喉に突っかかって出てこない自分に嫌気がさす。
『僕は君のことを……!!』
『あいしてる』
「 忘れよ。 」
︎ ︎︎︎︎︎