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10月13日、夜が深まる王城の一室。アレクシス・ヴァンガードのもとに集う影たちは、今まさに王国の命運を決めるべく動き始めていた。
「すべてが整った。」アレクシスは冷徹に報告を受け、ひとしきり頷いた。「今後の動きは計画通りに進め。」
目の前には、アレクシスの忠実なる部下たち──《黒影》の幹部たちが集まっている。その中で、リーダーであるグレイヴが再び口を開く。
「第一段階──龍神派の粛清。残り5人は近日中に始末します。」
「異端審問官たちの対策は?」アレクシスは目を細めた。
「まだ、動きなし。ですが、教会の内部に入り込んでいる者もおり、慎重に進める必要があります。」
「手遅れになる前に、粛清を。」アレクシスは言い放つ。「教会内で“啓示”を口実にして、何人かの指導者を始末させろ。」
「了解。」
次に進む。
「第二段階──軍部の掌握状況は?」
「順調に進行しています。」王国軍の将校が報告を続ける。「9割の指揮官が味方になり、残り1割の融通の利かない連中もほぼ抑え込めました。」
「問題は?」
「少しだけ抵抗が残るが、10月15日までに全軍を完全に統制します。」
「よろしい。できれば、15日にはすべての駒を配置しろ。」
アレクシスは頷き、次に進んだ。
「新王の即位は順調か?」
「予定通り、旧王族の排除も順調に進んでおり、10月25日には完全に処理可能です。」
「10月31日には、すべてが整う。」アレクシスは満足げに頷く。「王国の新たな未来が始まる。」
だが、その先に待ち受けるものは──
血か、栄光か。
すべては、アレクシス自身の手の中にあった。