前回の続き
注意事項も同じです
センシティブは次回あります
本署前で、忙しなく動く署員達を見ながら腹ごしらえをする。
…昨日トントン拍子でアオセンと付き合ったが、恋人ってなにすりゃいいんだ…?特に考えてなかったな。…まあでも、アオセンそういうこと気にしなさそうだしな…どうでもいいか。どうせ枯れてんだろアイツ。ハンバーガーうめえな。
なんてことを考えてたら急に目を手で覆われた。
「だ〜れだ?」
「…アオセンだろ、特徴的な声してっからバレバレだぜ。」
「やっぱバレるかぁ。じゃあさじゃあさ、コレハ?コレハドウ?」
「ングッ…wやめてくれアオセン、俺は今飯食ってんだ。出ちまうぞ?ペースト状のハンバーガー。」
裏声は反則だ。しかも結構裏声出すのキツそうだし。
「んははははwwごめんごめん」
「…ふぅ、ご馳走様でした。んで?なんの用だ?」
「…あ〜、えっと、なんだっけ。…ちょっと待ってね。」
「歳だぜアオセン。」
「はいカッチーン、もう許しませーん…って言うとこだけど今日だけは許すよ。」
「…そうかよ。なーんか恩着せがましいなァ。」
「まあまあ。んでつぼ浦、用ってのがね、俺ら恋人になったじゃん?」
「…そうだな。」
ストレートに言葉にされると少し恥ずかしい。
「…男同士の恋人ってなにすんのかなって。」
昨日恋を自覚したばかりの俺にそんなこと聞かれてもなんも出ねえよ
「…俺に聞くのはやめたほうがいいぜ、アオセン。」
「だよねぇ〜。…うーん、今日俺の家来る?」
「いいけど何するんだ?」
「え〜…2人でお酒飲みながら、これからの…会議?」
「分かったぜ、退勤する時電話してくれ。」
「りょーかい。」
なんか全部勢いで決まっていくけどこれもしかしたら割と…やばい状況じゃないか?
恋人の家にこんな早く行けていいのか…?いや、意識したらダメだ。限界になったらロケランぶっ放しちまおう。それに酒の力もある。緊張はなくなっていくはずだ、今は仕事しよう。
チラチラとスマホを気にしながら犯罪の対応をする。今までこんなアオセンからの連絡気にしたことなかったな…恋ってのはやべえもんだな…とかなんだ考えてたら、アオセンから電話がきた。
「もしもし〜?」
「もしもしこちら特殊刑事課つぼ浦匠〜。退勤するのか?」
「今からするよ〜。あと俺家なかったからこれから買いに行こ。」
「家なかったのに家来るかって言ったのかアオセン。」
「綺麗でそれなりに広ければいいならこっちで探しとくよ〜。」
「…いや、俺も一緒に行くぜ。恋人…だしな。」
「うわっお前そんなこと言えたんだ…!感動したわ。」
やっぱこいつ殺した方がいいな。
2人でササっと条件に合う物件と中の部屋を決めて買う。全てアオセン持ちだ。「俺の奢りね〜」と言って払われてしまった。やはり全て勢いでトントン拍子にコトが進んでしまう。…本当に恋人ってこれでいいのか…とは思うが、恋愛素人の俺らには仕様もないことだ。
「できた〜。俺らの家〜。はいこれ俺のベッド〜。」
アオセンが簡単にハウジングを終わらせた。シンプルな内装だ。
「アオセンちゃんとハウジングできたんですね。」
「まあ今のところ本署が本拠点だけど、ちゃんとつぼ浦と恋人らしいことしたいじゃん?」
…コイツはなにも考えてないと思ったが割とちゃんとしてるらしい。心無き…でもないんだな。
「なにぃその目?ちょっと失礼なこと考えてるでしょ。」
「いやなにも考えてないっすよ、心あったんすねアオセン。」
「ちゃんと口滑らすんだねお前はw」
「チクショウ、やらかしたぜ。…家なのにヘルメット外さないんすか。」
「ん?あ〜まあ飲む時からでいっかなってw。なに〜俺の顔見たい?」
「殴るぞアオセン」
「めんご」
「…よ〜し、かんぱ〜い!!」
「乾杯〜。」
飲む前から雰囲気に酔っているアオセンが元気よくビールを掲げる。
アオセンは本当に飲む直前までヘルメットを外さなかった。ヘルメットをつけたまま着替えているシュールな画に少し笑いそうになったので、次からは家に入った時にもう外してもらうことにしよう。…普通に良い顔だなコイツ。
俺はほろ酔い、アオセンは日本酒を飲む。
べろべろに酔うまで飲んでアオセンに醜態を晒したらたまったもんじゃない。アオセンは結構飲むつもりらしいから、アオセンがべろべろに酔ったとき介抱するためでもある。
「アオセン、そんなに飲んでもいいんすか?だいぶ酔ってそうだが」
「んぁ〜〜?俺ぁ大丈夫だよ、てかおまえほろ酔いでいいの〜?」
「俺はこれでいいんだアオセン、…酒臭い…から離れてくれ。」
「つめたい〜ん」
酒臭いのは本当だが、アオセンの顔が近くにあると緊張するから離れてもらうためでもある。それに、コイツは今酔ってるし元からの性格も相まって、調子に乗ったら大分うざいに決まってる。
…アオセンは完全に酔っていて、顔がほんのり赤いし、同じ話を繰り返している。愛おしい…というのか、ずっと見ていたくなるような変な感じだ。好きを再認識した気持ちになる。
3話は2月6日、今日中に出します。
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