コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
.
相手は、驚くべきことに、ゲラゲラと楽しそうに笑いながらそう言った。その明るい返事に、彼女は思わず目を丸くしてしまう。こんな風に、あっけらかんとした態度で対応できる人って、どうしてそんなに余裕を持っているのだろうか? どう考えても、私ならあんなふうに笑って許してくれる自信なんてなかったから、と相手の無邪気な反応には少し驚いてしまう。しかし、その笑い声に少し気が楽になった気がした。謝ってもなかなか反応が返ってこないこともある可能性がある中、こうしてすぐに許してくれることに、どこかホッとした自分に気づく。彼女は軽く肩の力を抜き、少しだけ安心したように微笑んだ。
「ほんと、ほんっとに すみませんでした..!ありがとうございます!」
と、再びお礼の言葉を述べながらも、相手がそんなに楽観的でいる理由が気になり、ふと頭の中に疑問が浮かぶ。あんなに明るく、気にしないなんて、どうしてだろう?と、自分がぶつかってしまったのに、あんなに軽やかに返してくれる人も珍しいと思いながら、彼女は不思議な気持ちを抱えつつも、徐々に緊張がほぐれていった。
『確か〜、君一年の音乃瀬〜..?ちゃんだよねっ?』
相手がそう言って、にっと笑った。その言葉に、彼女は思わず軽く驚き、目を見開いて相手を見つめた。私の名前を知っている..? と、驚きと疑問が交錯する。だって、私は部活にも所属していないし、特別目立つようなこともしていなかった。それに、音乃瀬という名前は一般的で、同じ学校内でも、顔を知られている程度の存在だと思っていた。
「えっと、奏の名前知ってるのっ?」
と、思わず声に出してしまう。どうして自分の名前を知っているのか、心の中でその答えを必死に探しながらも、口に出すことが余りできなかった。相手は、私の驚いた顔に気づくと、少しだけニヤリと笑って
『いや、普通に有名なんだが!、音乃瀬ちゃんって、かなーり元気系だよね!』
と言った。その言葉に、彼女はさらに驚き__より嬉しさが増す。
「そっそんな〜ァ!元気だなんて!!」
.