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春の風が窓を揺らして、私は目を覚ました。目の前の時計を見ると、ああっ、遅刻ギリギリだ!慌ててベッドから飛び起きる。今日は私の新しいスタートの日。新しい学校、新しいクラス、そして──新しい生活。ドキドキとワクワクが入り混じった気持ちで、制服に着替えながら深呼吸。


でも、心の中ではどうしてもひとつ、気がかりなことがあった。中学受験に失敗したこと。私、国立の難関小に通ってたけど、中学受験で失敗して公立に転校。これを誰にも言えずに、今日を迎えることに少しだけプレッシャーを感じていた。


「せりな、今日から新しい一歩だよ!」自分にそう言い聞かせて、玄関を飛び出す。


家の前で靴を履きながら、ちょうどお隣の湊と目が合った。あれ、湊?あんなに早く出てくるなんて、珍しいな。


「おはよう…」と、挨拶をしようと思ったけど、湊の顔を見た瞬間、なんだか気分がモヤモヤっとしてしまった。


湊は私の方を見ると、ちょっと小馬鹿にしたような笑みを浮かべて言った。「おはよう。」

小馬鹿にしないで?


湊の方は何も気にしていない様子で、私の反応に微塵も動じない。さすがだな、全く。


私たちは、同じ方向に向かって歩きながら、無言のまま歩く。なんだか気まずい…。別に一緒に通学するわけでもないのに。

ークラスに着いてー

「お前、今日からクラス一緒だろ。隣の席。」突然、湊が言った。


私はその一言に、心の中で大声で叫んだ。「なんで隣席なの!」


えっ、隣席って…?まさかの隣席!?そんなの嫌だ!自分の気持ちが顔に出てしまうかと思って、慌てて冷静になろうと深呼吸。うう、最悪だ…!


なんで私、最初からこんな目にあうんだろう。せっかく新しい学校なのに、なんでこんな気まずい隣席に…。


私は少しだけ小さくため息をついて、心の中で泣きたい気分になった。


学校に到着すると、気づけば、周りの男子が私にチラチラと視線を送ってくる。これは何といえばいいのですか?


教室に入って、席に着くと、また湊と目が合う。ああ、気まずい。隣席ってこんなにもストレスなんだ…。


先生が入ってきて、クラスの自己紹介が始まる。私も「桜庭せりなです。よろしくお願いします」と、堂々と言った。みんな、すごく優しく接してくれて、早速友達ができた!良かったな~。


でも、やっぱり湊はちょっと違った。隣の席に座ってるから、なんだか意識せざるを得ない。しかも、湊って本当に毒舌。私が誰かと話していると、突然からかってくる。


「せりなって、モテる割にはちょっと調子に乗りすぎだろ」と、湊が皮肉っぽく言う。


私は、思わずその言葉にムッとしたけど、でも言い返さなきゃと思って、顔を上げて言い返す。「何それ?調子に乗ってるって、あんたに関係ないでしょ!」


湊は一瞬びっくりした顔をして、でもすぐにふふっと笑う。「お、少しは反抗できるんだ。面白いな。」


なんだろう、このやり取り。ちょっと腹が立つけど、なんか負けたくない気もする。でも、心の中では少しだけ嬉しい気分になった。


「まあ、これからもよろしくな、隣席。」湊が笑いながら言って、私はなんだかモヤモヤした気持ちを抱えたまま、今日の一日を終えた。

君の隣で恋した私

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