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「はぁ…」
何度ため息をついても、何か変わることは無い。むしろ、現実にそれを突き詰められた気がして虚しくなる。
それでも、判っていても、溜息を吐いてしまう。
恋の一方通行。
そんなに辛いことは無いだろう。
彼と並ぶ誰かは…笑っているのかな。
恋バナなんて、しなきゃよかった…
修学旅行、夜中に何人かで恋バナをすることになった。あの時に断っておけば良かったのかもしれない。
「〇〇」
「△△」
と並んでいく中、俺は
「じぇる」
と言った。
「え、…ゲイ?」
とか気持ちがられると思ったけど、
「⬛︎⬛︎」
じぇるが言った途端空気が凍りついた。
まだ、失恋?おつー、的なことを言われなかっただけ優しかったんだろうけど、
その後は俺を労る言葉ばかりで、
その言葉が失恋したというのを表している気がして、辛い。悲しかった。
それからはじぇるとも何もなかったように過ごして、好きが、日が重なっていくたびに
胸が痛くなる。
それから数日後、⬛︎⬛︎とじぇるが話しているのが見えた。
「好きって言ってたやん?」
あ、…告白してたんだ。
あんなにかっこよかったら、⬛︎⬛︎も、OKしてるんだろうな。
逃げるようにその場を去った。
橙
「じぇる」
と言われた。
俺の大好きな相手にそう言われて、いつも相談に乗ってもらっていた⬛︎⬛︎の名前を出してしまう。
もし、ちゃんと「さとみ」って言えてたら…
ちゃんと付き合えていたのかな。
後悔しても遅いのに。
空気が凍りついて、みんなさとみを労る。
そうだよな。好きだっていうのに、勇気はいる筈なのに、勇気を出して言ってくれた。
それの返事がこれって…。
自分が嫌になる。自己嫌悪に陥っても、悪いのは俺だから。
そう、悪者は俺なんだ。
それを繰り返して、…。
結局⬛︎⬛︎に相談することにした。
「なぁ、さとみ好きって言ってたやん?」
「うん、そうだね」
事情を話す。
「何やってるのよ。ちゃんと、2人でもう一度話してきなさい。ちゃんと自分から言うのよ」
「さとみっ!」
「…じぇる、今更何。告白したんでしょ?付き合ったの?」
「え?」
「どういうことや?今さとみに告白しようと思ってたんやけど」
「嘘つかないでよ…。俺、告白してたところみたから。」
「違うって…あの、俺好きな人さとみやから。
あの時、さとみについて相談乗ってくれてた名前出しちゃって」
「どういうこと?」
「修学旅行で、大好きな人から好きって言われて、びっくりしちゃったんよ。で、いつも相談してる勢いで、どうしよって言おうと思ったんよ」
「おらんかったけど。…悲しませてごめん。
もう俺なんか好きやないよな。
やけど,俺は好きやから…。」
「ほんまに、ヘタレでごめんな」
「ばか、…っ!!俺、悲しかった」
「…うん」
「俺、俺…振られたんかなって…」
「寂しかった、悲しかった…」
「うん、ごめん」
「それなのに、嫌いになりたい筈なのに、
どんどん好きが増していって…」
「え、?」
「今もずっと…好きだよ、ばかっ…本当にばかっ!俺、ずっと待ってたのに」
「…ごめんな、」
「改めて、もう泣かせへんから。こんな俺でよければ、付き合ってください」
「うん、…次泣かせたら、許さないから」
「うん、泣かせない、幸せにするから」
「よろしくお願いします…?」
心地よい春風は、ピンク色の髪をさらさらと泳がせ、桃色の青春と共に、2人で笑い合った。