冷たい夜風が吹き抜ける工場跡。鉄の匂い、血の香り、焦げついた油の香が入り混じるその場所で、三人の男が向き合っていた。
「……何のつもりだ、雨宮。」
吉田の声は低く、怒りを殺したものだった。日哉も、いつもの余裕を一瞬だけ失っていた。
「兄弟喧嘩に水を差しに来たわけじゃない。」
雨宮はゆっくりと歩みを進める。その足取りは静かだが、確固たる意志が宿っている。
「ただ、このままだとお前ら両方死ぬ。それだけは避けたい。」
「はっ、俺が死ぬって?」 日哉は笑う。しかし、目は笑っていない。鋭い光を放ちながら、雨宮を睨みつける。
「日哉、お前も気づいてるだろ?」 雨宮は淡々と言葉を続ける。
「吉田も、そしてお前も、もう限界だ。どちらかが勝っても、ただの死に体だ。」
「黙れ、雨宮。」 日哉の声が低くなる。「……兄貴を殺すためにここに来たんだ。邪魔をするっていうなら……お前も斬るぞ。」
吉田はそんな弟の姿を見つめながら、静かに傘を構え直す。
「雨宮、言いたいことがあるなら早くしろ。こいつは簡単に人を殺す。」
雨宮は一瞬だけ微笑んだ。
「だからさ。」 雨宮は懐から一丁の銃を取り出し、それを日哉に向けた。「お前を止めるために、俺はここに来たんだ。」
日哉の目が細まる。
「……俺を撃つつもりか?」
「違う。」
その言葉に、空気が一瞬で張り詰める。
「お前らは強い。でも、強さが争いを生む。どちらかが生き残っても、憎しみは消えない。だったら——」
雨宮の指がトリガーにかかる。「俺が終わらせる。」
「ふざけるなよ!!」
日哉が咆哮し、刀を振りかぶる。しかし、その瞬間——
パンッ!
銃声が響いた。
日哉は一瞬、目を見開いた。しかし、撃たれたのは彼ではなかった。
「……な……」
倒れたのは吉田だった。胸元を抑えながら、ゆっくりと膝をつく。
「兄さん……?」
日哉の声が震える。
「これで終わりだ……」 雨宮はそう呟き、再び銃を構え直す。「次はお前だ、日哉。」
しかし、その瞬間——
「やらせるかよ!!」
日哉は猛然と駆け出した。刀が閃き、雨宮へ向かって一直線に迫る。
パンッ!
もう一発、銃声が鳴る。
だが、日哉は止まらない。撃たれた肩口から血を流しながらも、狂気に満ちた目で雨宮へと迫る。
「雨宮ァァァ!!!」
コメント
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今回も神ってましたぁぁぁぁ!!!!! 雨宮っち登場ですねえぇ、、、!!そんで、、あれ???( あら?よ、よよよよよよよっしー!?!?!?((? なんかまたね、嫌な予感がするのは気のせいということにしておきましょ( 次回もめっっっっさ楽しみいぃ!!!!!!